F1:後半2戦で”タイヤ飛び番”が再登場、夏休み明け10戦のコンパウンド選択

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F1公式タイヤサプライヤーのピレリは、夏休み明けから最終戦までの10戦におけるコンパウンド配分を全チームに通達した。戦略の幅を広げてマルチストップを促す狙いから、計5戦で昨年とは異なる割り当てが実施される。

オランダはソフト、サンパウロは硬め寄りに変更

ザントフォールト・サーキットのピットレーン入口前のグランドスタンドに座る観客、2024年8月23日F1オランダGPフリー走行Courtesy Of Alpine Racing

ザントフォールト・サーキットのピットレーン入口前のグランドスタンドに座る観客、2024年8月23日F1オランダGPフリー走行

サマーブレイク明けの初戦、第15戦オランダGPでは、昨年のレースで全体の4分の3が1ストップ戦略だったことを踏まえ、昨季より1段階ソフト寄りとなる組み合わせが採用され、C2にハード、C3にミディアム、そしてC4にソフトが投入される。

第21戦サンパウロGPでは、昨季にC5がレースタイヤとして適さないことが明らかとなったため、全てが一段階硬めとなり、2023年と同じく、ハードがC2、ミディアムがC3、ソフトがC4となる。

C6は後半で1度のみ投入

バクー市街地コースを周回するバルテリ・ボッタス(ザウバー)、2024年9月14日F1アゼルバイジャンGPCourtesy Of Sauber Motorsport AG

バクー市街地コースを周回するバルテリ・ボッタス(ザウバー)、2024年9月14日F1アゼルバイジャンGP

2025年に新登場したC6は、市街地サーキットで戦略の幅を広げる目的で導入されたが、後半戦での投入はわずか一度のみ――シンガポールやラスベガスでは使われず、第17戦アゼルバイジャンGPでは昨年より1段階ソフト寄りとなり、C4がハード、C5がミディアム、C6がソフトとなる。

C6は予選アタックでピーク性能を引き出しにくい傾向があり、エミリア・ロマーニャGP、モナコGP、カナダGPでは、C6の代わりに硬めのC5が予選の勝負タイヤとして選ばれる場面が目立った。

飛び番構成、再び

3年ぶりの“飛び番構成”が採用された7月のベルギーGPでは、雨に見舞われたため、各チームの戦略への影響を十分に評価できなかったが、、シーズン後半のアメリカ大陸4戦のうち2戦でも同様の構成が採用される。

第19戦アメリカGPでは、ミディアム(C3)とソフト(C4)は昨季と同じだが、ハードはC2からC1へ1段階硬くなる。翌週の第20戦メキシコGPも同様で、ミディアム(C4)とソフト(C5)は同じだが、ハードはC3からC2へと一段階硬くなる。

スタート直後のターン1でカルロス・サインツ(フェラーリ)からリードを奪うマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とクラッシュする角田裕毅(RBフォーミュラ1)、2024年10月27日F1メキシコGP決勝レース(エルマノス・ロドリゲス・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

スタート直後のターン1でカルロス・サインツ(フェラーリ)からリードを奪うマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とクラッシュする角田裕毅(RBフォーミュラ1)、2024年10月27日F1メキシコGP決勝レース(エルマノス・ロドリゲス・サーキット)

5戦は昨季と変わらず

残る5戦はすべて昨年と同じ割り当てとなる。

第16戦イタリアGP、第18戦シンガポール、第22戦ラスベガスGP、そして最終第24戦アブダビではC3がハード、C4がミディアム、C5がソフトとなる。

タイヤへの負荷が高い第23戦カタールGPでは、2025年のラインナップの中で最も硬い組み合わせ(C1がハード、C2がミディアム、C3がソフト)が選ばれた。

2025年グランプリ別コンパウンド

グランプリ C1 C2 C3 C4 C5 C6
オーストラリア
中国
日本
バーレーン
サウジアラビア
マイアミ
イモラ
モナコ
スペイン
カナダ
オーストリア
イギリス
ベルギー
ハンガリー
オランダ
イタリア
アゼルバイジャン
シンガポール
アメリカ
メキシコ
サンパウロ
ラスベガス
カタール
アブダビ

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