ピアストリ、”心臓破り”の逆転圧倒PP!マックス及ばず…角田 SQ2敗退 / F1ベルギーGP 2025《スプリント予選》結果と詳報

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100kmで競われる短距離レースに向けた2025年FIA-F1世界選手権第13戦ベルギーGPのスプリント予選が、現地7月25日に開催され、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が1分40秒510のコースレコードを樹立し、ポールポジションを獲得した。一方、角田裕毅(レッドブル)は12番手でSQ2敗退を喫した。

2番手にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手にはランド・ノリス(マクラーレン)が続いたが、ピアストリは両者に対してそれぞれ0.477秒、0.618秒もの大差をつける圧巻のパフォーマンスを披露した。ただし、その道のりは決して順風満帆ではなかった。

SQ2でピアストリは、1回目のフライングラップがトラックリミット違反により抹消され、ノックアウトの危機に直面。著しいトラック・エボリューションを背景に、ハース勢を含む中団の追い上げに晒されながら、10番手ギリギリでSQ3進出を果たした。11番手のリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)との差はわずか0.041秒だった。

ポール獲得後のインラップでは、無線を通して「心臓に悪くてごめん。そんなつもりじゃなかったんだけど。でも最高のラップだった。いい仕事だった」と、ヒヤリとさせたチームに謝罪と喜びを伝えた。

スパ・フランコルシャンはF1カレンダーで最長となる1周7.004kmのレイアウトを持つため、通常予選より時間が短いSQ3では、各ドライバーに許されるフライングラップは実質1回のみとなり、ポール争いは一切ミスが許されない状況で行われた。

角田はSQ1で2度のアタックを敢行。いずれも第2セクターで著しく遅れた。それでも13番手でSQ2に駒を進めたが、そこでも第2セクターに課題を抱え、1回目のラップは途中で断念。時間が限られる中、断念した翌周にそのまま最終アタックを開始し、フェルスタッペンから0.601秒遅れの12番手でノックアウトした。ただ、10番手までは0.056秒という僅差だった。

その裏では、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)とルイス・ハミルトン(フェラーリ)が、まさかのSQ1敗退を喫する波乱があった。

アントネッリはターン14でスピン。グラベルから弾き出された大量の砂利がコース上に飛び散り、最下位でセッションを終えた。砂利の清掃作業のため、SQ2の開始は予定よりも遅れることとなった。

また、セッション終盤にはハミルトンが最終シケインで、どういうわけかリアタイヤをロック。スピンを喫した。これにより黄旗が提示され、アタック中の複数台が影響を受けた。アレックス・アルボン(ウィリアムズ)は16番手、ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)は17番手、ハミルトンは18番手に終わった。

ハミルトンとは対照的に、チームメイトのシャルル・ルクレールは順当にSQ3に進出したものの、ポール争いには加われず4番手に甘んじた。ハース勢は快進撃を見せ、エステバン・オコンが5番手、オリバー・ベアマンが7番手とダブルSQ3進出を果たした。両者の間にはカルロス・サインツ(ウィリアムズ)が割って入った。

僚友フランコ・コラピントが19番手に終わった一方、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)は孤軍奮闘し、アイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)とガブリエル・ボルトレート(ザウバー)を抑えて8番手を記録した。

ジョージ・ラッセル(メルセデス)はラ・ソース(ターン1)でタイムをロス。13番手に終わった。セッション後、SQ1でアントネッリが撒き散らした砂利によりマシンにダメージを負っていたことを明かした。その後方14・15番手には、アストンマーチンのフェルナンド・アロンソとランス・ストロールが続いた。


スプリントレースは日本時間7月26日(土)19時にフォーメーションラップが開始され、全長7.004kmのスパ・フランコルシャンを15周してチャンピオンシップポイントを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2025年F1第13戦ベルギーGPスプリント予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 1:41.769 1:42.128 1:40.510 11
2 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1:42.043 1:41.583 1:40.987 9
3 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:42.068 1:41.412 1:41.128 12
4 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:42.763 1:41.786 1:41.278 12
5 31 エステバン・オコン ハース・フェラーリ 1:42.822 1:41.801 1:41.565 12
6 55 カルロス・サインツ ウィリアムズ・メルセデス 1:42.776 1:42.051 1:41.761 11
7 87 オリバー・ベアマン ハース・フェラーリ 1:43.024 1:42.019 1:41.857 12
8 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 1:43.171 1:41.949 1:41.959 12
9 6 アイザック・ハジャー レーシングブルズ・ホンダRBPT 1:42.711 1:42.088 1:41.971 11
10 5 ガブリエル・ボルトレート ザウバー・フェラーリ 1:42.806 1:41.901 1:42.176 12
11 30 リアム・ローソン レーシングブルズ・ホンダRBPT 1:42.897 1:42.169 9
12 22 角田裕毅 レッドブル・ホンダRBPT 1:42.912 1:42.184 9
13 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:42.650 1:42.330 8
14 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 1:42.427 1:42.453 7
15 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:42.736 1:42.832 8
16 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:43.212 6
17 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ザウバー・フェラーリ 1:43.217 6
18 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ 1:43.408 6
19 43 フランコ・コラピント アルピーヌ・ルノー 1:43.587 6
20 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス 1:45.394 6

コンディション

天気晴れ
気温23℃
路面温度39℃

セッション概要

グランプリ名 F1ベルギーGP
セッション種別 スプリント予選
セッション開始日時

サーキット

名称 スパ・フランコルシャン
設立 1921年
全長 7004m
コーナー数 19
周回方向 時計回り

F1ベルギーGP特集