
ピレリ、2026年F1レインタイヤの最終テストを完了―人工ウェットのフィオラノでフェラーリと実走
2026年シーズンに向けたインターミディエイトおよびフルウェットタイヤの最終開発テストが完了した。テストはスクーデリア・フェラーリの協力のもと、6月19日と20日にフィオラノ・サーキットで実施された。
今回のレインタイヤテストは、今年5月にメルセデスがシルバーストンで行ったテストに続くものであり、特にフルウェットタイヤの性能に対して厳しい評価が出ていたことを受け、改良版が持ち込まれた。
フィオラノでは人工的に路面を濡らしての走行が行われたが、特定の湿度や路面温度といった条件を再現するのは容易ではない。さらに2026年には車体レギュレーションが刷新されるため、現時点では新型車両が存在せず、想定される挙動やダウンフォースレベルに近い「ミュールカー」での走行となるため、テストの難易度は一層高い。
それでもピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは、「興味深い成果が得られたと思う。来年には、現行タイヤと比較して性能面と作動ウィンドウの両面で改良されたタイヤをチームに提供できるだろう」と一定の手応えを示した。
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.
2026年仕様の雨用タイヤテストに取り組むフェラーリのリザーブ・ドライバー周冠宇、2025年6月19日フィオラノ・サーキット
初日はフェラーリのリザーブドライバー、周冠宇が159周を走破し、スリックタイヤで1分59秒820、インターミディエイトで1分07秒400のベストタイムを記録。2日目にはシャルル・ルクレールが110周を走行し、スリックで1分59秒210、インターミディエイトで1分06秒180をマークした。
ピレリは今回収集したデータをもとに2026年仕様のレインタイヤを最終決定する予定で、次回の開発テストはイギリスGPの翌週にシルバーストン・サーキットで実施される。