
ボルトレート「世代最高のルーキー」とアロンソ絶賛―2人の王者と激突、ハンガリーで自己最高6位…”微笑ましい一幕”も
2025年F1第14戦ハンガリーGPで、ザウバーのルーキー、ガブリエル・ボルトレートがキャリア最高位となる6位入賞を果たした。2人のF1ワールドチャンピオン、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)との直接対決を経て、堂々たるパフォーマンスで「ドライバー・オブ・ザ・デイ」に選出された。
予選では7番グリッドを確保。スタート時にはフライングの疑惑が浮上したものの、公式な調査は行われず、レース序盤にはフェルスタッペンを背後に抑え込むシーンも見られた。5位争いではアロンソに軍配が上がったが、王者たちに囲まれながらも一歩も引かずに走り切った。
レース後、ボルトレートは自身の師であるアロンソ、そしてグリッド上の友人でもあるフェルスタッペンという名だたるチャンピオンたちと攻防について、次のように振り返った。
「フェルナンドを抜くのは難しかった。彼は、いつプッシュすべきか、いつペースを落とすべきか、このゲームのやり方を熟知してるからね」
「レース序盤にマックスを抑え込むのも楽じゃなかった。あれはめちゃくちゃ大変だった。正直、本当に素晴らしいレースだった。キャリアの今の段階で、彼らと戦えるなんて光栄だよ」
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.
決勝でガブリエル・ボルトレート(ザウバー)を抑え込むフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)、2025年8月3日(日) F1ハンガリーGP(ハンガロリンク)
アロンソ太鼓判「この世代で最高のルーキー」
アロンソは、自身のマネジメント会社「A14」を通して、そして個人としてもボルトレートを支援しており、その成長ぶりに賛辞を惜しまなかった。
「彼はミスが少なく、常にプレッシャーをかけてくる。この世代で最も優れたルーキーだ。もし彼がイギリス人で、サウバーで6位に入ったなら、メディアは彼の話で持ちきりになるだろう。彼のパフォーマンスは群を抜いている」
メディアペンでは、自身の背後を通り過ぎるボルトレートを見つけたアロンソが「今日の僕らはザウバーなんかより遥かに速かったね!」と冗談を飛ばし、それに対してボルトレートが軽く小突き返すという微笑ましい一幕もあった。
ポイント量産中のザウバー、ルーキーの急成長
ルーキーらしくシーズン序盤こそ厳しい時期を過ごしたが、アップグレードされたザウバーC45の競争力向上を背景に、オーストリア、ベルギー、そして今回のハンガリーと、直近4戦で3度のポイント獲得に成功。ボルトレート自身も、成長に手応えを感じている。
「シーズンの初めは、まさに”ルーキー中のルーキー”という状態だったけど、それは普通のことだし、そのレベルからスタートするとシーズン中に大きく成長できる。単にスピードだけじゃなく、クルマに対する理解や、自分に必要なもの、エンジニアたちとの仕事のやり方など、そういった部分で本当にたくさんのことを学んだ」
ニコ・ヒュルケンベルグも過去6戦で4度の入賞を果たしており、ザウバーとしては直近6戦連続でのポイント獲得となった。その結果、サマーブレイクを前にコンストラクターズ選手権で6位アストンマーチンに1ポイント差の7位、5位のウィリアムズに対しても18ポイント差に迫った。
「チームは最高のクルマを用意してくれた。おかげで今日のレースはすべてが上手くいった。戦略も良かったし、これ以上の形でシーズン前半を締め括れたとは思わないね」と、ボルトレートは喜びを語った。
躍進するザウバーとともに、F1の未来を担う逸材は着実にその才能を開花させている。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
ドライバーズパレードで言葉を交わすガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2025年8月3日(日) F1ハンガリーGP(ハンガロリンク)
2025年F1第14戦ハンガリーGPでは、3番グリッドからスタートしたランド・ノリス(マクラーレン)が今季5勝目を達成。2位にチームメイトのオスカー・ピアストリ、3位表彰台にジョージ・ラッセル(メルセデス)が続く結果となった。
F1サーカスはこの後、サマーブレイクを迎える。ザントフォールト・サーキットを舞台とする次戦オランダGPは、8月29日のフリー走行1で幕を開ける。