マクラーレンのガレージに止められたランド・ノリスの4号車MCL39、2025年8月31日(日) F1オランダGP決勝(ザントフォールト・サーキット)

不幸中の幸い? メルセデスの責任に非ずとマクラーレン、ノリスのオランダGPリタイア原因を特定

  • Published:

ランド・ノリスが2025年F1第15戦オランダGPでリタイアを喫した原因について、当初はメルセデス製パワーユニットに関連するものとの見方もあったが、マクラーレンは自チーム側の問題だったと明らかにした。

ノリスはチームメイトでありタイトル争いのライバル、オスカー・ピアストリを追走する2番手を走行していた。だが残り8周、コックピット内で煙が上がり異臭を感じたと無線で報告。直後にマシンは白煙を上げて停止した。

これによりノリスはリタイアを強いられ、チャンピオンシップ争いにおけるピアストリとの差は34点に拡大した。

マクラーレン「シャシー側の問題」

詳細な原因は依然として調査中だが、チーム代表アンドレア・ステラは「シャシー側に問題が生じていたことを特定した。モンツァまでに徹底的に精査する」と説明した。パーツ破損によるオイル漏れをセンサーが検知し、安全措置としてエンジンが自動停止した可能性が高いと見られている。

ノリスにとっての唯一の救いは、この不運がオランダGP単独のトラブルに留まるかもしれない点だ。

仮にパワーユニット自体に深刻な損傷があれば新コンポーネントの投入を強いられる可能性があるが、すでにエキゾーストを除いて年間割り当て上限に達している状況だけに、追加交換となれば大きな痛手となる。

決勝レース前のグリッド上で担当レースエンジニアのウィル・ジョセフと話をするランド・ノリス(マクラーレン)、2025年8月31日(日) F1オランダGP決勝(ザントフォールト・サーキット)Courtesy Of McLaren

決勝レース前のグリッド上で担当レースエンジニアのウィル・ジョセフと話をするランド・ノリス(マクラーレン)、2025年8月31日(日) F1オランダGP決勝(ザントフォールト・サーキット)

ノリスの心境と今後の展望

レース後、ノリスは「オスカーは強いし、どんな状況でも速い。あらゆる場面でうまくやれる相手からポイントを取り返すのは簡単じゃない」と語り、逆転タイトルの可能性が遠のいたことを認めた。

そのうえで「今日の件は僕の責任じゃない不運だし、時にはこういうのもレースだ。差は広がって厳しくなったけど、逆に気楽に構えて思い切り戦えるかもしれない」とコメント。残り9戦に向けて意欲を見せた。

チャンピオンシップ争いにおいて痛恨の一戦を落としたノリスだが、まだ逆転の望みは絶たれていない。今回のトラブルが特にノリスの精神面にどのような影響を及ぼすのか、今後の戦いが注目される。


2025年F1第15戦オランダGP決勝レースでは、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインを飾り、2位にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位にアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)が続く結果となった。

モンツァ・サーキットを舞台とする次戦イタリアGPは、9月5日のフリー走行1で幕を開ける。

F1オランダGP特集