マックス今季3勝、角田は苛立ちの車体損傷で後退…マクラーレンは”オーダー騒動” / F1イタリアGP 2025《決勝》結果と詳報

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2025年FIA-F1世界選手権第16戦イタリアGPの決勝が9月7日、モンツァ・サーキットで行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季3勝目をポール・トゥ・ウインで飾った。角田裕毅(レッドブル)は9番手スタートながらも、車体を損傷して13位に終わった。

2番グリッドから挑んだランド・ノリス(マクラーレン)は一時トップに立ったものの逆転を許し、最終的には19.207秒差をつけられ2位。オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が3位に入り、マクラーレンはダブル表彰台を飾った。

マクラーレン、最終盤に”オーダー騒動”

スタート直後に芝生へ片輪を落としながらもターン1へ飛び込んだノリスは、フェルスタッペンがコーナーをカットして首位を守ったことで、2周目にポジション返上を受け首位に浮上。だが4周目のターン1でフェルスタッペンに逆転されると、その後は差を詰めることができなかった。

マクラーレンはセーフティーカーの導入を期待して第1スティントを引っ張る戦略を採ったが、流れは訪れず。残り8周ではシャルル・ルクレール(フェラーリ)のアンダーカットを防ぐため、通常とは逆に2台の中で下位を走行していたピアストリを先にピットへ送り込む判断を下した。

チーム全体の利益を優先した決定ゆえに、チームはノリスに対し、「ピアストリにアンダーカットはさせない」と2番手の座を保証した。しかしながら、左フロントの取り付けに時間を要し、静止時間が5.9秒に。これによりピアストリがチームメイトの前に出た。

ピアストリは「スローストップもレースのうち」と不満を漏らしたが、大きく揉めることはなく、最終的にはノリスに2位を譲り、自身は3位でフィニッシュした。

角田、フロア破損で失速し13位

角田はスタートで順位を維持したが、18周目にアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)に追い抜きを許して10番手に後退。その2周後、トップ10勢の中で最も早くピットに入りハードタイヤへ交換した。だがコース復帰後、すでに3周前にタイヤ交換を終えていたオリバー・ベアマン(ハース)にかわされ、事実上のアンダーカットを許す展開となった。

その後は後方から迫るリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)の攻撃を受け、レース中盤のターン4で激しいバトルを展開。3度にわたり接触が発生した。ローソンはやや強引に仕掛けてタイヤをロックさせ、両者はコーナーをカットした。一時的にローソンが前に出たものの、直後にポジションを返した。

この攻防の最中に角田はフロア右側にダメージを負ったようで、以降はペースが悪化。続々とオーバーカットを許し、ポイント圏外13位でフィニッシュした。接触直後には「あいつ、何やってんだ!」と感情を爆発させ、レース後の無線でも車体損傷によるペースダウンへのフラストレーションをあらわにした。

フェラーリ、ティフォシの前で表彰台ならず

ティフォシの大声援を背に臨んだフェラーリだったが、シャルル・ルクレールはスタートでピアストリを交わすも6周目に抜き返され、ジョージ・ラッセル(メルセデス)を抑えて4位止まり。ルイス・ハミルトンは6位でレースを終えた。

ハジャーとアルボン、怒涛の挽回劇

アレックス・アルボン(ウィリアムズ)は7つ順位を上げて7位入賞を果たした。45周目、アントネッリに押し出される形で芝生に乗り上げたが、第2シケインへの進入でアウト側から見事オーバーテイク。一件をめぐってアントネッリは5秒ペナルティを受け、母国レースを9位で終えた。

ガブリエル・ボルトレート(ザウバー)は1つ順位を失いながらも8位フィニッシュによりポイントを持ち帰った。

予選16番手に終わったアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)は、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)共々、決勝を前に5基目のICE(内燃エンジン)を含むパワーユニット交換を実施し、ピットレーンからスタートしたが、ポイント圏内最後の一枠、10位に滑り込んだ。

接触とリタイア続出

ボルトレート健闘の一方、チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグはフォーメーションラップを経て、そのままピットに戻ってリタイヤした。チーム代表のジョナサン・ウィートリーは、詳細な調査が必要だとしつつも、油圧系統のトラブルが発生したと説明した。

フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)はボルトレートと激しく順位を争い、21周目に同時ピットイン。ピットレーン上でポジションを逆転した。だが、25周目のアスカリでサスペンションを破損。スロー走行でピットへ戻りリタイヤした。

2周目にランス・ストロール(アストンマーチン)をコース外に追いやったとして、エステバン・オコン(ハース)は5秒ペナルティを受けた。ストロールは最下位(18位)、オコンは15位に終わった。

カルロス・サインツ(ウィリアムズ)とオリバー・ベアマン(ハース)は入賞を争っていたが、41周目のターン4で接触した。

サインツがアウト側からオーバーテイクを試みてターンインした瞬間に接触が発生して両者スピン。一時的に黄旗が出されたが、2台とも走行を継続し、サインツは11位、ベアマンは12位でフィニッシュした。スチュワードはベアマンに10秒ペナルティを科した。

更新中…

2025年F1第16戦イタリアGP決勝リザルト

PosNoDriverTeamLapsTimePTS
11マックス・フェルスタッペンレッドブル・ホンダRBPT531:13:24.32525
24ランド・ノリスマクラーレン・メルセデス53+19.207s18
381オスカー・ピアストリマクラーレン・メルセデス53+21.351s15
416シャルル・ルクレールフェラーリ53+25.624s12
563ジョージ・ラッセルメルセデス53+32.881s10
644ルイス・ハミルトンフェラーリ53+37.449s8
723アレックス・アルボンウィリアムズ・メルセデス53+50.537s6
85ガブリエル・ボルトレートザウバー・フェラーリ53+58.484s4
912アンドレア・キミ・アントネッリメルセデス53+59.762s2
106アイザック・ハジャーレーシングブルズ・ホンダRBPT53+63.891s1
1155カルロス・サインツウィリアムズ・メルセデス53+64.469s0
1287オリバー・ベアマンハース・フェラーリ53+79.288s0
1322角田裕毅レッドブル・ホンダRBPT53+80.701s0
1430リアム・ローソンレーシングブルズ・ホンダRBPT53+82.351s0
1531エステバン・オコンハース・フェラーリ52+1 lap0
1610ピエール・ガスリーアルピーヌ・ルノー52+1 lap0
1743フランコ・コラピントアルピーヌ・ルノー52+1 lap0
1818ランス・ストロールアストンマーチン・メルセデス52+1 lap0
NC14フェルナンド・アロンソアストンマーチン・メルセデス24DNF0
NC27ニコ・ヒュルケンベルグザウバー・フェラーリ0DNS0

コンディション

天気晴れ
気温27℃
路面温度41℃

セッション概要

グランプリ名 F1イタリアGP
レース種別 決勝
レース開始日時

サーキット

名称 モンツァ・サーキット
設立 1922年
全長 5793m
コーナー数 11
周回方向 時計回り

F1イタリアGP特集