
小林可夢偉、11年ぶりにF1マシン走行―仏ポール・リカールでハースをテストか
元F1ドライバーの小林可夢偉が、11年ぶりにF1マシンをドライブしたようだ。舞台はフランスのポール・リカール・サーキット。マシンはハースF1チームの旧型車と見られる。小林が最後にF1マシンをドライブしたのは、2014年のアブダビGPに遡る。
小林は2025年5月31日、コックピットに座る自身の写真をInstagramに投稿。「11年ぶりにこの“ビースト”に乗れて楽しかった。この機会をくれたTOYOTA GAZOO RacingとハースF1チームに感謝。それと、ここ2日間、しっかり耐えてくれた自分の首にも大感謝」とのメッセージを添えた。
ハースF1チームは今回のテストについて公式に発表しておらず、実施の有無や意図は明らかにされていない。ただし、小林の投稿内容から2日間にわたる本格的なテストであったことが示唆されており、単なるプロモーション目的とは考えにくい。マシンの性能評価や開発フィードバックを目的とした可能性もある。
テストに使用されたマシンの詳細も不明だが、公開された写真にわずかに写るインダクションポッドの形状から判断すると、2023年型「VF-23」である可能性が考えられる。
小林は2009年にトヨタからF1デビューを果たし、2010年から2012年にはザウバーからフル参戦。2012年の日本GPでは母国ファンの前で3位表彰台を獲得し、その名を轟かせた。2014年にはケータハムに移籍したが、同年限りでF1を離れた。
以降、小林はFIA世界耐久選手権(WEC)などで活躍を続けており、現在はTOYOTA GAZOO Racing(TGR)の7号車ドライバーを務める傍ら、同チームのWEC代表も兼任している。
ハースとTGRは2024年10月、テクニカルパートナーシップに関する基本合意書を締結した。両者はマシン開発分野などで協力関係を築くとともに、日本の若手ドライバーやエンジニア、メカニックにF1での経験の場を提供し、成長の機会を創出することで、自動車産業の発展への貢献を目指すとしている。