
大波乱…ノリスDNFを経てピアストリ完勝、角田は車体問題も8戦ぶり入賞 / F1オランダGP 2025《決勝》結果と詳報
2025年FIA-F1世界選手権第15戦オランダGP決勝が、8月31日にザントフォールト・サーキットで開催され、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が今季5勝目をポール・トゥ・ウインで飾った。チームメイトで選手権2位のランド・ノリスは、残り8周で無念のリタイア。角田裕毅(レッドブル)はトラブルを抱えながらも9位で完走し、8戦ぶりにポイントを獲得した。
ノリスは2位フィニッシュ目前で突如としてマシン後方から白煙を噴き上げ、コース脇にストップ。痛恨のノーポイントとなり、選手権リーダーのピアストリとの差は9点から34点へと大きく開いた。さらにセーフティーカー(SC)中のピットストップでは、フロント・ジャッキマンと接触する場面もあったが、大事には至らなかった。
荒れる展開、雨は降らず
レース中盤に向けては降雨が予想され、誰もがスティントを伸ばす方向にシフトしたが、結局、本降りとなることはなく、72周を通してドライコンディションが続いた。2度のSCとバーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入され、計3名がリタイヤするなど大荒れの展開となった。
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.
ドライバー別タイヤ戦略表と順位、2025年8月31日F1オランダGP決勝レース(ザントフォールト・サーキット) (1)
フェルスタッペンは母国2位、ハジャーが初表彰台
母国GPに挑んだマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、1周目のターン3で派手にマシンを滑らせながらもノリスを交わして2番手に浮上。だが、マクラーレンとのペース差は非常に大きく、9周目のターン1でノリスに果敢な大外刈を許して後退し、最終的には2位チェッカーを受けた。
3位にはアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)が入り、キャリア初の表彰台を獲得した。
悪夢フェラーリ、ルクレールとアントネッリ接触
フェラーリ勢は衝撃的なダブルリタイアに終わった。ルイス・ハミルトンは23周目のターン3で単独クラッシュを喫し、これに伴い1回目のSCが導入された。
このSCの影響で、直前にピットストップを行っていた僚友シャルル・ルクレールは不利を被り、ジョージ・ラッセル(メルセデス)にポジションを奪われ後退した。
だがその後、コース上のデブリ回収に伴うVSCが解除される瞬間、居眠り気味の隙を見せたラッセルに対し、ルクレールはターン12で片輪をグラベルに落としながらもインを強襲。軽い接触を伴いながら前へ出た。
直後、両者は無線で言い分を主張し合い、ラッセルは「シャルルは4輪すべてコース外だった」と訴え、ルクレールは「メルセデスがスペースを残さなかった」と反論した。だが、ルクレールは53周目、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)に追突され、リタイアを余儀なくされた。
発端はメルセデスのピット戦略にあった。2回目のピットストップを行ったアントネッリに反応し、ルクレールは翌周にピットインしてアントネッリの前でコースに復帰。だがそのアウトラップのターン3で、インに飛び込んだアントネッリがアンダーステアを起こし、アウト側のルクレールと接触。ルクレールはスピンを喫して壁に激突した。
アントネッリにはこの接触で10秒、さらにピットレーン速度違反で5秒のペナルティが科された。結果として、一時はルクレールとの接触でペースを落とし、チームオーダーでアントネッリを前に行かせていたラッセルが4位に入賞した。
アルボン躍進、ベアマンも健闘
1周目に5つポジションを上げるなど、15番グリッドから見事な追い上げを見せたアレックス・アルボン(ウィリアムズ)は驚きの5位チェッカーを受けた。アントネッリは6位でフィニッシュしたものの、計15秒のペナルティにより16位へ降格。代わってピットレーンスタートのオリバー・ベアマン(ハース)が見事6位を手にした。
その後にはアストンマーチン勢が続き、1回目のSC導入により早期のピットストップ戦略が奏功したランス・ストロールが7位を獲得。同じく、2回目のSC導入でアドバンテージを得たフェルナンド・アロンソが8位に続いた。
角田、数々の逆風も意地の9位
角田はソフトタイヤの優位性を活かし、スタート直後にアントネッリをかわして前に出た。だが、1回目のSC導入時にルクレール同様の理由でポジションを落とし、さらに終盤2回目のSC解除に向けては、アクセル操作に対するエンジンレスポンスが極端に制限される症状に見舞われた。
原因は「ピットストップ専用スロットルマップ」に誤って固定されたためで、コース上では完全な解決ができず、角田は“足枷”をはめたまま残り周回を戦わなければならなかった。
それでも残り3周でピエール・ガスリー(アルピーヌ)をかわしてポイント圏内に浮上し、アントネッリの降格により9位に。エミリア・ロマーニャGP以来の入賞を果たしたが、ベアマンが6位入賞を果たしたことでランキングは19位に後退。今季のポイント獲得者の中で最下位に沈んだ。10位にはエステバン・オコン(ハース)が入った。
サインツとローソン、因縁の接触
カルロス・サインツ(ウィリアムズ)とリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)は入賞圏内を争う中、28周目のターン1で激しく接触した。ローソンの左リアとサインツの右フロントがぶつかり、両者はタイヤ交換を余儀なくされた。サインツはさらにフロントウイングも破損し、修復のためピットインを強いられて最後尾に後退した。
サインツは無線で「こいつマジでバカだろ。毎回、こいつだよ」と怒りをあらわにしたが、スチュワードはサインツに接触の責任があると判断。10秒ペナルティを科した。最終的にローソンは12位、サインツは13位でレースを終えた。
2025年F1第15戦 オランダGP 決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 81 | ピアストリ | マクラーレン | 72 | 1:38:29.849 | 25 |
2 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 72 | +1.271s | 18 |
3 | 6 | ハジャー | レーシングブルズ | 72 | +3.233s | 15 |
4 | 63 | ラッセル | メルセデス | 72 | +5.654s | 12 |
5 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 72 | +6.327s | 10 |
6 | 87 | ベアマン | ハース | 72 | +9.044s | 8 |
7 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 72 | +9.497s | 6 |
8 | 14 | アロンソ | アストンマーチン | 72 | +11.709s | 4 |
9 | 22 | 角田裕毅 | レッドブル | 72 | +13.597s | 2 |
10 | 31 | オコン | ハース | 72 | +14.063s | 1 |
11 | 43 | コラピント | アルピーヌ | 72 | +14.511s | 0 |
12 | 30 | ローソン | レーシングブルズ | 72 | +17.063s | 0 |
13 | 55 | サインツ | ウィリアムズ | 72 | +17.376s | 0 |
14 | 27 | ヒュルケンベルグ | ザウバー | 72 | +19.725s | 0 |
15 | 5 | ボルトレート | ザウバー | 72 | +21.565s | 0 |
16 | 12 | キミ・アントネッリ | メルセデス | 72 | +22.029s | 0 |
17 | 10 | ガスリー | アルピーヌ | 72 | +23.629s | 0 |
18 | 4 | ノリス | マクラーレン | 64 | DNF | 0 |
NC | 16 | ルクレール | フェラーリ | 52 | DNF | 0 |
NC | 44 | ハミルトン | フェラーリ | 22 | DNF | 0 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 21℃ |
路面温度 | 28℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1オランダGP |
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レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | ザントフォールト・サーキット |
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設立 | 1948年 |
全長 | 4307m |
コーナー数 | 14 |
周回方向 | 時計回り |