表彰台セレモニーに群がるフェラーリの熱狂的ファン「ティフォン」と煙幕、2022年9月11日F1イタリアGP
Courtesy Of Ferrari S.p.A.

無料あり!2023年版「3つのF1視聴方法」DAZNとフジテレビを料金・プランで徹底比較

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今年のF1はどうすれば見れるの? とお困りのファンのために、角田裕毅が参戦する2023年シーズンのFIAフォーミュラ1世界選手権の視聴方法を以下にまとめる。

残念ながら日本では地上波やBSでの無料生放送は行われない(2011年で終了)。F1公式ライブ配信「F1 TV PRO」も日本対象外で、YouTubeやTwitchでの配信もない。録画ハイライトに限り、F1公式YouTubeチャンネルで無料配信されている。

2023年のF1放送/配信チャンネルは「DAZN(ダゾーン)」「フジテレビNEXTライブ・プレミアム」「フジテレビNEXTsmart」の3つの有料サービスのみだが、スカパーは加入月に限り無料で視聴する事ができる。

2023年F1の開催概要と見所

スタート直後のメインストレートの様子、2023年4月29日F1アゼルバイジャンGPスプリントCourtesy Of Red Bull Content Pool

スタート直後のメインストレートの様子、2023年4月29日F1アゼルバイジャンGPスプリント

2023年は史上最多タイとなる全22戦が予定される。鈴鹿サーキットでの日本GPは9月24日に決勝が行われ、シーズンは11月26日のアブダビGPで閉幕を迎える。

レッドブル・ホンダRBPTはマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスのコンビを継続。2年連続のダブルタイトルに挑む。3年目のキャリア正念場を迎える角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダRBPT)は、チームメイトが目まぐるしく入れ替わる中、チームの全得点を稼いで4シーズン目の契約に向けて首脳陣に感銘を与えている。

リバティメディア買収後のF1は、ロゴの刷新を皮切りに国際放送の各種グラフィックを一新。公式テーマソングに加えて人工知能によるリアルタイム分析データが画面表示されるなど、以前とは異なる雰囲気を楽しむ事が出来る。

2021年F1第二戦エミリア・ロマーニャGPで導入される人工知能を用いたリアルタイム分析「ブレーキング・パフォーマンス」のグラフィックCourtesy Of AWS

2021年F1第二戦エミリア・ロマーニャGPで導入された人工知能を用いたリアルタイム分析「ブレーキング・パフォーマンス」のグラフィック

次戦スケジュールと放送・配信日程

セッション日時結果
FP1結果
FP2結果
FP3結果
予選結果
決勝TBA

「フジテレビNEXT」と「フジテレビNEXTsmart」はフリー走行・予選開始時刻の10分前、決勝開始時刻の50分前から生放送する。「DAZN」は概ね決勝の50分前、その他セッションは開始時刻よりライブ配信するDAZN番組表

各グランプリのテレビ観戦ガイドはF1テレビ放送スケジュールを、開催スケジュールについてはF1カレンダーを参照されたい。

放送サービス比較表

F1放送チャンネルは以下の3つのみ。以下特に記載がない場合、金額は税込とする。いずれのチャンネルも2023年シーズンの全22戦オールセッションを完全生中継・生配信する。

DAZN フジテレビ
NEXT
フジテレビ
NEXTsmart
チャネル ネット配信 テレビCS放送 ネット配信
月額料金 2,500~3,700円 1,749円 1,320円
初回費用 0円 0円 0円
無料お試し 加入月
見逃し配信 再放送有
放送対象 全セッション 全セッション 全セッション
録画 不可 不可
同時視聴 2台可 不可 不可
必要環境 スマホ等のネット端末 TV、アンテナ、チューナー スマホ等のネット端末
特徴 多コンテンツ
4画面表示
安心確実 安価
注意 遅延障害 要アンテナ 見逃し×

各々のサービスの特徴と注意点、そして必要となる金額を以下に詳しく見ていく。

1:DAZN(ダゾーン)

DAZNのWEBサイトのスクリーンショット

スポーツ専門のストリーミング配信サービス「DAZN」はドイツやイタリア、アメリカ、ブラジルなど全世界200以上の国と地域でサービスを展開しており、日本では2016年ドイツGPよりF1配信を開始。視聴プラン「スタンダード・プラン」を通して少なくとも2025年末までF1を配信する。

スマホ・PC・タブレットの他、スマートテレビやPlayStation、XBoxなど、様々なデバイスで場所を選ばず視聴できる。アンテナ設置などの別途費用は不要で、とにかく気軽に視聴できるのが魅力だ。

多彩なコンテンツ

各セッションだけでなく、シーズン中の毎週水曜日にはプレビュー番組「WEDNESDAY F1 TIME」を配信。見どころや勝負を分けたポイントなど、レースの前後も楽しめるコンテンツとなっている。

モータースポーツとしては他に以下のカテゴリーが2025年末まで配信される予定だ。F1の登竜門として位置付けられる今季のFIA-F2選手権には、角田裕毅と同様にホンダ並びにレッドブルの支援を受ける日本出身の岩佐歩夢が参戦する。

  • FIA-F2選手権
  • FIA-F3選手権

この他にも、MotoGPのマルク・マルケスの特集番組やF1を世界的人気スポーツに押し上げたバーニー・エクレストンのドキュメンタリー「Lucky!」等の海外ドキュメンタリーや、ポルシェ・スーパーカップ、Extreme Eマガジン、F1アカデミーのハイライトが配信されている。

DAMSからFIA-F2選手権に参戦する岩佐歩夢、2022年9月4日ザントフォールト・サーキットにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

DAMSからFIA-F2選手権に参戦する岩佐歩夢、2022年9月4日ザントフォールト・サーキットにて

モータスポーツ以外にもJリーグやプロ野球、WEリーグ、AFCアジアカップなどのAFC公式14大会、ラ・リーガ、セリエA、リーグ・アン、UEFA女子チャンピオンズリーグなど欧州サッカー、ゴルフ、テニス、ボクシング、総合格闘技など幅広いコンテンツを備える。これらのファンにとってはDAZN一択だろう。

DAZNを試してみる

4画面表示「F1 ZONE」

機能面での一番の特徴は、画面を4分割して様々なデータを表示する「F1 ZONE」。インターネット配信ならではの強みを活かした配信形態と言える。表示される4つのデータは以下の通り。

  • 国際映像
  • オンボードカメラ
  • 順位やタイム差が分かるライブタイミング
  • ドライバー紹介や予選順位などの追加情報

DAZNのマルチ画面配信システム「F1 ZONE」のキャプチャー

料金体系

以下のように契約窓口とプランによって料金が異なる。シーズンを通してF1を視聴するのであれば、約8ヶ月分の料金で12ヶ月視聴できる月額換算2,500円の「年間プラン(一括払い)」が最も安くお得だ。


窓口 プラン 料金 月額換算
本家DAZN 月額プラン 3,700円/月 3,700円
年間プラン(月々払) 3,000円/月 3,000円
年間プラン(一括払) 30,000円/年 2,500円
DMM DMM × DAZNホーダイ 2,980円/月 2,980円
docomo DAZN for docomo 3,700円/月 3,700円

本家DAZN

2022年2月に新設された「年間プラン(月々払い)」は分割で12ヶ月分を支払う契約で、一括払いと比べると年に7,000円のコスト高であるため、一度に全額を払うのが懐に厳しいという方以外にメリットはない。

DAZNは2022年2月23日と2023年2月14日の2度に渡って値上げを行っており、そのたびに月額プランが割高に、「年間プラン(一括払い)」がリーズナブルになっている。月額換算2,500円の「年間プラン(一括払い)」がおすすめだ。

支払い方法としては各種クレジットカードやデビットカード(VISA、MasterCard、JCB、AMERICAN EXPRESS、Diners Club)、PAYPAL、DAZNプリペイドカード、モバイルキャリア/アプリ決済等に対応する。

支払い方法による制限はあるものの、最大6ヶ月間に渡ってサービスを一時停止とする機能も用意されている。あらかじめ設定された利用再開日に自動的に再開するもので、一時停止期間中には料金が発生しない。

DMM × DAZNホーダイ

「DMM × DAZNホーダイ」は、月額2,980円で「DMMプレミアム」と、F1を含む多彩な番組が楽しめる「DAZNスタンダード」の全てのコンテンツを利用できるお得なプランだ。

年額プランはないが、金額的に安いため本家DAZNの「年間プラン(月々払)」を検討しているのであれば「DMM × DAZNホーダイ」一択だ。

DMMプレミアム」は、17万本以上が配信されている定額制動画配信サービス「DMM TV」のコンテンツが見放題で、電子書籍サービス「DMMブックス」でも一部作品を無料で読む事ができる。

DMM × DAZNホーダイ

DAZN for docomo

ドコモが窓口の「DAZN for docomo」は2022年4月17日を以て初回31日間無料特典が廃止され、料金も本家と同じ3,700円であるが、以下のいずれかに該当する場合は条件次第で最大1,193円引きの実質2,507円となる。

  • ahamoまたはギガホ契約者
  • dカードゴールドを持つドコモ回線契約者
  • LeminoプレミアムまたはひかりTV契約者
  • ドコモスポーツくじ利用登録済みユーザー

本家と異なるのは料金の対象期間だ。公式は申込日を起算として計算が行われるが、「DAZN for docomo」の場合は契約日・解約日にかかわらず、毎月1日から末日までの1か月分の料金が請求される。

DAZN for docomo

実況・解説

海外発のサービスだがF1の実況・解説は全て日本語。元F1ドライバーの中野信治氏やモータースポーツジャーナリストの小倉茂徳氏らが解説を担当し、実況はスーパーフォーミュラやSUPER GTなどJ SPORTSでもお馴染みのサッシャ氏らが務める。解説は平易で、モータースポーツ初心者向けな印象だ。

見逃し配信

基本的にレース後1週間程度は見逃し配信があるため、万が一リアルタイムで視聴出来なくとも安心。F1は世界各国で行われるため深夜や早朝にレースが行われる事も少なくなく、その意味でも見逃し配信は有り難い。

注意点

ストリーミングサービスの宿命であるが、回線状況やデバイス性能等によって遅延などの障害が発生する可能性がある。類似のF1ネット配信サービス元祖「Formula 1 on ZUME」は許容できない遅延・障害ぶりで視聴者の不評を買ったものの、後発のDAZNは精力的に対策を施じており、遅延の程度を示す”リバッファリング率”はフルシーズンを初めて放送した年の半年間で1.2%から0.2%まで低減。最近は目立った遅延はない。

パナソニックのビエラやSonyのブラビア等に代表されるスマートテレビの他、「Apple TV」や「Chromecast」や「Amazon Fire TV」に対応しているため、これを別途購入することで、自宅のテレビ画面でDAZNを楽しむことも出来る。

2:フジテレビNEXTライブ・プレミアム

スカパー・フジテレビNEXTライブプレミアムのスクリーンショット

特徴

F1放送の老舗、フジテレビは鈴鹿で初めて日本GPが開催された1987年からF1全戦を放送。今年で37年目を迎える。

お馴染みの川井一仁、森脇基恭、津川哲夫の他、現役トップドライバーの松田次生、元ブリジストンタイヤ開発本部長の浜島裕英、元ホンダF1マネージング・ディレクターの山本雅史らモータースポーツ界の著名人が解説陣を務める。

ウリはインターネット配信サービスとは異なり遅延が発生せず安心・確実にレースを視聴できる点。これは他には代えがたいストロングポイントだ。「総集編」や「F1レジェンド」、「F1 GPニュース」といった関連番組が見れるのも魅力の一つ。

スカパーでの契約者には「スカパー!オンデマンド」でのインターネット無料配信サービスが付帯。ライブ配信のほか、各セッションと「F1 GPニュース」の見逃し配信が視聴できる。

1社単独放送の時代が長く続いてきたため胡座をかく部分も散見されたが、DAZNの参入を経てSNSアカウントを開設し、ハッシュタグ「#f1fujinext」で質問を受け付けるなど、ファン目線でのサービス向上に努めている。

料金体系

以前は加入料として2,800円を支払う必要があったが、2017年10月1日に廃止された。F1のみ視聴できれば良いユーザーにとって、月額1,749円はDAZNに対して大きなアドバンテージと言える。

月額費用 1,749円 (税込)
視聴料:1,320円 + 基本料:429円
初回費用 0円
放映形式 CS放送
放映対象 全戦の全セッション

4K放送は終了

2019年よりフルハイビジョンの4倍の画素数で配信する4K放送が開始された。当初は別途月額1,540円(税込)で提供されていたが、2021年より付帯サービスとして無料提供される事となった。

4K中継はフリー走行を除く予選と決勝に限られたが、キメ細かな超高精細映像と5.1チャンネル・サラウンドの立体的な音響は最高の視聴体験をもたらすものだった。ただ、2022年を以て終了した。

申し込みの流れ

  1. スカパーが映るかチェック
  2. WEBか電話で申し込み
  3. 30分後に視聴可能

自宅のテレビで「CS161」を選局し、映像が映るかどうかを確認する。後は、テレビに差し込んであるB-CASカードの番号を控えておき、WEBか電話で申し込む。申込みから約30分で視聴可能となる。

注意点

CSアンテナが必要。自宅にアンテナが設置されていない場合、別途アンテナ本体・工事費用が発生してしまう。ただ、家の間取り等によっては安価な室内型アンテナで受信することも可能、この場合工事は必要ない。卓上ブースターと呼ばれる電波増幅装置を併用すれば、大抵の環境では問題なく視聴できるだろう。

なお「auひかり」の加入者であれば、auひかりテレビサービスの有料プレミアムチャンネル「フジテレビNEXTライブ・プレミアム」を契約する手もある。CSアンテナは不要で1,100円/月とスカパーよりややお得だ。ただしセットトップボックス(STB)の利用料として550円/月が必要となる。

スカパー「フジテレビNEXT」

3:フジテレビNEXTsmart(ネクスマ)

FODサイト内のフジテレビNEXTsmart特設ページのスクリーンショット

特徴

「フジテレビNEXTsmart」はスマホやPC、タブレットなどでF1を視聴できるインターネット配信サービス。「フジテレビNEXTライブ・プレミアム」をスカパー!、J:COM、ひかりTV経由で加入していれば無料で利用する事ができるが、単体契約の場合は月額1,320円(税込)が発生する。

2018年まではネクスマの単品契約ではF1放送は視聴できなかったのだが、2019年以降は単品契約でも視聴可能となり、「F1 GPニュース」などの関連番組を含む全てが生配信されている。

ただし番組内容はフジテレビNEXTライブ・プレミアムと「異なる場合」があるとしており、都度の確認が必要だ。

料金体系

月額費用 1,320円 (税込)
初回費用 0円
放映形式 ネット配信
放映対象 全戦の全セッション

注意点

2023年に関しては見逃し配信に関する記述がなく「一部の番組は見逃し配信に対応」とされている。これまで同様、単体契約での見逃し配信は期待できない。

ネット配信としては以前であればDAZNに圧倒的な利があったが価格差が拡大したため、見逃し配信がない事を許容できるのであれば「フジテレビNEXTsmart」を選ぶのもありだろう。

DAZN同様、ストリーミング配信なので遅延などの障害が発生する可能性がある。ローンチ当初の2013年当時は使いものにならないくらい遅延がひどかったが、近年は然程気になるような遅延はない。

ネクスマは「スカパー!オンデマンド」や「FOD」などを通して視聴できる。

総括

ネット配信ならDAZN

レースは生で観戦してナンボ。緊迫したレースの途中で突然映像がフリーズしてしまう可能性のあるネット配信はオススメしにくいものの、近年の改善ぶりには目を見張る物がある。

ただし見逃し配信不安の「フジテレビNEXTsmart」は価格以外に価値を見出すのが難しい。確かに価格は上がったが、ネット配信サービスであればDAZNをお薦めする。野球、サッカーなど他のスポーツのファンであれば尚更だ。

DAZNで詳細を見る

高画質・遅延なしならフジNEXT

CS受信環境があり最高の視聴環境でレースを見たいのであれば「フジテレビNEXTライブプレミアム」が良いだろう。料金的にもDAZNに対してかなりの優位性がある。

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迷ってしまう場合は…

どれにすべきか迷ってしまった方は、まずは無料トライアルを使って「フジテレビNEXTライブプレミアム」を試してみては如何だろうか。