豪雨で遅延―ピアストリが逆転の今季6勝目、角田裕毅はピットに泣き13位 / F1ベルギーGP 2025《決勝》結果と詳報

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2025年FIA-F1世界選手権第13戦ベルギーGPの決勝レースが7月27日、スパ・フランコルシャンで開催され、予選2番手のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が逆転の今季6勝目を挙げた。角田裕毅(レッドブル)は7番グリッドからスタートしたが、ピットインのタイミングで大きくポジションを落とし、13位でフィニッシュした。

スタート遅延と天候変化がレース展開を左右

現地スパは前夜から雨に見舞われていた。レース開始時のピットレーンでは雨が止んでいたが、雨雲の接近が予想される中、レースディレクターのルイ・マルケスは、フォーメーションラップ中にスタート手順の中断を決断。レースは約75分遅れて開始された。

序盤はウェットコンディションとなり、やがて路面が乾く中で、スリックタイヤへの交換タイミングが勝負の分かれ目となった。大多数のドライバーが、インターミディエイトからミディアムに履き替える1ストップ戦略を選択。レースの3分の2はドライコンディション下で行われた。

セーフティーカー(SC)の後方を走行するマクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリ、2025年7月27日F1ベルギーGP決勝レース(スパ・フランコルシャン)Courtesy Of McLaren

セーフティーカー(SC)の後方を走行するマクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリ、2025年7月27日F1ベルギーGP決勝レース(スパ・フランコルシャン)

ピアストリがノリスを逆転、マクラーレン1-2

土曜のスプリントでは、1周目のレ・コーム(ターン5)でマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に抜かれ、2位に終わったピアストリだが、決勝ではそれを再現するかのように、1周目にポールシッターのランド・ノリス(マクラーレン)をオーバーテイクし、そのままレースを掌握した。

ノリスは、ピアストリの1周遅れでピットインしたことで5秒以上を失った。戦略面での巻き返しを図り、意表を突くハードタイヤを選択するも逆転には至らず、追撃中には幾つかのミスを犯し、3.415秒遅れの2位でフィニッシュした。いかなるコンディションでも、マクラーレンの速さに匹敵するチームは存在しなかった。

ルクレールがフェルスタッペンの猛追を退け3位

シャルル・ルクレール(フェラーリ)は終始、フェルスタッペンのプレッシャーを受けながらも冷静に走り切り、ノリスから20.185秒遅れでフィニッシュし、3位表彰台に上がった。ジョージ・ラッセル(メルセデス)は、フェルスタッペンから13秒遅れの5位に入った。

表彰台に立つ2位ランド・ノリス(マクラーレン)、優勝したオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、3位シャルル・ルクレール(フェラーリ)、2025年7月27日F1ベルギーGP決勝レース(スパ・フランコルシャン)Courtesy Of McLaren

表彰台に立つ2位ランド・ノリス(マクラーレン)、優勝したオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、3位シャルル・ルクレール(フェラーリ)、2025年7月27日F1ベルギーGP決勝レース(スパ・フランコルシャン)

フェルスタッペン“過剰な慎重さ”へ苛立ち

フェルスタッペンは、レース開始遅延の判断に対し無線で激しく批判した。

「ちょっとバカげてる。やるべきなのに、落ち着いてさ。クソっ。あまりにも慎重すぎる。この後、大雨が来るんでしょ? で、それで3時間遅れになるってわけだ」

実際、レッドブルを含む一部チームとマシンは、雨を見越して高ダウンフォースのセットアップを選択していたが、レースの大半がドライとなったことで、この判断は逆に不利となった。

ピットに泣いた角田裕毅、ベストグリッドからの失速

角田は、レッドブル昇格後としては最上位となる7番グリッドからスタートするも、大多数より1周遅い13周目にノリスらと共にピットイン。12番手まで順位を落とした。

その後、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)を猛追するも、ダウンフォース重視のセットアップではトップスピードが伸びず、ファイナルラップを前にオリバー・ベアマン(ハース)に、最終周にニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)に追い抜かれ、失望の13位でフィニッシュした。ガスリーは猛追をしのぎ切り、最後の1ポイントをもぎ取った。

入賞争いの明暗─ハミルトンが早期スリックで大逆進

8番手スタートのアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)は、角田やノリスと同様の理由によりタイムを大きくロス。逆転を狙って2ストップとハードタイヤという賭けに出たが報われず、唯一のラップダウンとなる最下位に沈んだ。

対照的にルイス・ハミルトン(フェラーリ)は、ウェットコンディションで輝きを放ち、オーバーテイクショーを披露。誰よりも早い11周目にスリックタイヤへ交換すると、アレックス・アルボン(ウィリアムズ)の1秒以内に迫る7位、11ポジションアップという劇的な挽回劇を成功させた。

リアム・ローソン(レーシング・ブルズ)は8位、ガブリエル・ボルトレート(ザウバー)はチームオーダーにより僚友ヒュルケンベルグをパスし、9位でフィニッシュした。

更新中…

2025年F1第13戦ベルギーGP決勝リザルト

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 44 1:25:22.601 25
2 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 44 +3.415s 18
3 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 44 +20.185s 15
4 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 44 +21.731s 12
5 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 44 +34.863s 10
6 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 44 +39.926s 8
7 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ 44 +40.679s 6
8 30 リアム・ローソン レーシングブルズ・ホンダRBPT 44 +52.033s 4
9 5 ガブリエル・ボルトレート ザウバー・フェラーリ 44 +56.434s 2
10 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 44 +72.714s 1
11 87 オリバー・ベアマン ハース・フェラーリ 44 +73.145s 0
12 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ザウバー・フェラーリ 44 +73.628s 0
13 22 角田裕毅 レッドブル・ホンダRBPT 44 +75.395s 0
14 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 44 +79.831s 0
15 31 エステバン・オコン ハース・フェラーリ 44 +86.063s 0
16 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス 44 +86.721s 0
17 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 44 +87.924s 0
18 55 カルロス・サインツ ウィリアムズ・メルセデス 44 +92.024s 0
19 43 フランコ・コラピント アルピーヌ・ルノー 44 +95.250s 0
20 6 アイザック・ハジャー レーシングブルズ・ホンダRBPT 43 +1 lap 0

コンディション

天気
気温17℃
路面温度24℃

セッション概要

グランプリ名 F1ベルギーGP
レース種別 決勝
レース開始日時

サーキット

名称 スパ・フランコルシャン
設立 1921年
全長 7004m
コーナー数 19
周回方向 時計回り

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