チーム・ペンスキーのジョセフ・ニューガーデンとチップ・ガナッシのマーカス・エリクソンとアレックス・パロウ、2021年7月4日インディカー第10戦ミッドオハイオ決勝レース
Courtesy Of INDYCAR

インディカー第10戦ミッドオハイオ《決勝》:ペンスキー、不名誉な連続未勝利に終止符…佐藤琢磨は挽回10位「終盤戦が楽しみ」

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2021 NTTインディカー・シリーズ第10戦Hondaインディ200の決勝レースが米国オハイオ州現地7月4日にミッドオハイオ・スポーツカーコースで行われ、ジョセフ・ニューガーデンがポール・トゥ・ウインを飾り、チーム・ペンスキーに待望の今季初優勝を捧げた。

ポールポジションからスタートしたニューガーデンは80周中のレースの内の73周をリード。猛烈な追い上げを見せたマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ)を抑え切った。

エリクソンは残り5周の時点で2.6秒あったギャップを残り2周で1.4秒にまで縮めた。最後まで追撃の手を緩める事はなかったものの、ニューガーデンが0.8665秒差で逃げ切った。エリクソンにとっては今季7回目のトップ10で、3位表彰台にはチャンピオンシップリーダーのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)が滑り込んだ。

チーム・ペンスキーにとっては昨年10月のシーズン最終戦、セント・ピーターズバーグ以来の勝利であり、9戦連続未勝利という不名誉な記録に終止符を打った。また1971年のチーム・ペンスキーにとってのインディカー初優勝(ポコノ・レースウェイでマーク・ダナヒューが勝利)から数えて50周年を迎えた週末での勝利でもあった。

優勝したチーム・ペンスキーとジョセフ・ニューガーデン、2021年7月4日インディカー第10戦ミッドオハイオ決勝レースCourtesy Of INDYCAR

優勝したチーム・ペンスキーとジョセフ・ニューガーデン

レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨はハードタイヤを履いて19番手からスタート。ライアン・ハンター=レイとフェリックス・ローゼンクビストが絡む1周目の多重クラッシュを潜り抜けて15番手に浮上すると、その後はソフトを連投する作戦で激しいバトルを戦い抜き、最終ラップでセバスチャン・ブルデーを交わして10位でフィニッシュした。

「19番手スタートでの10位フィニッシュではありますが難しい週末でした」と佐藤琢磨。

「滑り出しは上々で、リスタートを含めて先頭集団で起きた2回のアクシデントを上手く回避し、その後は落ち着いてリズム良く周回を重ねていきましたが、イエローが出ることはなく、戦略的なオプションは限られていました」

「ほぼ全車が2ストップ作戦を選択したように思いますが、僕らは最初のスティントを引き伸ばした事で、残りのレースをハードに戦うことができました」

「特に終盤でブルデーと激しくやり合えたのはチームの戦略の賜物ですし、最終ラップに何とか攻略して10位フィニッシュする事ができました」

レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨、2021年7月4日インディカー第10戦ミッドオハイオ決勝レースCourtesy Of INDYCAR

佐藤琢磨、2021年インディカー第10戦ミッドオハイオ

「望んでいた結果ではありませんが、それでも19番手スタートという事を考えるとまずまずの結果だと思います」

「ここから短い夏休みが始まります。これを利用してクルマのセッティングに関して色々と分析した上で、ラグナセカでのテストに臨むつもりです。終盤戦を楽しみにしています」

リタイヤは2台。4周目に2014年のシリーズチャンピオンであるウィル・パワーとスコット・ディクソンが接触。タイヤスモークにより視界不良となった事故現場にエド・ジョーンズが突っ込み、パワーとジョーンズがリタイヤを強いられた。

次の第11戦ビッグマシーン・ミュージックシティGPは南部テネシー州ナッシュビルのダウンタウンに仮設される新しいストリートコースで8月8日に決勝レースが行われる。

2021年7月4日インディカー第10戦ミッドオハイオ決勝レース1周目Courtesy Of INDYCAR

2021年7月4日インディカー第10戦ミッドオハイオ決勝レース1周目

クラッシュするチーム・ペンスキーのウィル・パワー、2021年7月4日インディカー第10戦ミッドオハイオ決勝レースCourtesy Of INDYCAR

クラッシュするチーム・ペンスキーのウィル・パワー

ハイライト動画

2021年ミッドオハイオ決勝結果

Pos. Start Driver Gap
1 1 ジョセフ・ニューガーデン
Team Penske
–.—-
2 3 マーカス・エリクソン
Chip Ganassi
0.8790
3 7 アレックス・パロウ
Chip Ganassi
22.2350
4 5 スコット・ディクソン
Chip Ganassi
32.3775
5 6 アレキサンダー・ロッシ
Andretti
33.1414
6 8 グレアム・レイホール
RLL Racing
34.1226
7 18 ロマン・グロージャン
Dale Coyne
35.1630
8 20 パトリシオ・オワード
McLaren SP
35.6929
9 22 サンティノ・フェルッチ
RLL Racing
35.9931
10 19 佐藤琢磨
RLL Racing
50.3316
11 12 セバスチャン・ブルデー
A.J. Foyt
52.0013
12 14 スコット・マクラフラン
Team Penske
52.4250
13 2 コルトン・ハータ
Andretti
56.8482
14 15 シモン・パジェノー
Team Penske
58.3495
15 24 コナー・デイリー
Ed Carpenter
58.8125
16 11 リーナス・ヴィーケイ
Ed Carpenter
59.6397
17 9 ジェームズ・ヒンチクリフ
Andretti
1:07.5124
18 17 マックス・チルトン
Carlin
1:08.0533
19 23 ジャック・ハーベイ
Meyer Shank
1:08.4796
20 26 ライアン・ノーマン
Dale Coyne
1 lap
21 21 ダルトン・ケレット
A.J. Foyt
1 lap
22 25 ジミー・ジョンソン
Chip Ganassi
1 lap
23 13 フェリックス・ローゼンクビスト
McLaren SP
2 lap
24 10 ライアン・ハンター=レイ
Andretti
2 lap
25 4 ウィル・パワー
Team Penske
77 lap
26 16 エド・ジョーンズ
Dale Coyne
77 lap

第10戦消化時点でのポイントランキング

第10戦出走者を対象に、レース結果を受けてのポイントランキングを以下にまとめる。

Pos. Driver Pts. Total Gap
1 アレックス・パロウ
Chip Ganassi
35 384 0
2 パトリシオ・オワード
McLaren SP
24 345 -39
3 スコット・ディクソン
Chip Ganassi
32 328 -56
4 ジョセフ・ニューガーデン
Team Penske
54 315 -69
5 マーカス・エリクソン
Chip Ganassi
41 280 -104
6 シモン・パジェノー
Team Penske
16 271 -113
7 コルトン・ハータ
Andretti
18 260 -124
8 リーナス・ヴィーケイ
Ed Carpenter
14 257 -127
9 グレアム・レイホール
RLL Racing
28 256 -128
10 佐藤琢磨
RLL Racing
20 226 -158
11 ウィル・パワー
Team Penske
5 209 -175
12 アレキサンダー・ロッシ
Andretti
30 201 -183
13 スコット・マクラフラン
Team Penske
18 198 -186
14 ジャック・ハーベイ
Meyer Shank
11 170 -214
15 セバスチャン・ブルデー
A.J. Foyt
19 155 -229
16 ロマン・グロージャン
Dale Coyne
26 151 -233
17 ライアン・ハンター=レイ
Andretti
6 145 -239
18 コナー・デイリー
Ed Carpenter
15 142 -242
19 ジェームズ・ヒンチクリフ
Andretti
13 131 -253
20 サンティノ・フェルッチ
RLL Racing
22 127 -257
21 エド・ジョーンズ
Dale Coyne
5 125 -259
24 ダルトン・ケレット
A.J. Foyt
9 95 -289
25 フェリックス・ローゼンクビスト
McLaren SP
7 94 -290
27 マックス・チルトン
Carlin
12 77 -307
28 ジミー・ジョンソン
Chip Ganassi
8 56 -328