
ホーナー退陣、沈黙破るマルコ「これがレッドブルのやり方」選手権争いへの姿勢に変化
F1界を揺るがせたクリスチャン・ホーナーの電撃解任から一夜。レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコが沈黙を破り、ホーナーと共に歩んだ20年の歳月を振り返った。
1997年、ホーナーはF3000チーム、アーデン・インターナショナルを設立。その際にマルコから中古のトレーラーを購入したことが2人の出会いのきっかけとなった。以後、マルコの紹介によりホーナーはレッドブルGmbHの共同創業者ディートリッヒ・マテシッツと会談。2005年、史上最年少でF1チーム代表に就任するに至った。
ホーナーがチーム運営の実務を担う一方で、マルコはジュニアドライバー育成の責任者として、またマテシッツの“右腕”としてホーナーをコントロール。両者のタッグはレッドブルを世界タイトル常連チームへと押し上げ、数々の栄光を築き上げた。
だが、2022年のマテシッツ死去を境に、チーム内部で権力闘争が勃発。ホーナーは2025年シーズン途中でその職を追われる形となった。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
マックス・フェルスタッペンと握手するレッドブル共同創業者のディートリッヒ・マテシッツ、2018年7月1日F1オーストリアGPにて
今季のドライバーズ選手権では現在、マックス・フェルスタッペンは3位に甘んじており、首位のオスカー・ピアストリには69ポイントの大差をつけられている。5連覇の野望が遠のく中、マルコは先月のオーストリアGPに際し、事実上の“敗北宣言”とも受け取れる発言を口にしていた。
しかしながら、ホーナー退陣を経た現在、マルコは一転して戦う姿勢を鮮明にし、数学的な可能性が残されている限り、タイトル争いを最後まで諦めないと誓った。
「クリスチャンとは、F1およびF3000で20年以上にわたって非常に成功した関係を築いてきた。彼には心から感謝している」とマルコは述べた。
「この間、我々は信じられない数の素晴らしい成果を挙げてきた。そして2人のワールドチャンピオンと複数のグランプリウィナーを育て上げた。それこそが、これまでも、そして今も変わらぬ“レッドブルのやり方”だ」
「現在のスポーツ面について言えば、まだ12戦が残っている。タイトル獲得の数学的可能性がある限り、ドライバーズチャンピオンシップのために戦い続ける」
Courtesy Of Red Bull Content Pool
セバスチャン・ベッテルのF1ワールドチャンピオン獲得を喜ぶレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表とヘルムート・マルコ、2010年11月14日(日) F1アブダビGP(ヤス・マリーナ・サーキット)