
ブランクを経て復帰へ―キャデラックF1、2026年シートの一つを今週発表との報道…オプション付与の複数年契約
セルジオ・ペレスが2026年シーズンからF1に復帰し、新規参戦チームのキャデラックで走る見込みであると、英専門誌『Autosport』が報じた。数ヶ月に及ぶ交渉の末に契約がまとまり、第15戦オランダGPが控える今週後半にも正式発表される見通しだという。
契約内容は、最低2年を保証し、さらに1年の延長オプションが付与された複数年契約とされる。新規参戦チームにとって厳しいデビューイヤーが予想される中、経験豊富なペレスを起用することで、安定した基盤を築く狙いがある。
キャデラックF1の布陣
ペレスはバルテリ・ボッタスとコンビを組む見込みで、両者はチーム内で同等のステータスを与えられるとされる。キャデラックF1はグレアム・ロードンをチーム代表に迎え、英国と米国を拠点とする分散型の運営体制を構築。デビュー当初はフェラーリ製パワーユニットを搭載する計画だ。
ペレスは今後、シルバーストンの新拠点でチームの準備作業に参加し、エンジニア陣とともに2026年マシンの開発に携わる見通しだ。
ハータはSL取得できず
キャデラックのF1シート候補としては、インディカーで活躍する米国人ドライバー、コルトン・ハータの名前も取り沙汰されていた。だが、F1参戦に必須となるスーパーライセンス(SL)の取得条件を満たすことができなかった。
取得のためにはライセンスポイント40点が必要となる。ハータは2025年シーズン開始時点で32点を所持していたものの、2022年分の1点が今年末で失効するため、40点に到達するには9点が必要だった。すなわち、インディカーでランキング4位以上に入ることが必須条件となっていた。
だが最終戦を残した現時点で、ハータはランキング6位。4位のクリスチャン・ラスムッセンとの差は74点ある。1つの週末に獲得できる最大得点は54点であり、逆転は不可能だ。
仮に6位でシーズンを終えた場合、ハータは2026年に向けて37点を保持することになる。この場合、SL取得に必要な40点まであと3点。2026年シーズンでランキング8位以上を獲得すれば、2027年に資格を得られる計算だ。
キャリア再始動のペレス
通算6勝を誇る35歳のペレスにとって、この契約はF1キャリアの第2章となる。初勝利はレーシングポイント時代の2020年サクヒールGPで達成。その後レッドブルへ加入し、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてさらに5勝を重ねた。
だが成績の波や安定性の欠如から、2024年シーズン限りでレッドブルを離脱。今季はF1から離れていたため、1年のブランクを経ての復帰となる。