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F1レギュレーション完全網羅版 – ルールを知ってF1を更に楽しもう

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世界の4輪オープンホイールの頂点に君臨するF1では、”レギュレーション”と呼ばれる規約集によって様々なルールが定められている。F1を120%楽しむためには、レギュレーションの理解が欠かせない。

本ページでは膨大な規約を25のカテゴリに分類し、各カテゴリ毎に知っておくべきルールを2、3厳選し紹介する。詳しく知りたい場合は、詳細ページへのリンクを貼っておいたのでそちらを参照されたい。

2019シーズンの規約変更点のみをまとめた「2019年F1レギュレーション -知っておくべきルール変更点のまとめ」も合わせてご覧頂きたい。また、規約が大幅改定される2021年以降の主要変更点をまとめた「2021年以降のF1レギュレーション、主要変更点のまとめ」もご覧あれ。

レギュレーション概要

まず初めに、レギュレーションそのものについて簡単に説明する。

F1世界選手権で用いられているルールは、レース競技一般の規約を定めた「国際モータースポーツ競技規則」とF1独自の規約の2つから成る。独自規約はレース競技に関するスポーティングレギュレーションと、マシン製造等に関するテクニカルレギュレーション、そして関連レギュレーションの3篇に分かれており、A4サイズにして約220ページ程もある。なお2021年以降は、財務レギュレーション(FINANCIAL REGULATIONS)が新たに追加される。

  • 国際モータースポーツ競技規則
  • FIAフォーミュラ1世界選手権規約
    • スポーティングレギュレーション
    • テクニカルレギュレーション
    • 関連レギュレーション

FIA国際自動車連盟によって管理・監修・規定されており、制定から施行までには数年に渡る準備期間が設けられるのが一般的。重要な変更に関しては全チームの同意が必要となるが、安全性に関わるものについては、FIAが独断で改定する事ができ、即時有効となる。

目次

レース関係の
レギュレーション
  • 決勝レース編
  • フリー走行&予選編
  • テスト編
  • ピット編
  • ポイント制度編
  • ペナルティー編
  • ライセンス編
  • オフィシャル編
  • セーフティーカー編
  • パルクフェルメ編
マシン関係の
レギュレーション
  • パワーユニット&ERS編
  • タイヤ&ホイール編
  • ボディーワーク編
  • ギアボックス編
  • ブレーキ編
  • 電子制御編
  • サス&ステアリング編
  • DRS編
  • 燃料&給油編
  • 安全装置編
  • TVカメラ&タイム計測機器編
  • スペアカー編
  • クラッシュテスト編
  • 車検&計量編
  • 識別編

決勝レースに関するルール

F1スタート
creativeCommonsDonna_Rutherford

  • 決勝スタート30分前からレコノサンスラップ開始
  • レコノサンスラップ走行ができなかったマシンはピットレーンスタート
  • ピットレーンスタートの場合、グリッドからスタートした全てのマシンがピットレーン終点を通過した後にスタート
  • フォーメーションラップでのスタート練習は禁止

レコノサンスラップやフォーメーションラップなど、聞いたことはあるけどイマイチよく分からないという方は多いのではないだろうか。レギュレーション詳細ページではレーススタートまでの手順や決まり、トラブルが発生した場合の対応方法などについてまとめた。ファンは要必読。

決勝レース規約を詳しく知る

フリー走行&予選に関するルール

予選終了後
©formula1.com

  • 決勝に出場するためには最低1回はフリー走行に参加すること
  • 予選が中断する場合、中断した分セッション延長
  • 予選中にコース上で停止した場合、以降出走禁止

レギュレーション詳細ページでは、予選とフリー走行の定義、予選中にトラブルで停止した場合の措置などについて確認できる。

フリー走行&予選規約を詳しく知る

テストに関するルール

メカニックに拠るマシンセッティングの様子
©formula1.com

  • 開幕前テストは、2月1日から10日の間に、連続4日未満、計2回
  • シーズン中テストは、連続2日未満を計2回
  • シーズン中テストの2日間は若手ドライバーに割り当てる
  • 夏は連続14日間の工場閉鎖期間を設ける義務

テストにはF1が公式に行うものと、タイヤ開発のためにタイヤサプライヤーが行うもの、そしてチームが独自に行うものの3種類が存在する。

テスト規約を詳しく知る

ピットに関するルール

ピットレーン
©formula1.com

  • ピットストップポジションのグリップを改善してはならない
  • 電動装置でマシンを持ち上げてはならない
  • ピットレーンの速度制限は80km/h
  • 不要な時にガレージエリアにいる事は禁止

ピットレーンの制限速度は80kmだが、モナコGPなどは例外扱い。上記の他には、ピットレーンの構成要素やピットレーン速度違反の場合の罰金算出方法などについて定義されている。

ピット規約を詳しく知る

ポイント制度と選手権に関するルール

2018年オーストラリアGPの表彰台、シャンパンファイトするハミルトン、ベッテル、ライコネン
© Pirelli

  • 決勝走行距離は最低限305km以上(モナコを除く)
  • 決勝は合計2時間以内であること
  • レース距離の75%以上が完了:フルポイント
    2周以上75%未満:ハーフポイント
    2周未満:ノーポイント
  • タイトルはエンジン製造者ではなく車両の製造者に与えられる
  • 参戦は最大13チームまで、各チーム毎に2台をエントリー

順位に応じたポイント配分、ポイントでタイトルが決しない場合の採点制度、レースが途中で中断しそのまま再開できない場合のポイント配分など、詳細は以下のレギュレーションページを確認してほしい。ファン必読。

ポイント制度規約を詳しく知る

ペナルティーに関するルール

クラッシュの瞬間
©formula1.com

  • タイムペナルティーは全部で4種類
  • 10秒ペナルティの消化方法は2種類
  • 2周以内にペナルティーを消化しないと黒旗検討
  • ペナルティポイントが12点で1戦出場停止

F1を楽しむために、ペナルティ関連のレギュレーションは詳細を読んでおくのがオススメ。ペナルティーについてきちんと理解できていないと、せっかくの面白さが半減してしまう。なお、ポジションを守るための方向転換禁止ルール(通称フェルスタッペン・ルール)は、3月23日に廃止された

ペナルティー規約を詳しく知る

ライセンスに関するルール

f1ドライバー
creativeCommonsJaffa The Cake

  • ドライバーはFIAスーパーライセンスを所持していること
  • ライセンス取得条件は3年間でライセンスポイントを40獲得すること
  • 予選開始前であればいつでもドライバー変更OK

レギュレーションには、F1に出走するドライバーの条件を定めた規約群もある。マックス・フェルスタッペンが17歳という若さF1デビューを果たした際に、その是非を巡ってライセンス絡みのルールが改定された。

ライセンス規約を詳しく知る

オフィシャルに関するルール

チャーリー・ホワイティング
creativeCommonsph-stop

  • 各グランプリには7名の主要レースオフィシャルを配置
  • 役割はスチュワードとマーシャルの監視・管理
  • 7名の内2名はFIAスーパーライセンス保持者

レース進行の管理・監督を行っているオフィシャルに関するルール。オフィシャルはさらに3つの役割に分けられるが、その種類や役割、どういった人物がオフィシャルになれるのか等の詳細は以下から。

オフィシャル規約を詳しく知る

セーフティーカーに関するルール

2018年のF1セーフティカー、メルセデスAMG GT Rのフロント
© Daimler AG

  • VSCはセーフティーカーは必要ないダブルイエロー級の場合に使用
  • VSCの下では速度を”十分”に落とさなければならない
  • セーフティカー先導でレースが開始され途中中断した場合、再開時はスタンディングスタート

セーフティーカー編と銘打ったが、バーチャルセーフティーカーや、雨天での決勝レーススタート、赤旗が降られた際のルールなども合わせてまとめた。知っておいて損はない規約ばかり。赤旗が出た時にドヤ顔したいあなたは必読である。

セーフティーカー規約を詳しく知る

パルクフェルメに関するルール

パルクフェルメ
©formula1.com

  • 予選終了から決勝当日のフォーメーションラップ開始の5時間前まで、チームはマシンをパルクフェルメに保管する義務を有する
  • パルクフェルメ下でのマシンへの作業はほぼ禁止
  • 決勝レース終了後は遅滞なくパルクフェルメに直行。ただし優勝ドライバーは例外

パルクフェルメというのもよく耳にする言葉であるが、イマイチその実態は良く分からないところがある。というのも、パルクフェルメは”場所”を指す言葉であると同時に、”状況”を指す言葉でもあるからだ。詳しくは以下の詳細編を確認されたい。

パルクフェルメ規約を詳しく知る

パワーユニット&ERSに関するルール

メルセデスF1エンジン PU106A Hybrid (2014)
© Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

  • 交換は年3基まで許可、それ以上の場合ペナルティ
  • 内燃機関は1.6リットル、回転数は15,000rpmまで
  • 燃料流量は一時間あたり110キログラム
  • ペナルティ逃れのためのPU一気交換はNG

2014年以降の成績を大きく左右しているパワーユニット。日本の大手自動車メーカーであるホンダがサプライヤーとして参戦している事もあり、興味のある方も多いだろう。詳細編では、PUの構成要素・構造についてのルール、MGU-KやMGU-Hなどのエネルギー量の規定などについて詳しくまとめた。

パワーユニット&ERS規約を詳しく知る

タイヤ&ホイールに関するルール

7種類のF1ピレリタイヤ
© Pirelli

  • 供給タイヤ数は、ドライ13セット、インターミディエイト4セット、ウェット3セット
  • レース中に雨用タイヤを使用しない場合、最低2種類のドライタイヤを使用する事
  • タイヤは空気か窒素でのみ膨張させること

モータースポーツレースにおけるタイヤの役割はとてつもなく大きいだけに、可能な限りチェックしておきたい。何しろタイヤを変えるだけでラップタイムが5秒も向上する程である。詳細編では、供給されるタイヤの種類や本数、タイヤ返却の決まり事、製造方法や取扱についてのルールをまとめた。

タイヤ&ホイール規約を詳しく知る

ボディーワークに関するルール

エルマノス・ロドリゲス・サーキットで開催されたF1メキシコGP予選を走るトロロッソ・ホンダの2台のF1マシン 2018年10月27日
© Getty Images / Red Bull Content Pool

  • タイヤを除くマシン全幅は2000mm以内
  • マシンのどの部分も高さ950mmを超えてはダメ
  • リアウィングを除き可動式の車体は使用不可

ボディーワーク編では、主にマシンサイズに関するルールや、可動式パーツについてのルールの他、「ドライバーは、ステアリング以外のマシンパーツを取り外す必要なく、コックピットに出入りすることができなければならない」などの安全性に関するルールを収録した。

ボディーワーク規約を詳しく知る

ギアボックスに関するルール

ギアボックス
©formula1.com

  • ギアボックスは最低6グランプリ連続で使用
  • ギアボックス変更は5グリッド降格ペナルティー
  • 前進8速および後進1速のギアを備えること
  • 自動ギアチェンジとCVTは使用不可

交換によってペナルティが下されるギアボックス。連続6イベント使用せずに交換した場合、5グリッド降格ペナルティとなる。詳細編ではペナルティ関係を中心に、製造や使用に関するルールをまとめた。暇な時に目を通す程度でよいと思う。

ギアボックス規約を詳しく知る

ブレーキに関するルール

F1マシンのブレーキ
©formula1.com

  • ブレーキペダルを踏んだ時に、車輪がロックされないよう自動的に制動する仕組みは禁止
  • ブレーキを冷却するための液体の使用は禁止
  • 制動システムは前輪用と後輪用の2つの油圧回路で構成すること

ABS(アンチロック・ブレーキング・システム)が禁止されているのは、ドーナツターンができなくなるのを防ぐためだろうか(笑)。ブレーキディスクのサイズや厚み、ピストンの数やパッド等に興味のある方は詳細編を参照されたい。

ブレーキ規約を詳しく知る

電子制御に関するルール

F1マシンのコックピット
©formula1.com

  • パワーユニット、ギヤボックス、等のコンポーネントはECUで制御すること
  • レーススタート信号を自動的に検出できる電子システムは禁止
  • マシン・ピット間の無線ラジオは公開すること
  • コックピットには、トラック信号情報ディスプレイを備えること

複雑化するF1マシンは電子制御なしには成立しない。マーシャルがコース上で黄旗や緑旗を振っているが、規約によればこれを見ずともドライバーはコックピット内のディスプレイでコース状況を確認できるのだそうだ。

電子制御規約を詳しく知る

サスペンション&ステアリングに関するルール

F1マシンのサスペンション
©formula1.com

  • 前後のサスペンションが相互接続される様なシステムは禁止
  • アクティブサスペンションは禁止
  • 電子制御式ステアリングは禁止

パワステはOKだけど、電動パワステは禁止。これは自動運転に類するシステムが導入されるのを防ぎ、ドライビングがドライバーの能力を反映するようにするための規約だろう。

サス&ステアリング規約を詳しく知る

DRSに関するルール

DRS
©formula1.com

  • 天候の悪い状況、またはDRSゾーンにイエローフラッグが出ている場合には、レースディレクターはDRSの使用禁止命令を出すことができる
  • 決勝レースにおいて、レーススタート後及びセーフティカー離脱後の最初の2周回はDRSの使用が禁止される。ただしヴァーチャル・セーフティーカー後は直後に有効となる。

オーバーテイク装置であるDRSについての各種規約。数もそんなに多くなく、内容もとても分かりやすいのでぜひ詳細編に目を通しておいて欲しい。

DRS規約を詳しく知る

燃料&給油に関するルール

F1マシンに使用する燃料
©formula1.com

  • 決勝レースでは110kg以下の燃料が使用可能
  • 燃料流量が100kg/hを超えてはならない
  • 燃料は一般商用燃料と同じような化合物で構成されていること

給油システムが廃止された今、燃料と給油に関するルールは非常にシンプルだ。2017年、メルセデス等の一部チームがエンジンオイルを燃料とするトリックによってゲインを得たため、18年はこれが禁止された。知っておく必要性の高い規約は少ないが、見ておいても面白いと思う。

燃料&給油編規約を詳しく知る

安全装置に関するルール

F1マシンの消火活動
©formula1.com

  • コックピットとエンジンルームに消火装置を設置
  • マシンは2つのリアビューミラーを設置
  • 悪天候時の安全確保のためマシン後部に赤色ライトを装着
  • ドライバーは耳没入型の加速度計を装着

ジュール・ビアンキの一件があったとは言え、今のF1の安全性の高さには本当に頭が下がる。それもこのように事細かにルールが定められているからにほかならない。F1が如何に安全性を大事にしているのかがよく分かるので、ぜひ詳細編をご覧いただきたい。興味深く読み進められると思う。

安全装置規約を詳しく知る

TVカメラ&タイム計測機器に関するルール

F1マシンに取り付けられたテレビ放送用カメラ
©formula1.com

  • マシンには最低4台のオンボードカメラを設置
  • 公式タイムキーパーが供給する2つのタイム計測装置を装着

レース放送をよりエキサイティングなものにしてくれるオンボード映像。規約では最低4台のカメラがマシンに取り付けられているとのこと。そんなに色んな角度からの映像あったかな…。

TVカメラ&タイム計測機器規約を詳しく知る

スペアカーに関するルール

スペアカー
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  • チームが1イベントで使用できるマシンは2台まで
  • スペアカーは禁止、シャーシが修理できないほど損傷した場合は例外
  • 3回目のフリー走行終了後以降に別のマシンを使用する場合はピットレーンスタート

何かあった時の予備用のマシンに関するルール。スペアカーはTカーとも呼ばれたりする。詳細編は時間があれば目を通す程度で良いと思う。

スペアカー規約を詳しく知る

クラッシュテストに関するルール

クラッシュ
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  • テストに合格しない限りコース上には出られない
  • 砲撃吸収のためステアリングコラムは変形するよう製造すること
  • 転倒に備えてマシンには2つのロールを装着

クラッシュテストは主として安全性確保のために実施されるものであり、レギュレーションではマシン製造の方法やその材質、構造などについて詳しく規定されている。

クラッシュテスト規約を詳しく知る

車検&計量に関するルール

F1マシン車両計量装置
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  • ドライバーを含めた車の最低重量は740kg
  • 最小重量要違反の場合はタイムペナルティーか失格
  • Q1とQ2に参加しているマシンは無作為に、Q3に参加しているマシンは全て計量

レース終了後にドライバーがピット内で体重計測している様子がしばしば映されるが、ドライバーだけではなくマシン自体の重量も測定されている。2019年に、ドライバーを含めた車の最低重量(燃料は含まない)が733kgから740kgへと増加。この重量に満たない場合、バラスト(重り)の設置によって人為的に重量を増やすことが義務付けられた。

車検&計量規約を詳しく知る

識別に関するルール

ハミルトンのヘルメット
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  • チーム名かエンブレムをフロントノーズに表示
  • マシンにはドライバーのカーナンバーを記載
  • チームの2台のマシンを区別するために、車載カメラは各々色分けすること

ファンあるいはオフィシャルが容易に各マシン及びドライバーを識別できるように設定されたレギュレーション。昨年はヘルメットの変更が禁止されていたが、今年から年間1イベントに限り変更が許可された。詳細編では、車やヘルメットの仕様の他カーナンバーについてのルールをまとめた。

識別規約を詳しく知る