衝撃の連続―ピアストリPP、角田は宙を舞い地元フェラーリは惨敗 / F1エミリア・ロマーニャGP 2025《予選》結果と詳報

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2025年FIA F1世界選手権第7戦エミリア・ロマーニャGPの公式予選が、現地時間5月17日にイモラ・サーキットで行われた。角田裕毅のクラッシュを含む2度の赤旗中断、さらにフェラーリ勢が揃ってQ3進出を逃す波乱の展開の中、マクラーレンのオスカー・ピアストリが今季3度目のポールポジションを獲得した。

僅差の頂上決戦、C5戦略のラッセルが3番手

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、ピアストリにわずか0.034秒届かず、2番手にとどまった。第1セクターでは全体ベストを記録したものの、続く第2・第3セクターでは自己ベストを更新できず、わずかな差でポールを逃した。

ジョージ・ラッセル(メルセデス)は、今季初投入となった高難度のソフトタイヤ(C6)を避け、ミディアム(C5)でアタックを敢行。これが功を奏し、3番手という好位置を確保する見事な戦略を見せた。

C6は1周を通しての性能維持が難しく、特にラップ後半にかけてはオーバーヒートによるグリップ低下が顕著だった。アストンマーチン勢もこの特性に対応し、Q2以降は同様にミディアムタイヤを選択した。

アストンが驚きの躍進、ノリスは4番手に

フェルナンド・アロンソは今季初のQ3進出を果たし、2024年中国GP以来となるベストリザルトとなる5番グリッドを獲得。ランス・ストロールも8番手に入り、アストンは今季最大の成果を収めた。今週末に投入された大規模アップグレードも効果を示したとみられる。

チームメイトのリアム・ローソンがQ1敗退を喫する中、レーシング・ブルズのアイザック・ハジャーはQ3進出を果たすも、最終ラップでグラベルにホイールを落とし、9番手にとどまった。

この際に巻き上げられた砂煙に翻弄されたのかどうかは定かでないが、FP3で最速をマークしていたランド・ノリス(マクラーレン)は4番手に終わった。

ウィリアムズ勢はカルロス・サインツが6番手、アレックス・アルボンが7番手と、大量ポイント獲得に向けて好位置を持ち帰った。10番手にはピエール・ガスリー(アルピーヌ)が滑り込んだ。

母国フェラーリは屈辱のダブルQ2敗退

スクーデリア・フェラーリは、シャルル・ルクレールが11番手、ルイス・ハミルトンが12番手と、ともにQ2で敗退。ソフトタイヤでの最後のアタックでタイムを更新できず、ライバルたちが着実に記録を伸ばす中で後退を余儀なくされた。

SF-25は週末を通してシケインでの安定性に欠けていた。フェラーリの不振は地元イモラで、まさに新たな底に達した形だ。

さらにイタリア勢にとっては踏んだり蹴ったりな日となり、メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリも13番手でQ2敗退を喫した。

赤旗2回の大荒れ、角田とコラピントがクラッシュ

Q1では開始早々、角田裕毅(レッドブル)が第2シケイン(ヴィルヌーヴ)進入時に縁石に乗った際、リアを失ってスピン。リヤからタイヤバリアに高速で衝突すると、その反動でマシンが跳ね上がり、バリアの上で横転しながらグラベルに落下した。

このクラッシュによりセッションは赤旗中断となり、時計の針は残り12分13秒で止められた。幸いにも角田は自力でコクピットを脱出し、検査のためメディカルカーに乗り込んだ。

クラッシュによって角田のマシンは前後ともに深刻なダメージを負い、現場ではライトパネルやタイヤバリアのコンベアベルトの修復作業が行われた。この影響でセッションは赤旗中断に。レッドブルは決勝に向けて、マシンの大規模な修復作業を余儀なくされることとなった。

角田にとってこれは、シニアチーム昇格後初の大きな挫折といえる。FP2ではフェルスタッペンと0.1秒差に迫るなど好調だったが、FP3ではクリアラップが取れず、最終プラクティスでは17番手に終わっていた。

予選結果が記録されなかったため、決勝は少なくとも最後尾20番手からのスタートとなる見通しで、交換が必要なパーツの状況などによっては、ピットレーンスタートも考えられる。

Q1最終盤には、フランコ・コラピント(アルピーヌ)が第1シケイン(タンブレッロ)の出口で芝に乗り上げてスピン。360度回転しながらバリアにフロントから衝突。2度目の赤旗となった。

この赤旗の影響を最も受けたのはオリバー・ベアマン(ハース)だった。最終アタックで10番手相当のタイムを記録したが、赤旗提示のタイミングがフィニッシュライン通過直前と判断され、当該ラップは抹消。FIAはその有効性について審議を行ったが、最終的にベアマンは19番手でQ1敗退となり、ガブリエル・ボルトレート(ザウバー)がQ2進出を果たした。


決勝レースは日本時間5月18日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4,909mのイモラ・サーキットを63周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2025年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 1:15.500 1:15.214 1:14.670 18
2 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1:15.175 1:15.394 1:14.704 17
3 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:15.852 1:15.334 1:14.807 17
4 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:15.894 1:15.261 1:14.962 19
5 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 1:15.695 1:15.442 1:15.431 19
6 55 カルロス・サインツ ウィリアムズ・メルセデス 1:15.987 1:15.198 1:15.432 21
7 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:16.123 1:15.521 1:15.473 20
8 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:15.817 1:15.497 1:15.581 21
9 6 アイザック・ハジャー レーシングブルズ・ホンダRBPT 1:16.253 1:15.510 1:15.746 17
10 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 1:15.937 1:15.505 1:15.787 17
11 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:16.108 1:15.604 14
12 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ 1:16.163 1:15.765 14
13 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス 1:15.943 1:15.772 13
14 5 ガブリエル・ボルトレート ザウバー・フェラーリ 1:16.340 1:16.260 15
15 43 フランコ・コラピント アルピーヌ・ルノー 1:16.256 5
16 30 リアム・ローソン レーシングブルズ・ホンダRBPT 1:16.379 6
17 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ザウバー・フェラーリ 1:16.518 9
18 31 エステバン・オコン ハース・フェラーリ 1:16.613 9
19 87 オリバー・ベアマン ハース・フェラーリ 1:16.918 8
RT 22 角田裕毅 レッドブル・ホンダRBPT 2

コンディション

天気晴れ
気温23℃
路面温度39℃

セッション概要

グランプリ名 F1エミリア・ロマーニャGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 イモラ・サーキット
設立 1953年
全長 4909m
コーナー数 21
周回方向 反時計回り

F1エミリア・ロマーニャGP特集