2021年9月19日のインディカー・シリーズ第15戦モントレーGPの決勝レース1周目の様子
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インディカー第15戦モントレー《決勝》:ハータ今季2勝でホンダがタイトル!パロウは王座に王手、佐藤琢磨は”ミス”で上位逃す

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2021インディカー・シリーズ第15戦モントレーGPの決勝レースがカリフォルニア州現地9月19日(日)にラグナセカ・レースウェイで行われ、コルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポーツ)がポール・トゥ・ウインを飾った。

前日の予選で今季3度目、キャリア通算7度目のポールポジションを獲得したハータは、かの有名な”コークスクリュー”コーナーを含む計11ターン、全長2.238マイルのラグナセカでの95周のレースで91周のリードラップを刻み、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)を1.9747秒差で退けて今季2勝、通算5勝目を挙げた。

シャンパンシャワーを楽しむアンドレッティ・オートスポーツのコルトン・ハータ、2021年9月19日インディカー・シリーズ第15戦モントレーGPにてCourtesy Of INDYCAR

シャンパンシャワーを楽しむアンドレッティ・オートスポーツのコルトン・ハータ、2021年9月19日インディカー・シリーズ第15戦モントレーGPにて

ストラテジストであり父親のブライアンもまた、1998年と1999年にこのコースでポール・トゥ・ウインを飾っている。

3位表彰台にはロマン・グロージャン(デイル・コイン)が上がった。元ハースF1ドライバーは初日にペースカーのホンダ・シビックTypeRでクラッシュを喫する場面がありながらも、レースでは全車最多となる27回のオーバーテイクを決め、最終盤にパロウを追い詰める好走を見せた。

パロウのチームメイトであるスコット・ディクソンとマーカス・エリクソンはそれぞれ13位と6位に終わり、チャンピオン争いから脱落した。パロウは5位フィニッシュしたパトリシオ・オワード(マクラーレンSP)に35ポイント差のポイントリーダーとして最終ロングビーチに臨む。

またこの日のリザルトを受け、ホンダは4年連続、計10回目のインディカー・マニュファクチャラーズタイトルを獲得した。

レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨、2021年9月18日インディカー・シリーズ第15戦公式予選にてCourtesy Of INDYCAR

レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨、2021年9月18日インディカー・シリーズ第15戦公式予選にて

レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨は23番手という後方からのスタートとなったものの、チームメイトのオリバー・アスキュー車のセットアップを丸ごと移植して臨んだレースでは怒涛のオーバーテイクショーを披露した。

3番手を走行していた25周目に2回目のピットストップを行い、その後も快調に飛ばしていたが、10番手を走行していた38周目のコークスクリューでイン側の縁石に乗り上げスピン。右リアが後続のディクソンと接触した事でトーリンクが破損し、ピットでの修復を経て3周遅れでコースに戻ったものの、ディフューザーの損傷が激しく、安全を優先して83周目にリタイヤした。

スピンについて佐藤琢磨は「完全に自分のミス」であったとして、ディクソンに「悪いことをしてしまった」と振り返った。レース全般については「ロードコースでこれほど抜けるレースは久しぶり」で「本当に楽しかった」として、完走できていれば「上位フィニッシュは間違いなかった」と述べ、悔しさをあらわにした。

注目のオープニングラップではフェリックス・ローゼンクビスト(マクラーレンSP)がスピンを喫して後方に沈み、 2周目には2番手を走行していたアレキサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポーツ)がハータと接触。早々にフルコースイエローが出る展開となった。

その後はウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がエンジントラブルに見舞われピットインした事でパロウが2番手に浮上。タイヤのデグラデーションが激しい状況の中、様々なピット戦略が展開され慌ただしく順位が変動する展開となったものの、ハータとパロウは一貫してレースを支配した。

なおジミー・ジョンソン(チップ・ガナッシ)はキャリアベストの17位でレースを終えた。

週末のラグナセカにはメルセデスのフォーミュラEドライバーを務めるストフェル・バンドーンの姿があった。マクラーレンのザク・ブラウンCEOは来季以降の投入を予定する3台目のドライバーとしてバンドーン起用の可能性を認めた

2021年第15戦モントレー決勝結果

Pos. Start Driver Gap
1 1 コルトン・ハータ
Andretti
–.—-
2 4 アレックス・パロウ
Chip Ganassi
1.9747
3 13 ロマン・グロージャン
Dale Coyne
3.7087
4 12 グレアム・レイホール
RLL Racing
13.8616
5 6 パトリシオ・オワード
McLaren SP
24.6972
6 7 マーカス・エリクソン
Chip Ganassi
28.5032
7 17 ジョセフ・ニューガーデン
Team Penske
29.7267
8 9 シモン・パジェノー
Team Penske
30.4215
9 5 オリバー・アスキュー
RLL Racing
32.4675
10 14 エド・ジョーンズ
Dale Coyne
47.9944
11 19 ライアン・ハンター=レイ
Andretti
1:07.1843
12 16 スコット・マクラフラン
Team Penske
1:13.4940
13 8 スコット・ディクソン
Chip Ganassi
1:16.3595
14 21 セバスチャン・ブルデー
A.J. Foyt
1 lap
15 20 ジャック・ハーベイ
Meyer Shank
1 lap
16 18 コナー・デイリー
Ed Carpenter
1 lap
17 25 ジミー・ジョンソン
Chip Ganassi
1 lap
18 24 リーナス・ヴィーケイ
Ed Carpenter
1 lap
19 15 フェリックス・ローゼンクビスト
McLaren SP
1 lap
20 11 ジェームズ・ヒンチクリフ
Andretti
1 lap
21 10 マックス・チルトン
Carlin
1 lap
22 26 カラム・アイロット
Juncos Racing
1 lap
23 27 ダルトン・ケレット
A.J. Foyt
1 lap
24 22 エリオ・カストロネベス
Meyer Shank
1 lap
25 2 アレキサンダー・ロッシ
Andretti
2 lap
26 3 ウィル・パワー
Team Penske
2 lap
27 23 佐藤琢磨
RLL Racing
12 lap

第15戦消化時点でのポイントランキング

第15戦出走者を対象に、レース結果を受けてのポイントランキングを以下にまとめる。

Pos. Driver Pts. Total Gap
1 アレックス・パロウ
Chip Ganassi
40 517 0
2 パトリシオ・オワード
McLaren SP
30 482 -35
3 ジョセフ・ニューガーデン
Team Penske
26 469 -48
4 スコット・ディクソン
Chip Ganassi
17 445 -72
5 マーカス・エリクソン
Chip Ganassi
28 430 -87
6 コルトン・ハータ
Andretti
54 402 -115
7 グレアム・レイホール
RLL Racing
32 374 -143
8 シモン・パジェノー
Team Penske
24 353 -164
9 ウィル・パワー
Team Penske
5 337 -180
10 アレキサンダー・ロッシ
Andretti
5 304 -213
11 リーナス・ヴィーケイ
Ed Carpenter
12 303 -214
12 佐藤琢磨
RLL Racing
5 302 -215
13 スコット・マクラフラン
Team Penske
18 286 -231
14 ジャック・ハーベイ
Meyer Shank
15 281 -236
15 ロマン・グロージャン
Dale Coyne
36 266 -251
16 ライアン・ハンター=レイ
Andretti
19 249 -268
17 セバスチャン・ブルデー
A.J. Foyt
16 234 -283
18 コナー・デイリー
Ed Carpenter
14 226 -291
19 エド・ジョーンズ
Dale Coyne
20 215 -302
20 ジェームズ・ヒンチクリフ
Andretti
10 204 -313
21 フェリックス・ローゼンクビスト
McLaren SP
11 188 -329
22 エリオ・カストロネベス
Meyer Shank
6 147 -370
24 ダルトン・ケレット
A.J. Foyt
7 137 -380
25 マックス・チルトン
Carlin
9 119 -398
28 ジミー・ジョンソン
Chip Ganassi
13 95 -422
31 オリバー・アスキュー
RLL Racing
22 52 -465