予選後のパルクフェルメで汗を拭う2番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2025年5月17日(土) F1エミリア・ロマーニャGP(イモラ・サーキット)
Courtesy Of Red Bull Content Pool

フェルスタッペンもハマった“C6の罠”、一方で改良RB21には一定の手応え

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2025年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP予選で、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はオスカー・ピアストリ(マクラーレン)にわずか0.034秒差で敗れ、2番手にとどまった。第1セクターでは全体ベストを記録したが、続く2つのセクターでは自己ベストを更新できず、惜しくもポールを逃した。

フェルスタッペンは「1周通して保たせるのは本当に難しかった」と語り、Q3の最初のアタックからタイヤのオーバーヒートに悩まされていたと振り返った。

「速く走ろうとすればするほどタイヤがオーバーヒートしてしまった。Q3の1本目からそれが出ていたし、さらに攻めた2本目に関しては、セクター1は良かったんだけど、その後タイヤが終わってしまってアンダーステアが出てきたんだ。ちょっと残念だね」

今季初投入となったピレリのC6コンパウンドは、1周を通しての性能維持が難しく、ラップ後半にかけてグリップ低下が顕著だった。

フェルスタッペンは「このコースにC6はちょっと柔らかすぎたかもしれない。僕自身もミディアムの方が好感触だった」と語り、ミディアムタイヤ(C5)を選択して3番グリッドを持ち帰ったジョージ・ラッセル(メルセデス)に言及した。

一方で、レッドブルがC6を使い続けたのは、決勝レースを重視した判断だったという。「ポイントがかかるのは明日のレースだから、そっちに集中しないと」とフェルスタッペンは指摘した。

イモラ・サーキットでレッドブル・レーシングRB21をドライブするマックス・フェルスタッペン、2025年5月17日(土) F1エミリア・ロマーニャGP予選Courtesy Of Red Bull Content Pool

イモラ・サーキットでレッドブル・レーシングRB21をドライブするマックス・フェルスタッペン、2025年5月17日(土) F1エミリア・ロマーニャGP予選

今週末、レッドブルはRB21に大規模なアップグレードを実施した。主な変更点はラジエーターダクトおよびサイドポッドの形状で、インレットやその周辺構造、支持ステーの再設計によって空力効率の向上を図った。また、サイドポッドインレット下部には新たにターニングベーンを追加し、リアサスペンションおよびホイール周辺のダクトにも調整を加えた。

その効果についてフェルスタッペンは、「昨日は正直、厳しかったけど、今日は間違いなくクルマを良いウィンドウに持ってこれたと思う。感触も良くなってきたし、バランスもだいぶ整ってきた。そこはポジティブだね」と説明した。

だが、依然として課題は残っている。RB21はタイヤマネジメントの面でマクラーレンMCL39に劣っており、これが予選結果をそのまま決勝のリザルトにつなげる上での障壁となっている。

「ウチのクルマはタイヤのオーバーヒートが起こりやすいから、それが依然として課題だね。C6は柔らかすぎて、僕らの助けにはならなかった」と指摘した。

決勝ではポールのピアストリと並ぶ最前列2番グリッドに着く。フェルスタッペンは、「まずは良いスタートを切ることに集中して、そこから自分たちのペースがどれくらいあるかを見ていくことになる。正直、昨日のロングランはあまり良くなかったからね」と意気込みを語った。

「この新しいセットアップがうまく路面と噛み合ってくれることを願うよ。全体的にもう少し競争力が出てくれるといいんだけど」


2025年F1エミリア・ロマーニャGP予選では、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がポールポジションを獲得。2番手はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手はジョージ・ラッセル(メルセデス)という結果となった。

決勝レースは日本時間5月18日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4,909mのイモラ・サーキットを63周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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