
角田裕毅、ローソンを強く非難「超えてはならない一線」マルコも”最悪”と評した接触で車体損傷
9月7日(日)に行われた2025年F1第16戦イタリアGP決勝を終えて、角田裕毅(レッドブル・レーシング)は「越えてはいけない一線を越えた」と強く示唆し、接触を演じたリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)を痛烈に非難した。
モンツァではレッドブル陣営の明暗がくっきり分かれた。マックス・フェルスタッペンがマクラーレン勢を抑えて今季3勝目を挙げた一方、9番手からスタートした角田は接触の影響で13位に沈み、入賞を逃した。その要因となったが、姉妹チームに所属するローソンとの接触だった。
中盤の接触でフロアにダメージ
レース中盤、ピットストップ後に角田はローソンの攻撃を受け、ターン4で激しい攻防に発展。3度にわたって接触が発生した。ローソンはやや強引な仕掛けでタイヤをロックさせ、両者はコースをカットした。一時的にローソンが前に出たものの、すぐにポジションを返す形となった。
だが、この最中に角田はフロア右側にダメージを負ったようで、以降はペースが急激に悪化。続々とオーバーカットを許し、ポイント圏外13位でフィニッシュした。接触直後には「あいつ、何やってんだ!」と感情を爆発させ、レース後の無線でも「馬鹿げてる」と語り、車体損傷によるペースダウンへのフラストレーションをあらわにした。
墺専門メディア『Speedweek』によると、系列チーム同士の接触を受け、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは「最悪だ。よりによって同じレッドブル系のドライバー、つまりレーシング・ブルズのリアム・ローソンと衝突するなんて。残念ながら角田のマシンはダメージを負ってしまった」と嘆いた。
系列チームでの接触「超えてはならない一線」
レース後、角田は冷静さを取り戻しつつも、「最初のスティントは悪くなかったのですが、第2スティントで、ポイント争いをしていない相手に邪魔されてしまって…。それでかなり酷いダメージを負ってしまい、ペースが悪化してしまいました」と苛立ちと不満を強くにじませた。
「正直、本当にフラストレーションが溜まります。僕はポイント争いをしていたのに、、ローソンのあの動きは本当に不必要でした。もう何と言えばいいのか…」
さらに角田は、ローソンが他のドライバーとの接触を繰り返していることに言及し、「…彼がアグレッシブなドライバーなのは分かっていますし、それ自体が悪いことだとは思いません。でも同時に、絶対に超えてはいけない一線というものがあります」と強調した。
「同じ屋根の下にいる仲間である以上、特にそうです。あのシートは他のどこよりも競争が激しいシートかもしれません。でも同時に、そこには常に守るべき一線とリスペクトがあるべきです」
最後に角田は「だから、本当に残念です…」と改めて落胆した様子を見せた。
自己評価、そして前進への誓い
一方でプレスリリースを通じては、モンツァでフェルスタッペンのみに新型フロアが投入されたことに触れつつ、「それでも昨日の予選では、クルマから最大限のパフォーマンスを引き出せました。その点は満足しています」と述べた。
さらにフェルスタッペンの勝利を祝福しつつ、「シーズンの残りのレースに集中して、これまで続けてきた改善の歩みを維持していきたいと思います」と前を向いた。
2025年F1第16戦イタリアGPでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がキャリア通算66勝目をポール・トゥ・ウインで飾った。2位はランド・ノリス、3位はオスカー・ピアストリと、マクラーレンがダブル表彰台に上がった。
バクー市街地コースを舞台とする次戦アゼルバイジャンGPは、9月19日のフリー走行1で幕を開け、9月21日に決勝レースが行われる。