マックス・フェルスタッペン
人物データ
名前 | マックス・フェルスタッペン / Max Emilian Verstappen |
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国籍 | オランダ |
出身地 | ハッセルト(ベルギー) |
居住地 | モナコ |
生年月日 | 1997年09月30日 / 27歳 |
身長 | 180cm |
体重 | 67kg |
F1デビュー | 2015年 |
選手権優勝 | 3回 |
カーナンバー | 33 |
WEBサイト | verstappen.com |
SNS | twitter facebook instagram |
マックス・フェルスタッペン(Max Emilian Verstappen)はオランダ出身のレーシングドライバー。2021年、22年、23年にF1ドライバーズチャンピオンに輝いた。父は1994年から2003年までF1ドライバーとして活躍したヨス・フェルスタッペン。
2021年にレッドブル・ホンダRB16Bでオランダ人初のF1ワールドチャンピオンに輝いた。この活躍が認められ、東京オリンピックの男子団体スプリントで金メダルに輝いたハリー・ラブレイセンらを抑えて母国オランダの「2021年スポーツマン・オブ・ザ・イヤー」に輝いた。同賞の受賞は2016年以来2度目。
レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコに見いだされ、2015年にトロ・ロッソからF1デビューを果たした。ハイメ・アルグエルスアリが記録していた19歳125日のF1最年少出走記録を更新(17歳165日)した。
2019年の第9戦オーストリアGPでは、Honda製F1パワーユニットに念願のグランプリ初優勝をもたらした。2006年ハンガリーGP以来11年ぶり、ホンダが2015年にパワーユニットサプライヤーとしてF1に復帰して以降、初めてとなる快挙となった。
© Getty Images / Red Bull Content Pool、2019年F1オーストリアGPの表彰台に上がりシャンパンファイトに興じるフェルスタッペンと、ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクター
異例の年齢でのF1デビュー
F1ドライバーになるためにはカートからモータースポーツの世界に入り、フォーミュラ・ルノー2.0や欧州F3、GP3、GP2等の下位カテゴリーを経ながら徐々にステップアップを重ね、実力と資金を兼ね備えた上で、かつ運良くF1のシートが空いている事が暗黙の必須条件となっている。
だが、フェルスタッペンはシングルシーターでのデビューからわずか半年あまりでF1への大抜擢が決定。これは異例中の異例であり、前述のアルグエルスアリですら4年の下積みの後F1デビューを果たしている位であった。
デビュー決定当時は、まだ自動車免許証すら取得できない16歳。若すぎるのでは?などの慎重な意見もあったが、元F1ドライバーであるゲルハルト・ベルガー曰く「マックスは飛び抜けているよ」とのこと。事実、若くして「アイルトン・セナ以来の逸材」と評価されるほどの活躍を見せた。
フェルスタッペンの年齢は各方面で議論の的となり、F1を統括するFIA国際自動車連盟は、F1ドライバーになるための資格であるスーパーライセンスの取得についての見直しを決定。「18歳以上であること」などの新条件を含む新規定を2016年より適用することになった。
無類のシムレース愛好家
同世代のランド・ノリスと並び、大のシムレース愛好家として知られており、世界的に著名なシムレースチーム「Team Redline」に所属する。
レースの合間やオフシーズンは盛んに各種大会に参加。スポーツカー、シングルシーターの別なく、時間の許す限り様々なル・マン24時間バーチャルやポルシェ・eスポーツ・スーパーカップなど、仮想チャンピオンシップに参加する。
ゲームの腕前も超一級。プロのTOPシムレーサーには及ばないにせよ、オーストラリア・スーパーカー・チャンピオンシップの公式シムレースシリーズ「Supercars All Stars Eseries」では表彰台を連発。2022年ル・マン24時間バーチャルレースでは1000分の2秒という僅差でポールを逃す2番グリッドにつき、前半7時間でラップをリードした。
主なキャリア
初めてF1公式セッションデビューを果たしたのは、当時16歳であった2014年F1日本GPでのFP1。その年の8月にレッドブル・ジュニアチームに抜擢され、スーパーライセンス取得に必要なF1マシンでのマイレージ(300km)をプライベートテストでこなしての電撃的デビューであった。
鈴鹿を走ったのはこの時が2度目。フェルスタッペンは、2012年の5月に国際南コースで開催されたCIK-FIA世界カート選手権第1戦に参戦していた。翌2013年には、KZの世界選手権、欧州選手権、KZ2マスターシリーズ、KZ1のヨーロッパチャンピオンを獲得した。
2013年8月にフォーミュラ・ルノー2.0のテストに参加。ホッケンハイムではコースレコードを更新し、モトパークのF3カップカーでのテストでは、初日にファステストラップをマークした。シングルシーターデビューは2014年。FDAがサポートするフロリダ・ウインター・シリーズで2勝を挙げた。
2015年にトロロッソからF1デビューすると、第2戦マレーシアGPで予選6位、決勝7位に。初年度に4位入賞2回を含む計49ポイントを獲得して、ドライバーランキング12位でルーキーイヤーを終えた。翌年の第5戦スペインGPでレッドブルへと昇格。その初戦で優勝を飾る快挙を達成した。
時にアグレッシブ過ぎるドライビングが批判の的にもなったが、2017年に2勝、2018年にも2勝を達成。2019年の第12ハンガリーGPでは、キャリア初のポールポジションを獲得。名実ともにF1を代表するトップドライバーへと上り詰めた。
年 | 概要 |
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2005年 | 4歳でカートデビュー |
2013年 | ミッションカートの最高峰カテゴリー「KZ1」のビッグレースで優勝。2013年10月11日に初めてフォーミュラカー(フォーミュラー・ルノー2.0)に乗る。年末のテストではフォーミュラー・ルノー2.0のレギュラードライバーよりも早いタイムを出して注目を集める。 |
2014年 | 異例の飛び級(フォーミュラー・ルノー2.0を飛び越して)で欧州F3デビュー。6戦目に初優勝、シーズン中盤では6連勝を達成。33戦中11勝を挙げ総合3位。異例の活躍に目を付けたヘルムート・マルコによって、8月にレッドブルのジュニアドライバーに。その後トロ・ロッソチームからのF1デビューが発表された。 |
2015年 | トロ・ロッソからF1デビュー。第2戦マレーシアで7位入賞、17歳180日の最年少入賞記録を樹立。ランキング12位となりルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた |
2016年 | 第スペインGPでレッドブルに昇格。歴代最多の78回のオーバーテイクを決め年間5位 |
2017年 | ルノーPUの信頼性不足のために全20戦中7戦でリタイヤも、2勝4表彰台で年間6位 |
2019年 | オーストリアGPでホンダF1に復帰後初優勝をプレゼント |
2021年 | レッドブル・ホンダで初のF1チャンピオンを獲得 |
2022年 | 2連覇およびコンストラクターズ選手権優勝に貢献 |
2023年 | 史上最多勝率と共に3連覇を達成 |
フェルスタッペンが持つ史上最年少記録
- 史上最年少F1デビュー…17歳166日(2015年オーストラリアGP)
- 史上最年少ポイント獲得…17歳180日(2015年マレーシアGP)
- 史上最年少優勝…18歳228日(2016年スペインGP)
- 史上最年少表彰台…18歳228日(2016年スペインGP)
- 史上最年少ファステストラップ…19歳44日(2016年ブラジルGP)
- 史上最年少グランドスラム…23歳277日(2021年オーストリアGP)
2023年に達成したF1史上記録
シーズン最高勝利率
全22レースで19勝を挙げて86.36%を記録。フェラーリ初のF1チャンピオンに輝いたアルベルト・アスカリが1952年に記録した75%(8戦中6勝)を大きく塗り替えた。
シーズン最多勝利数
2022年にフェルスタッペンはグランプリ15勝を挙げ、ミハエル・シューマッハとセバスチャン・ベッテルがそれぞれ2004年と2013年に記録した13勝の記録を上回った。
だがその翌年にシーズン19勝を記録。10月のメキシコGPの時点で前年に自身が刻んだシーズン最多勝利数を更新した。
連勝記録
5月のマイアミGPで優勝すると、8月の母国オランダGPで2013年にセバスチャン・ベッテルが残した9連勝に並び、翌イタリアGPで記録更新の10連勝を飾ったが、シンガポールGPでのカルロス・サインツの勝利により記録は止まった。
シーズン最多ハットトリック
12回を記録したポールポジションから6回のハットトリック(ポール、優勝、ファステストラップ)を記録。1952年のアスカリと2004年のミハエル・シューマッハの記録を1つ上回った。
シーズン最多ポイント
2022年に自身が記録した454ポイントを塗り替える575ポイントを獲得した。これは僚友セルジオ・ペレスの助けなしにレッドブルをコンストラクターズチャンピオンに導くに十分なものだった。
シーズン最多表彰台
フェルスタッペンは全22戦の内の21戦で表彰台に上がった。トップ3以外でフィニッシュしたのはシンガポールGPのみだった。
ちなみにミハエル・シューマッハは2002年シーズンにすべてのレースで表彰台を獲得した。
シーズン最多リードラップ
カタールGPでシーズン中のリードラップを739周に伸ばしてベッテルの記録を破ると、最終アブダビGPで1,003周を記録した。
アブダビでフェルスタッペンは珍しくも、誰もなし得なかった1,000周の大台を意識。自身にとって最適なピットストップのタイミングを逃してまでも、ラップをリードする事にこだわった。
2023年シーズンの22戦は計1,325周で行われた。フェルスタッペンがリードしたのはこのうち75.54%に相当する。
最多マージンでのチャンピオン
ドライバーズチャンピオンシップで2位につけたセルジオ・ペレスとのポイント差は290ポイントに達した。これはペレスが獲得した総ポイント(285)より大きい。