
12年の沈黙を経てミハエル・シューマッハが直筆サイン、認知症チャリティに協力―ジャッキー・スチュワート主催
2025年4月13日、F1界にとって特別な瞬間が訪れる。F1第4戦バーレーンGP決勝の前に、三度のF1ワールドチャンピオン、ジャッキー・スチュワートが自身の1973年型ティレル006をドライブし、認知症研究支援のチャリティ活動を行う。スチュワートが着用するヘルメットには、F1史に名を刻むミハエル・シューマッハの“直筆サイン”が刻まれている。
7度のF1ワールドチャンピオンは、2013年12月にフランス・アルプスでのスキー事故で深刻な脳損傷を負って以来、公の場には姿を現していない。
だが、英紙デイリー・メールによると、今回スチュワートのチャリティ活動に賛同し、自らのイニシャル“MS”をサインとして寄せた。このサインは、コリーナ夫人の補助を受けて書かれたもので、シューマッハ家の広報もその事実を公式に認めている。
スチュワートが今回着用するヘルメットには、自身のアイコンである白地にスコットランド伝統のタータン柄に加え、現在存命する全20人のF1ワールドチャンピオンのサインが入れられており、認知症研究支援のためのチャリティオークションに出品される予定だ。
「ミハエルがこの意義ある取り組みのためにサインしてくれたのは素晴らしいことだ。この病気(認知症)にはいまだ治療法がない。彼の妻であるコリーナがサポートしてくれたおかげで、全ての存命世界王者のサインが揃った」とスチュワートは語った。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
アルバート・パーク・サーキットのパドックで話すレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表とジャッキー・スチュワート、2024年3月22日(金) F1オーストラリアGP
スチュワートが認知症研究に取り組むきっかけとなったのは、2014年に妻ヘレンさんが同病と診断されたことだった。2016年にはチャリティ団体「Race Against Dementia(認知症に挑むレース)」を設立。以降、研究支援や啓発活動に精力的に取り組んでいる。
今回のオークション収益は、ケンブリッジ大学が開発を進める新たな血液検査技術の臨床試験に充てられる予定で、認知症の早期発見・治療実現に向けた一歩として期待が寄せられている。
シューマッハは今年1月に56歳の誕生日を迎えた。