パドックを歩くヨス・フェルスタッペン、2024年5月24日(金) F1モナコGP(モンテカルロ市街地コース)
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ホーナー解任でヨスに“気まずい質問”―躊躇なく切り込むロズベルグ、ベルギーGP前にグリッド上で一幕

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2025年F1第13戦ベルギーGP決勝直前のグリッド上で、クリスチャン・ホーナーのレッドブル代表解任という衝撃的な人事を巡り、元F1世界王者のニコ・ロズベルグが、マックス・フェルスタッペンの父ヨスに容赦なく切り込んでいく様子が注目を集めている。

これは、英衛星テレビ『Sky Sports』による中継中に起きたもので、ロズベルグは解説者として現地に入り、マーティン・ブランドルと共にヘイキ・コバライネンにインタビューを行っていた。その後、2人はグリッド上のヨスを見つけるや否や、マイクを向けた。

「チームは大きく変わった?」

ブランドルからの唐突な質問に、ヨスは明らかに不意を突かれた表情を見せながらも、「彼らが決めたことだから、私としては問題ない。通常通りの仕事だ」と冷静に応じた。これは、ホーナー解任を巡るヨスの公の場での初のコメントだった。

優勝したマックス・フェルスタッペンをパルクフェルメで待ち受けるヨス・フェルスタッペンと、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表、2023年7月23日(日) F1ハンガリーGP(ハンガロリンク)Courtesy Of Red Bull Content Pool

優勝したマックス・フェルスタッペンをパルクフェルメで待ち受けるヨス・フェルスタッペンと、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表、2023年7月23日(日) F1ハンガリーGP(ハンガロリンク)

17/18シーズンの開幕香港に訪れたニコ・ロズベルグcopyright Sam Bagnall/LAT/Formula E

17/18シーズンの開幕香港に訪れたニコ・ロズベルグ

2024年初頭、ホーナーに不適切行為疑惑が浮上した際、ヨスは「このままではチームは引き裂かれ、爆発する」とまで語り、ホーナーの退任を強く要求していた。そこでロズベルグは、こう切り込んだ。

「あなたは昨年、ホーナーはチームを壊すから辞めるべきだと言っていたけど?」

ロズベルグの指摘に対し、ヨスは質問を遮るようにして「それは1年半も前の話だ。事情が変わった。何も言うことはないし、問題はない」と応じ、追及をかわした。

当時は怒号を交えての激しい口論が報じられたが、この日は打って変わって抑制されたトーンだった。

ロズベルグは手を緩めず、「今日はおとなしいね?」と笑いながら続けた。ヨスは「私はいつだっておとなしい」と返し、短いやり取りは終了した。

妻ジェリ・ハリウェルと共にバーレーン・インターナショナル・サーキットのパドックを歩くクリスチャン・ホーナー(レッドブル・レーシング チーム代表)、2024年3月2日(土) F1バーレーンGP(バーレーン・インターナショナル・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

妻ジェリ・ハリウェルと共にバーレーン・インターナショナル・サーキットのパドックを歩くクリスチャン・ホーナー(レッドブル・レーシング チーム代表)、2024年3月2日(土) F1バーレーンGP(バーレーン・インターナショナル・サーキット)

ホーナーを巡るスキャンダルは、レッドブルGmbHによる2度の社内調査を経て、「嫌疑なし」と結論付けられた。だが、その後も両者の関係は修復されていないようで、今月上旬に開催されたイギリスGPでも、ヨスとホーナーが激しく口論する場面があったと報じられている。

今回の人事を敢行したレッドブルGmbHは沈黙を保っており、ホーナー解任の公式な理由は分かっていない。一方で、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、「さまざまな要素の組み合わせの結果」とした上で、「何よりもパフォーマンスが期待された水準に達していなかったことが大きい」と説明している

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