インディカー第10戦ミッドオハイオ《決勝》:ペンスキー、不名誉な連続未勝利に終止符…佐藤琢磨は挽回10位「終盤戦が楽しみ」
2021 NTTインディカー・シリーズ第10戦Hondaインディ200の決勝レースが米国オハイオ州現地7月4日にミッドオハイオ・スポーツカーコースで行われ、ジョセフ・ニューガーデンがポール・トゥ・ウインを飾り、チーム・ペンスキーに待望の今季初優勝を捧げた。
ポールポジションからスタートしたニューガーデンは80周中のレースの内の73周をリード。猛烈な追い上げを見せたマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ)を抑え切った。
エリクソンは残り5周の時点で2.6秒あったギャップを残り2周で1.4秒にまで縮めた。最後まで追撃の手を緩める事はなかったものの、ニューガーデンが0.8665秒差で逃げ切った。エリクソンにとっては今季7回目のトップ10で、3位表彰台にはチャンピオンシップリーダーのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)が滑り込んだ。
チーム・ペンスキーにとっては昨年10月のシーズン最終戦、セント・ピーターズバーグ以来の勝利であり、9戦連続未勝利という不名誉な記録に終止符を打った。また1971年のチーム・ペンスキーにとってのインディカー初優勝(ポコノ・レースウェイでマーク・ダナヒューが勝利)から数えて50周年を迎えた週末での勝利でもあった。
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨はハードタイヤを履いて19番手からスタート。ライアン・ハンター=レイとフェリックス・ローゼンクビストが絡む1周目の多重クラッシュを潜り抜けて15番手に浮上すると、その後はソフトを連投する作戦で激しいバトルを戦い抜き、最終ラップでセバスチャン・ブルデーを交わして10位でフィニッシュした。
「19番手スタートでの10位フィニッシュではありますが難しい週末でした」と佐藤琢磨。
「滑り出しは上々で、リスタートを含めて先頭集団で起きた2回のアクシデントを上手く回避し、その後は落ち着いてリズム良く周回を重ねていきましたが、イエローが出ることはなく、戦略的なオプションは限られていました」
「ほぼ全車が2ストップ作戦を選択したように思いますが、僕らは最初のスティントを引き伸ばした事で、残りのレースをハードに戦うことができました」
「特に終盤でブルデーと激しくやり合えたのはチームの戦略の賜物ですし、最終ラップに何とか攻略して10位フィニッシュする事ができました」
「望んでいた結果ではありませんが、それでも19番手スタートという事を考えるとまずまずの結果だと思います」
「ここから短い夏休みが始まります。これを利用してクルマのセッティングに関して色々と分析した上で、ラグナセカでのテストに臨むつもりです。終盤戦を楽しみにしています」
リタイヤは2台。4周目に2014年のシリーズチャンピオンであるウィル・パワーとスコット・ディクソンが接触。タイヤスモークにより視界不良となった事故現場にエド・ジョーンズが突っ込み、パワーとジョーンズがリタイヤを強いられた。
次の第11戦ビッグマシーン・ミュージックシティGPは南部テネシー州ナッシュビルのダウンタウンに仮設される新しいストリートコースで8月8日に決勝レースが行われる。
ハイライト動画
2021年ミッドオハイオ決勝結果
Pos. | Start | Driver | Gap |
---|---|---|---|
1 | 1 | ジョセフ・ニューガーデン Team Penske |
–.—- |
2 | 3 | マーカス・エリクソン Chip Ganassi |
0.8790 |
3 | 7 | アレックス・パロウ Chip Ganassi |
22.2350 |
4 | 5 | スコット・ディクソン Chip Ganassi |
32.3775 |
5 | 6 | アレキサンダー・ロッシ Andretti |
33.1414 |
6 | 8 | グレアム・レイホール RLL Racing |
34.1226 |
7 | 18 | ロマン・グロージャン Dale Coyne |
35.1630 |
8 | 20 | パトリシオ・オワード McLaren SP |
35.6929 |
9 | 22 | サンティノ・フェルッチ RLL Racing |
35.9931 |
10 | 19 | 佐藤琢磨 RLL Racing |
50.3316 |
11 | 12 | セバスチャン・ブルデー A.J. Foyt |
52.0013 |
12 | 14 | スコット・マクラフラン Team Penske |
52.4250 |
13 | 2 | コルトン・ハータ Andretti |
56.8482 |
14 | 15 | シモン・パジェノー Team Penske |
58.3495 |
15 | 24 | コナー・デイリー Ed Carpenter |
58.8125 |
16 | 11 | リーナス・ヴィーケイ Ed Carpenter |
59.6397 |
17 | 9 | ジェームズ・ヒンチクリフ Andretti |
1:07.5124 |
18 | 17 | マックス・チルトン Carlin |
1:08.0533 |
19 | 23 | ジャック・ハーベイ Meyer Shank |
1:08.4796 |
20 | 26 | ライアン・ノーマン Dale Coyne |
1 lap |
21 | 21 | ダルトン・ケレット A.J. Foyt |
1 lap |
22 | 25 | ジミー・ジョンソン Chip Ganassi |
1 lap |
23 | 13 | フェリックス・ローゼンクビスト McLaren SP |
2 lap |
24 | 10 | ライアン・ハンター=レイ Andretti |
2 lap |
25 | 4 | ウィル・パワー Team Penske |
77 lap |
26 | 16 | エド・ジョーンズ Dale Coyne |
77 lap |
第10戦消化時点でのポイントランキング
第10戦出走者を対象に、レース結果を受けてのポイントランキングを以下にまとめる。
Pos. | Driver | Pts. | Total | Gap |
---|---|---|---|---|
1 | アレックス・パロウ Chip Ganassi |
35 | 384 | 0 |
2 | パトリシオ・オワード McLaren SP |
24 | 345 | -39 |
3 | スコット・ディクソン Chip Ganassi |
32 | 328 | -56 |
4 | ジョセフ・ニューガーデン Team Penske |
54 | 315 | -69 |
5 | マーカス・エリクソン Chip Ganassi |
41 | 280 | -104 |
6 | シモン・パジェノー Team Penske |
16 | 271 | -113 |
7 | コルトン・ハータ Andretti |
18 | 260 | -124 |
8 | リーナス・ヴィーケイ Ed Carpenter |
14 | 257 | -127 |
9 | グレアム・レイホール RLL Racing |
28 | 256 | -128 |
10 | 佐藤琢磨 RLL Racing |
20 | 226 | -158 |
11 | ウィル・パワー Team Penske |
5 | 209 | -175 |
12 | アレキサンダー・ロッシ Andretti |
30 | 201 | -183 |
13 | スコット・マクラフラン Team Penske |
18 | 198 | -186 |
14 | ジャック・ハーベイ Meyer Shank |
11 | 170 | -214 |
15 | セバスチャン・ブルデー A.J. Foyt |
19 | 155 | -229 |
16 | ロマン・グロージャン Dale Coyne |
26 | 151 | -233 |
17 | ライアン・ハンター=レイ Andretti |
6 | 145 | -239 |
18 | コナー・デイリー Ed Carpenter |
15 | 142 | -242 |
19 | ジェームズ・ヒンチクリフ Andretti |
13 | 131 | -253 |
20 | サンティノ・フェルッチ RLL Racing |
22 | 127 | -257 |
21 | エド・ジョーンズ Dale Coyne |
5 | 125 | -259 |
24 | ダルトン・ケレット A.J. Foyt |
9 | 95 | -289 |
25 | フェリックス・ローゼンクビスト McLaren SP |
7 | 94 | -290 |
27 | マックス・チルトン Carlin |
12 | 77 | -307 |
28 | ジミー・ジョンソン Chip Ganassi |
8 | 56 | -328 |