
”理想の復帰プラン”も一転…ミック・シューマッハ、キャデラック交渉破談でマクラーレンと接触か
元F1ドライバーのミック・シューマッハは、キャデラックが提示したF1リザーブ兼FIA世界耐久選手権(WEC)参戦契約を見送る決断を下したようだ。英専門誌『The Race』が報じた。当初は”理想的なF1復帰プラン”と目されていたが、最終的に契約条件が本人の希望と折り合わず、破談となったとされる。
キャデラックとの条件不一致
破談の詳細は明らかではないが、要因の一つとして、現在アルピーヌで優遇されているシューマッハにとって魅力を欠く要素があったと指摘されている。
報道によればキャデラックは、報酬を含め平等な条件をドライバーに課す方針を採用しており、ハーツ・チーム・ジョータでキャデラック38号車をドライブする元F1世界王者ジェンソン・バトンに対してでさえ例外を認めていない。
アルピーヌのWECプロジェクトにおいてシューマッハは、今季開幕以降すべての予選セッションを任されるなど特別な役割を担ってきた。さらにアルピーヌ・モータースポーツのバイス・プレジデント、ブルーノ・ファミンもシューマッハを重要な存在と評価しているが、残留の可能性は低いとされる。
浮上するマクラーレンとの交渉
そんな中、マクラーレンが新たな選択肢として浮上している。同チームは2026年を開発年と位置づけ、2027年よりLMDhハイパーカーでWECに参戦する。F1でもトップチームとして存在感を放つマクラーレンと組むことは、シューマッハにとって長期的に理想的なプロジェクトとなる可能性がある。
報道によれば、シューマッハとマクラーレンの間では「前向きな交渉」が進められているという。
インディカー参戦も選択肢の一つとされるが、具体的な動きには至っていない。シングルシーターへのこだわりは依然強いものの、これまで積み重ねてきた耐久レースでの実績を中断するのは惜しいとの見方もある。
キャデラック、後任探しへ
一方、シューマッハとの交渉が破談したことで、チーム・ジョータは今季限りで退くバトンの新たな後任探しを迫られている。候補にはジャック・エイトケンやフェリペ・ドルゴビッチの名が挙がるが、有力候補はカラム・アイロットとされる。
アイロットは2024年にチーム・ジョータでWECを戦った後、プレマの新規参戦とともにインディカーに転向。だが、そのプロジェクトの不透明さを背景に、欧州シリーズへの復帰を模索していると報じられている。