インディカー第14戦ポートランド《決勝》:パロウ、後方転落からの逆転Vでリード拡大!佐藤琢磨は手応えの12位で残り2戦を楽観視
2021 NTTインディカー・シリーズ第14戦ポートランドGPの決勝がオレゴン州現地9月12日に行われ、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)がポール・トゥ・ウインを飾り、今季3勝目を挙げた。
1周目のターン1でチームメイトのスコット・ディクソンと並びコース外に飛び出た事で、リスタートの10周目に16番手と後退を強いられたものの、燃費作戦と見事な走りによって110周のレースの残り25周でトップに復帰すると、アレキサンダー・ロッシ(アンドレッティ)の猛追を交わし、残り2戦の最終盤にチャンピオンシップで25ポイント差のリードを築いた。
レース中に4度発生したコーションの1回目はオープニングラップだった。ウィル・パワー、ロマン・グロージャン、オリバー・アスキュー、ジェームス・ヒンチクリフ、エリオ・カストロネベスら中団以降の5名がターン1の混乱に巻き込まれ、修理のためにピットやパドックに戻された。
2位はロッシ、3位はディクソン、そして4位にはジャック・ハーベイ(メイヤーシャンク)が続き、ホンダエンジン勢がトップ4を独占した。
「スタート直後のインシデントについては映像を見直してみないとよく分からないけど、レースが長いことは分かっていたから集中を切らすことはなかった」とパロウ。
「110周もあると、このシリーズではどんな逆転劇があっても不思議はない。実際、僕らは見事な戦略によって成功を掴み取る事ができた」
「HPDが求めるだけのエンジンパワーを与えてくれた。パートナー、そしてチームを本当に誇らしく思う。戦略、ピットストップ、すべてが最高だったから、スタートでの不運にも関わらず僕らは勝つことができた」
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨はエンジン交換を余儀なくされた事で3周のプラクティスを経たのみでぶっつけ本番の予選に挑み、最後尾26番手からレースをスタートした。
スタート直後の混乱を掻い潜り12番手に浮上すると、2ストップを目指して第1スティントを引っ張る作戦をとり、39周目にピットに向かった際は2番手を走行。だた、その後のフルコースイエローによってアドバンテージは消失した。
ポジションダウンを余儀なくされる中、それでも数々のオーバーテイクを成功させて、14ポジションアップの12位でレースを終えた。シリーズポイントランキングでは297ポイントとなり、10位から11位に後退。逆転王座の可能性は消滅した。
「後方スタートであった事を踏まえれば良いレースができたと思います」と佐藤琢磨。
「2ストップ組の中では1スティントで最も多くの周回を重ねる事が出来たと思いますが、今日のレースではフリーストップを得るなどラッキーなチャンスに恵まれたマシンが何台もあったため、最終的には挽回するに至りませんでした」
「できることならトップ10でフィニッシュしたかったのですが、それでも今日は堅実にパフォーマンスを発揮する事ができていたと思います。チームのみんなは最高の仕事をしてくれました」
「それにロードコースで目覚ましいスピードを発揮できましたので、非常にポジティブな週末でした。残り2戦となりますが、僕らとしてはかなり楽観的に捉えています」
次戦は9月19日にウェザーテック・レースウェイ・ラグナセカで、そして最終戦は9月26日にカリフォルニア州ロングビーチで開催される。
ハイライト動画
2021年ポートランド決勝結果
Pos. | Start | Driver | Gap |
---|---|---|---|
1 | 1 | アレックス・パロウ Chip Ganassi |
–.—- |
2 | 2 | アレキサンダー・ロッシ Andretti |
1.2895 |
3 | 3 | スコット・ディクソン Chip Ganassi |
4.4406 |
4 | 20 | ジャック・ハーベイ Meyer Shank |
8.2208 |
5 | 18 | ジョセフ・ニューガーデン Team Penske |
8.9566 |
6 | 4 | フェリックス・ローゼンクビスト McLaren SP |
9.3231 |
7 | 10 | マーカス・エリクソン Chip Ganassi |
10.3425 |
8 | 6 | コルトン・ハータ Andretti |
12.2628 |
9 | 15 | スコット・マクラフラン Team Penske |
13.9438 |
10 | 5 | グレアム・レイホール RLL Racing |
17.5449 |
11 | 8 | エド・ジョーンズ Dale Coyne |
18.1590 |
12 | 26 | 佐藤琢磨 RLL Racing |
18.7513 |
13 | 14 | ウィル・パワー Team Penske |
19.8312 |
14 | 7 | パトリシオ・オワード McLaren SP |
20.8494 |
15 | 27 | ライアン・ハンター=レイ Andretti |
25.5636 |
16 | 16 | コナー・デイリー Ed Carpenter |
27.3972 |
17 | 25 | リーナス・ヴィーケイ Ed Carpenter |
31.9461 |
18 | 12 | セバスチャン・ブルデー A.J. Foyt |
32.4259 |
19 | 11 | マックス・チルトン Carlin |
33.2897 |
20 | 22 | ジミー・ジョンソン Chip Ganassi |
33.7026 |
21 | 23 | シモン・パジェノー Team Penske |
1 lap |
22 | 21 | ロマン・グロージャン Dale Coyne |
15 lap |
23 | 17 | エリオ・カストロネベス Meyer Shank |
19 lap |
24 | 9 | オリバー・アスキュー RLL Racing |
21 lap |
25 | 19 | カラム・アイロット Juncos Racing |
33 lap |
26 | 24 | ダルトン・ケレット A.J. Foyt |
60 lap |
27 | 13 | ジェームズ・ヒンチクリフ Andretti |
109 lap |
第14戦消化時点でのポイントランキング
第14戦出走者を対象に、レース結果を受けてのポイントランキングを以下にまとめる。
Pos. | Driver | Pts. | Total | Gap |
---|---|---|---|---|
1 | アレックス・パロウ Chip Ganassi |
52 | 477 | 0 |
2 | パトリシオ・オワード McLaren SP |
17 | 452 | -25 |
3 | ジョセフ・ニューガーデン Team Penske |
30 | 443 | -34 |
4 | スコット・ディクソン Chip Ganassi |
36 | 428 | -49 |
5 | マーカス・エリクソン Chip Ganassi |
27 | 402 | -75 |
6 | コルトン・ハータ Andretti |
24 | 348 | -129 |
7 | グレアム・レイホール RLL Racing |
23 | 342 | -135 |
8 | ウィル・パワー Team Penske |
17 | 332 | -145 |
9 | シモン・パジェノー Team Penske |
9 | 329 | -148 |
10 | アレキサンダー・ロッシ Andretti |
40 | 299 | -178 |
11 | 佐藤琢磨 RLL Racing |
18 | 297 | -180 |
12 | リーナス・ヴィーケイ Ed Carpenter |
13 | 291 | -186 |
13 | スコット・マクラフラン Team Penske |
23 | 268 | -209 |
14 | ジャック・ハーベイ Meyer Shank |
33 | 266 | -211 |
15 | ロマン・グロージャン Dale Coyne |
8 | 230 | -247 |
16 | ライアン・ハンター=レイ Andretti |
15 | 230 | -247 |
17 | セバスチャン・ブルデー A.J. Foyt |
12 | 218 | -259 |
18 | コナー・デイリー Ed Carpenter |
14 | 212 | -265 |
19 | エド・ジョーンズ Dale Coyne |
20 | 195 | -282 |
20 | ジェームズ・ヒンチクリフ Andretti |
5 | 194 | -283 |
21 | フェリックス・ローゼンクビスト McLaren SP |
28 | 177 | -300 |
23 | エリオ・カストロネベス Meyer Shank |
7 | 141 | -336 |
24 | ダルトン・ケレット A.J. Foyt |
5 | 130 | -347 |
25 | マックス・チルトン Carlin |
11 | 110 | -367 |
28 | ジミー・ジョンソン Chip Ganassi |
10 | 82 | -395 |
32 | オリバー・アスキュー RLL Racing |
6 | 30 | -447 |