10位フィニッシュを経てインタビューに応じるピエール・ガスリー(アルピーヌ)、2025年7月27日F1ベルギーGP決勝レース(スパ・フランコルシャン)
copyright FORMULA 1

ガスリー、角田との激闘を経て「口を利いてくれるかどうか…」懸念は帰りの機内? 非力なアルピーヌでベルギー10位を死守

  • Published:

2025年F1第13戦ベルギーGPの決勝レース後、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)は、帰路を共にする角田裕毅(レッドブル)が機内で口を利いてくれるかどうかを気にかけていた。

ピットコールの遅れによって5台にアンダーカットを許した角田は、レースの大部分でガスリーの背後につき、1秒以内の距離で激しく攻め立てた。だが、これを冷静に防ぎ切ったガスリーが10位でフィニッシュ。アルピーヌに貴重な1ポイントを持ち帰った。

防戦一方の激しいレースを終えたガスリーは、「今夜は間違いなく、ぐっすり眠れそうだ」と笑い、「ユーキと一緒に飛行機に乗って帰るんだけど、あまり口を利いてくれないかもしれないね。どうなることやら」と、レースの緊張感を冗談まじりに振り返った。

「あまりペースが良くなかったから、本当に大変だった。トラックポジションが重要だってことは分かっていたから、リアウイングを少しギャンブル気味に調整して、トップスピードを最大限に高める一方、コーナーでなんとか踏ん張るっていう作戦だったんだ」

インターミディエイトからスリックへのタイヤ交換タイミングについては、「あの時点で僕はポイント圏外だったから、かなり攻めた判断をしたんだけど、それが結果的に上手くいってくれた」と語った。

ガスリーは、本レース最多の11ポジションアップを果たしたルイス・ハミルトン(フェラーリ)らと並んで、最も早い11周目にピットストップに動いていた。

トラックポジションを確保した後は、角田の猛追にさらされる展開となった。「ミラーを見ながら守り続けるレースで、ものすごく神経を使ったよ」と振り返った。

スパ・フランコルシャンを周回するピエール・ガスリー(アルピーヌ)、2025年7月27日(日) F1ベルギーGP決勝Courtesy Of Alpine Racing

スパ・フランコルシャンを周回するピエール・ガスリー(アルピーヌ)、2025年7月27日(日) F1ベルギーGP決勝

現在、アルピーヌはコンストラクターズ選手権で最下位に沈んでいる。だがガスリーは、自身がマシンのポテンシャルを最大限に引き出しているという自負を抱いている。

「とにかく、ミスをしないように一貫性の高い走りを心がけている。今日に関して言えば、僕の後ろにいた連中は、僕がコースアウトするのを期待していたんじゃないかと思う。かなりタイムを失っていただろうからね」

「でも、それが僕らの戦略だった。達成すべきことは明確だったし、できることはすべてやりきった」

「今の自分のパフォーマンスには満足しているし、チームとの連携もうまくいっている。僕が力を出し切れるよう、必要なものをきちんと提供してくれている。全体として良い仕事ができていると思う」

アルピーヌは、スペインGPで今季のアップグレード投入を終了しており、残る11戦も現行仕様で戦い抜くことになる。

「もちろん、もっとパフォーマンスが欲しいという気持ちはあるけど、このマシンでシーズン終了まで行くわけだから、毎回それで戦い続けるだけだ」


2025年F1第13戦ベルギーGPでは、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が2番グリッドかの逆転勝利を飾った。2位にランド・ノリス(マクラーレン)、3位にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続いた。

ハンガロリンクを舞台とする次戦ハンガリーGPは、シリーズ第14戦として8月1日のフリー走行1で幕を開ける。

F1ベルギーGP特集