
メキーズ代表「我々のミス」と角田裕毅に謝罪―ベルギー入賞逃しの真相、一方で”仕事ぶり”を称賛
角田裕毅(レッドブル・レーシング)が2025年F1第13戦ベルギーGPで入賞を逃す決定的要因となったピットストップの問題について、ローラン・メキーズ代表は、チーム側の「ミス」であると認め、タイヤ交換が1周遅れとなった経緯を説明した。
角田は7位入賞に向けて堅実な走りを見せていたが、最終13位に終わった。この日のレースは、路面コンディションが刻々と変化する中、インターミディエイトからスリックタイヤへの交換タイミングが勝敗を大きく左右する展開となった。
路面が乾き始めた12周目、チームメイトのマックス・フェルスタッペンを含むグリッドの大多数がスリックタイヤへの交換に踏み切ったが、角田がピットインしたのはその翌周だった。
F1カレンダー最長の全長7,004メートルを誇るスパ・フランコルシャンでは、1周の違いが致命傷となる。角田はこの1周の差で5台にアンダーカットを許し、以降はDRSトレインに阻まれて身動きが取れず、挽回できないまま13位でレースを終えた。
当初は意図的にストップを遅らせた戦略かとも思われたが、実際には戦略的判断ミスではなく、明確なオペレーションミスによるものだった。レース後の角田は苛立ちを隠せなかった。
メキーズはレース後、「マックスと同じ周にピットインさせるつもりで、ピットクルーもダブルストップの準備を整えていたが、ユーキへの指示が遅すぎた」と説明し、「あれは我々のミスだ」と認めた。
「それまで良いレースをしていたので、彼には本当に申し訳なく思う」
「今日のような状況においては、1周の違いが大きな差につながってしまい、彼はポジションを失ってしまった。最終的に、そのせいでポイント争いから脱落してしまった」
一方で、角田とは対照的な成功例も見られた。ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は11周目、誰よりも早いタイミングでスリックタイヤに交換。この判断が功を奏し、11台抜きの7位入賞という挽回劇を披露した。
ベルギーGPではオペレーション上のミスで入賞を逃す結果となったが、メキーズは予選前に投入されたアップグレードにより、角田がレッドブル昇格後の予選自己ベストを記録した点に触れ、今後への期待を口にした。
「昨日の予選では非常に強い走りを見せてくれた。アップグレードの投入が予選直前ということで、対応するのが非常に難しかったにもかかわらず、彼は素晴らしい仕事をしてくれた。そのことが本当に嬉しい」と語った。
「今日のレースペースも悪くなく、確実にポイントが狙える展開だったが、残念ながらこういう結果に終わってしまった。とはいえ、週末を通じて前進できたので、それをブダペストにつなげていきたい」
2025年F1第13戦ベルギーGPでは、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が2番グリッドかの逆転勝利を飾った。2位にランド・ノリス(マクラーレン)、3位にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続いた。
ハンガロリンクを舞台とする次戦ハンガリーGPは、シリーズ第14戦として8月1日のフリー走行1で幕を開ける。