2021年インディカー 開催日程と結果:ドライバー及びチーム / テレビ視聴方法
26回目のシーズンを迎えた2021年のNTTインディカー・シリーズ(IndyCar Series)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で14戦に留まった昨季より2戦多い全16戦で争われた。
米国オープン・ホイールの公式チャンピオンシップとしては110シーズン目。ファイアストンは2019年2月にインディカーとの契約を2025年まで延長。21年シーズンも変わらず公式タイヤサプライヤーを務めた。
昨シーズンからの主な変更点
ハルマン・アンド・カンパニー社に代わり、ロジャー・ペンスキー統治体制下での2シーズン目を迎える2021年は本来、次世代シャシーとエンジンが導入される予定であったが、COVID-19パンデミックの影響で22年に延期された。
全車が第4世代シャシー、ダラーラIR12を使用し、シボレーまたはホンダエンジンを搭載してファイアストンタイヤを履いた。
なおシーズン開幕を前にインディカー・シリーズは、公式モーターオイルおよび潤滑油パートナーとしてシェル傘下のペンズオイルとの複数年契約を発表した。ペンズオイルは2012年よりシボレーエンジンに使われてきた。
開催日程カレンダー
オーバル3戦、市街地4戦、常設ロードコース7戦の計16戦で開催された。
当初はフロリダ州セント・ピーターズバーグで開幕が予定されていたが、COVID-19の感染拡大を受けてカレンダーの再編が行われ、4月18日のバーバー・モータースポーツ・パークがその役を引き継ぐ事となった。
また7月9日~11日に予定されていたカナダ・トロントでの市街地戦も中止を余儀なくされた。
世界三大レースの一つである第105回インディアナポリス500マイルレースは5月30日(日)に、同じIMSのロードコースで開催されるインディアナポリスGPは、5月と8月に2度に渡って開催された。
チャンピオンを決する最終戦は9月26日にロングビーチで行われた。
ラウンド | 日程 | 開催地 | 種別 | 結果 |
---|---|---|---|---|
第1戦 | 4月18日 | バーバー | ロード | 結果 |
第2戦 | 4月25日 | St.ピーターズバーグ | ストリート | 結果 |
第3戦 | 5月1日 | テキサス1 | オーバル | 結果 |
第4戦 | 5月2日 | テキサス2 | オーバル | 結果 |
第5戦 | 5月15日 | IMSロード1 | ロード | 結果 |
第6戦 | 5月30日 | インディ500 | オーバル | 結果 |
第7戦 | 6月12日 | デトロイト1 | ストリート | 結果 |
第8戦 | 6月13日 | デトロイト2 | ストリート | 結果 |
第9戦 | 6月20日 | ロードアメリカ | ロード | 結果 |
第10戦 | 7月4日 | ミッドオハイオ | ロード | 結果 |
第11戦 | 8月8日 | ナッシュビル | ストリート | 結果 |
第12戦 | 8月14日 | IMSロード2 | ロード | 結果 |
第13戦 | 8月21日 | ゲートウェイ | オーバル | 結果 |
第14戦 | 9月12日 | ポートランド | ロード | 結果 |
第15戦 | 9月19日 | ラグナセカ | ロード | 結果 |
第16戦 | 9月26日 | ロングビーチ | ストリート | 結果 |
テレビ放送
2021年のインディカー・シリーズは、例年通りGAORA SPORTSで生放送された。2021年はHulu ライブTVでもストリーミング配信された。
参戦チームとドライバー
全チームがユニバーサルエアロキットとファイアストンタイヤを装着したダラーラIR18シャーシを使用した。エンジンサプライヤーはホンダとシボレーの2社。
シリーズフル参戦は17名で、インディ500には35台がエントリーした。佐藤琢磨はレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング(RLL Racing)との契約を更新し、同チームとの通算5シーズン目に臨んだ。なおRLLは、インディ500にサンティノ・フェルッチを加えた3台を投入した。
前年王者スコット・ディクソン擁するチップ・ガナッシはアレックス・パロウを起用。フェリックス・ローゼンクヴィストはマクラーレSPに移籍した。また、NASCARで7度のチャンピオンに輝いたジミー・ジョンソンがロード及びストリートを担当した。
チームペンスキーは、3度のスーパーカーチャンピオン、スコット・マクラフランを起用。2017年以来となる4台体制でシーズンを戦った。
デイル・コイン・レーシングはロード及びストリートのスペシャリストとして元ハースF1のロマン・グロージャンを起用。オーバルを含む4レースはピエトロ・フィッティパルディがステアリングを握った。
ドラゴン・スピードは撤退。シャシーはジャック・ハーベイを継続するメイヤーシャンクに売却された。なおエリオ・カストロネベスが2台目でインディ500を含む6レースを戦った。
チーム エンジン |
車番 | ドライバー | 参戦 |
---|---|---|---|
A.J.フォイト・エンタープライズ シボレー |
1 | J.R.ヒルデブランド | 6 |
4 | ダルトン・ケレット | 全戦 | |
11 | チャーリー・キンボール | 5–6 | |
14 | セバスチャン・ボーデ | 全戦 | |
アンドレッティ・オートスポーツ ホンダ |
25 | ステファン・ウィルソン | 6 |
27 | アレクサンダー・ロッシ | 全戦 | |
28 | ライアン・ハンター=レイ | 全戦 | |
26 | コルトン・ハータ | 1–4 | |
アンドレッティ・オートスポーツwithカーブ・アガジャニアン ホンダ |
5–16 | ||
アンドレッティ・スタインブレナー・オートスポーツ ホンダ |
29 | ジェームズ・ヒンチクリフ | 全戦 |
アンドレッティ・ハータ・ハウパート・オートスポーツ ホンダ |
98 | マルコ・アンドレッティ | 6 |
アロー・マクラーレンSP シボレー |
5 | パトリシオ・オワード | 全戦 |
7 | フェリックス・ローゼンクビスト | 1–7, 10–16 | |
オリバー・アスキュー | 8 | ||
ケビン・マグヌッセン | 9 | ||
86 | ファン・パブロ・モントーヤ | 5–6 | |
カーリン シボレー |
59 | マックス・チルトン | 1–2, 6–12, 14–16 |
コナー・デイリー | 3–4, 13 | ||
チップ・ガナッシ・レーシング ホンダ |
8 | マーカス・エリクソン | 全戦 |
9 | スコット・ディクソン | 全戦 | |
10 | アレックス・パロウ | 全戦 | |
48 | ジミー・ジョンソン | 1–2, 5, 7–12, 14–16 | |
トニー・カナーン | 3–4, 6, 13 | ||
デイル・コイン・レーシングwithリック・ウェアー・レーシング ホンダ |
51 | ロマン・グロージャン | 1–2, 5, 7–16 |
ピエトロ・フィッティパルディ | 3–4, 6, 13 | ||
52 | コーディ・ウェアー | 9, 11–12 | |
ライアン・ノーマン | 10 | ||
デイル・コイン・レーシングwithバッサーサリバン ホンダ |
18 | エド・ジョーンズ | 全戦 |
ドレイヤー&レインボールド・レーシング シボレー |
24 | セージ・カラム | 6 |
エド・カーペンター・レーシング シボレー |
20 | コナー・デイリー | 1–2, 5, 7–12, 14–16 |
エド・カーペンター | 3–4, 6, 13 | ||
21 | リヌス・ヴィーケイ | 1–8, 10–16 | |
オリバー・アスキュー | 9 | ||
47 | コナー・デイリー | 6 | |
フンコス・ホリンジャー・レーシング シボレー |
77 | カラム・アイロット | 14–16 |
メイヤー・シャンク・レーシング ホンダ |
06 | エリオ・カストロネベス | 6, 11–12, 14–16 |
60 | ジャック・ハーベイ | 全戦 | |
パレッタ・オートスポーツ シボレー |
16 | シモーナ・デ・シルベストロ | 6 |
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング ホンダ |
15 | グレアム・レイホール | 全戦 |
30 | 佐藤琢磨 | 全戦 | |
45 | サンティノ・フェルッチ | 6–8, 10–11 | |
クリスチャン・ルンガー | 12 | ||
オリバー・アスキュー | 14–16 | ||
チーム・ペンスキー シボレー |
2 | ジョセフ・ニューガーデン | 全戦 |
3 | スコット・マクラフリン | 全戦 | |
12 | ウィル・パワー | 全戦 | |
22 | シモン・パジェノー | 全戦 | |
トップ・ガン・レーシング シボレー |
75 | R.C.エナーソン | 6, 12 |
第105回インディ500
伝統の一戦は昨年、COVID-19の影響で無観客試合を強いられたが、今季はマリオン郡公衆衛生局の承認を得て、会場収容人数の40%にあたる約13万5千人の観客を動員した。
エントリーリスト
35台のマシンがエントリー。インディ500のグリッド数は33台で、昨年はエントリーした33台が全てが予選通過を果たして決勝レースを戦ったが、今季はチャーリー・キンボールとRC・エネルソンの2台が予選落ち=バンプアウトした。
2017年と2020年に優勝を果たし、2001-02年のエリオ・カストロネベス以来の連覇、そして40歳越えのドライバーとして史上初の3度目の勝利を狙う佐藤琢磨(44歳)を含めて、エントリーリストには9名の歴代インディ500ウィナーが並んだ。
No. | Driver Hometown |
Team Engine |
---|---|---|
1 | JR.ヒルデブランド Sausalito, California |
A.J. Foyt Enterprises Chevrolet |
2 | ジョセフ・ニューガーデン Nashville, Tennessee |
Team Penske Chevrolet |
3 | スコット・マクラフラン Christchurch, New Zealand |
Team Penske Chevrolet |
4 | ダルトン・ケレット Stouffville, Canada |
A.J. Foyt Enterprises Chevrolet |
5 | パトリシオ・オワード Monterrey, Mexico |
Arrow McLaren SP Chevrolet |
6 | エリオ・カストロネベス Sao Paulo, Brazil |
Meyer Shank Racing Honda |
7 | フェリックス・ローゼンクビスト Värnamo, Sweden |
Arrow McLaren SP Chevrolet |
8 | マーカス・エリクソン Kumla, Sweden |
Chip Ganassi Racing Honda |
9 | スコット・ディクソン Auckland, New Zealand |
Chip Ganassi Racing Honda |
10 | アレックス・パロウ Barcelona, Spain |
Chip Ganassi Racing Honda |
11 | チャーリー・キンボール Camarillo, California |
A.J. Foyt Enterprises Chevrolet |
12 | ウィル・パワー Toowoomba, Australia |
Team Penske Chevrolet |
14 | セバスチャン・ブルデー Le Mans, France |
A.J. Foyt Enterprises Chevrolet |
15 | グレアム・レイホール New Albany, Ohio |
Rahal Letterman Lanigan Racing Honda |
16 | シモーナ・デ・シルベストロ Thun, Switzerland |
Paretta Autosport Chevrolet |
18 | エド・ジョーンズ Dubai, United Arab Emirates |
Dale Coyne Racing with Vasser Sullivan Honda |
20 | エド・カーペンター Indianapolis, Indiana |
Ed Carpenter Racing Chevrolet |
21 | リーナス・ヴィーケイ Hoofddorp, Netherlands |
Ed Carpenter Racing Chevrolet |
22 | シモン・パジェノー Montmorillon, France |
Team Penske Chevrolet |
24 | セージ・カラム Nazareth, Pennsylvania |
Dreyer & Reinbold Racing Chevrolet |
25 | ステファン・ウィルソン Sheffield, England |
Andretti Autosport Honda |
26 | コルトン・ハータ Valencia, California |
Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian Honda |
27 | アレキサンダー・ロッシ Nevada City, California |
Andretti Autosport Honda |
28 | ライアン・ハンター=レイ Fort Lauderdale, Florida |
Andretti Autosport Honda |
29 | ジェームズ・ヒンチクリフ Toronto, Canada |
Andretti Steinbrenner Autosport Honda |
30 | 佐藤琢磨 Tokyo, Japan |
Rahal Letterman Lanigan Racing Honda |
45 | サンティノ・フェルッチ Woodbury, Connecticut |
Rahal Letterman Lanigan Racing Honda |
47 | コナー・デイリー Noblesville, Indiana |
Ed Carpenter Racing Chevrolet |
48 | トニー・カナーン Salvador, Brazil |
Chip Ganassi Racing Honda |
51 | ピエトロ・フィッティパルディ Sao Paulo, Brazil |
Dale Coyne Racing with RWR Honda |
59 | マックス・チルトン Reigate, England |
Carlin Chevrolet |
60 | ジャック・ハーベイ Bassingham, England |
Meyer Shank Racing Honda |
75 | RC・エネルソン New Port Richey, Florida |
Top Gun Racing Chevrolet |
86 | ファン・パブロ・モントーヤ Bogota, Colombia |
Arrow McLaren SP Chevrolet |
98 | マルコ・アンドレッティ Nazareth, Pennsylvania |
Andretti Herta-Haupert w/Marco & Curb-Agajanian Honda |
チャンピオンシップ ポイントシステム
選手権はドライバーとエンジンマニュファクチャラーの2つ。シーズン閉幕時に最も多くのランキングポイントを獲得した者がNTTインディカーシリーズのチャンピオンとなる。
同点の場合は優勝回数でチャンピオンを決定する。それでも同点の場合は2位、3位とチャンピオンが決まるまで同じ採点を繰り返す。
なおインディアナポリス500マイルレースはダブルポイントとなる。予選上位9名(ファストナイン)に対してはポールシッターに9ポイント、2位に8ポイント…9位に1ポイントが付与される。
フィニッシュ順位別獲得ポイント
ポールアワードは1点。1周でもリードラップを刻めば1点。最多リードラップは2点。
順位 | ポイント |
---|---|
1位 | 50 |
2位 | 40 |
3位 | 35 |
4位 | 32 |
5位 | 30 |
6位 | 28 |
7位 | 26 |
8位 | 24 |
9位 | 22 |
10位 | 20 |
11位 | 19 |
12位 | 18 |
13位 | 17 |
14位 | 16 |
15位 | 15 |
16位 | 14 |
17位 | 13 |
18位 | 12 |
19位 | 11 |
20位 | 10 |
21位 | 9 |
22位 | 8 |
23位 | 7 |
24位 | 6 |
25位以下 | 5 |
エンジンマニュファクチャラー選手権
各レースにおける各々の陣営のフル参戦ドライバーの内、上位2名の獲得ポイントをシーズンを通して合算していく。なお、各レースでポールポジションを獲得したエンジンメーカーには1ポイント、優勝メーカーには5ポイントが与えられる(インディ500を除く)。
インディ500においてはポールポジションを獲得したエンジンメーカーに2ポイント、予選初日の最速エンジンメーカーに1ポイントが与えられる。またインディ500決勝レース中に2,000マイルの走行距離を達成したエンジンメーカーには、インディ500で獲得したマニュファクチャラーポイントと同数の追加ボーナスポイントが与えられる。