ピアストリがポール、角田の”見事な挽回”でレッドブル今季初のダブルQ3 / F1バーレーンGP 2025《予選》結果と詳報

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2025年FIA-F1世界選手権4戦バーレーンGP予選が現地4月12日にバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われ、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が1分29秒841を記録。今季2度目のポールポジションを獲得した。角田裕毅(レッドブル)はQ3進出を果たし、10番グリッドを持ち帰った。

週末全てのプラクティス、そしてQ1・Q2を制するなど、圧倒的なアドバンテージを見せつけていたマクラーレンだが、ランド・ノリスはターン1でミスを犯すなど精彩を欠き、タイトル争いのライバル、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)を1つ上回る6番手に留まった。結果、マクラーレンはフロントロウ独占を逃した。

メルセデス、上位グリッド確保も赤旗中の行為で審議

安定的なパフォーマンスを発揮していたメルセデスは、ジョージ・ラッセルがピアストリに0.168秒差の2番手を獲得。新人アンドレア・キミ・アントネッリもキャリア最上位となる4番手を記録し、揃って上位グリッドを持ち帰った。

ただし、Q2で発生した赤旗中断後、再開時刻の正式発表前にガレージを出たとして、2台ともが審議対象となっている。

ガスリーが下剋上の5番手、サインツは今季初の僚友凌駕

ピエール・ガスリーは、5番手という“下剋上”とも言えるパフォーマンスを見せ、アルピーヌにとっての今季初ポイント獲得に向けて絶好のスタートポジションを得た。僚友のジャック・ドゥーハンはQ2最終ラップのセクター3で自己ベストを改善できず、惜しくも0.017秒差でQ3を逃す11番手に終わった。

ウィリアムズのカルロス・サインツは、チーム移籍後最も好調な予選を戦い8番手を記録。開幕から4戦目にして初めてチームメイトのアレックス・アルボンを上回った。フェラーリ移籍後、同じように苦戦の続くルイス・ハミルトンは9番手にとどまった。

角田裕毅、昇格後初のQ3進出─“赤旗の不運”乗り越え

レッドブルは週末を通して苦戦。角田に至っては最終プラクティスを最下位で終える厳しい状況に置かれていたが、昇格後初となるQ3進出を果たした。

Q1では、1回目のアタックで1分32秒096を記録するも、最終ターン15でトラックリミットを越えたとしてタイムが抹消に。フェルスタッペンも同コーナーでコースを大きく外れ、計測を完了できなかった。

両者ともに2セット目のソフトタイヤを投入し、フェルスタッペンは3番手タイムをマーク。角田もそれに続き、フェルスタッペンから0.448秒差の14番手でQ1を通過し、前戦日本GPに続いて2戦連続でQ2進出を決めた。

Q2で角田は、赤旗の影響で新品ソフトタイヤを1セット無駄にする不運に見舞われたが、セッション終盤の最終アタックで意地の走りを見せ、10番手タイムを記録。フェルスタッペンに0.209秒差まで迫り、ギリギリでQ3進出を果たした。

Q3では新品ソフトが1セットに限られたこともありタイムを伸ばし切れず、またフェルスタッペンとの差も0.880秒と拡大したが、10番グリッドを持ち帰り、レッドブルに今季初のダブルQ3進出をもたらした。

フェルスタッペンは予選全体を通じてブレーキに不満を抱え、Q1・Q2ともにギリギリで通過。Q3でもピアストリから0.6秒遅れの7番手にとどまった。

アルボン、Q1で無念の敗退も15番手に昇格─トラリミ裁定に波紋

開幕から3戦連続入賞中のアレックス・アルボン(ウィリアムズ)は、16番手で予選Q1敗退に終わったが、その後、ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)のタイムがトラックリミットにより抹消され、15番手へと昇格した。

Q1終盤、アルボンは15番手通過ラインのヒュルケンベルグにわずか0.042秒届かず、16番手でノックアウトした。これにより、今シーズン初めてチームメイトのサインツに予選で敗れた。

だが、Q1終了から約45分後、ヒュルケンベルグのラップ抹消が発表され、アルボンは15番手に繰り上がった。本来であればアルボンはQ2に出走できたわけだが、裁定が遅れたことそれは叶わなかった。

Q1でタイムが振るわなかった原因は準備にあった。アルボンは最終ラップに向け、長時間にわたりタイヤブランケットが外されたままガレージで待機。さらにアウトラップでは複数台を追い越さなければならず、アタック開始時にはタイヤが十分に温まっていなかった。

なお、Q1でトップ通過を果たしたノリスからアルボンまでは1秒以内の僅差。コンディションの変化とタイヤマネジメントの微差が明暗を分けたセッションだった。

ローソンはDRSトラブルでQ1敗退、ハジャーは12番手

リアム・ローソンは、Q1でDRS(ドラッグ・リダクション・システム)の不具合に見舞われた。一度は作動したものの、その後意図せず閉じるというトラブルが発生。これによりタイムを伸ばせず、17番手でQ1敗退を喫した。アイザック・ハジャーとの差は0.574秒に達した。

一方のハジャーは、安定したパフォーマンスでQ2へ。週末を通したパフォーマンスからQ3進出の期待が高かったが、惜しくも0.043秒届かず、12番手でセッションを終えた。

ハース失速─ベアマン最下位、オコンは赤旗事故

2戦連続でポイントを獲得していたハースにとっては厳しい結果となった。オリバー・ベアマンは20番手最下位に終わり、一方のエステバン・オコンはQ1を12番手で突破するも、Q2でクラッシュ。セッション残り11分1秒で赤旗が提示された。

クラッシュの原因は、ターン2の出口でマシンのバランスを失ったことにあり、オコンはカウンターステアで体勢を立て直そうとしたが間に合わず、車体後方からターン3のバリアに衝突した。マシンは大破し、オコンはその場で予選を終えることとなった。


決勝レースは日本時間4月13日(日)24時にフォーメーションラップが開始され、1周5412mのバーレーン・インターナショナル・サーキットを57周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2025年F1第4戦バーレーンGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 1:31.392 1:30.454 1:29.841 15
2 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:31.494 1:30.664 1:30.009 20
3 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:31.454 1:30.724 1:30.175 16
4 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス 1:31.415 1:30.716 1:30.213 20
5 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 1:31.462 1:30.643 1:30.216 19
6 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:31.107 1:30.560 1:30.267 18
7 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1:31.303 1:31.019 1:30.423 17
8 55 カルロス・サインツ ウィリアムズ・メルセデス 1:31.591 1:30.844 1:30.680 19
9 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ 1:31.219 1:31.009 1:30.772 18
10 22 角田裕毅 レッドブル・ホンダRBPT 1:31.751 1:31.228 1:31.303 17
11 7 ジャック・ドゥーハン アルピーヌ・ルノー 1:31.414 1:31.245 13
12 6 アイザック・ハジャー レーシングブルズ・ホンダRBPT 1:31.591 1:31.271 12
13 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 1:31.634 1:31.886 15
14 31 エステバン・オコン ハース・フェラーリ 1:31.594 8
15 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:32.040 6
16 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ザウバー・フェラーリ 1:32.067 17
17 30 リアム・ローソン レーシングブルズ・ホンダRBPT 1:32.165 6
18 5 ガブリエル・ボルトレート ザウバー・フェラーリ 1:32.186 6
19 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:32.283 9
20 87 オリバー・ベアマン ハース・フェラーリ 1:32.373 6

コンディション

天気晴れ
気温27℃
路面温度31℃

セッション概要

グランプリ名 F1バーレーンGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 バーレーン・インターナショナル・サーキット
設立 2004年
全長 5412m
コーナー数 15
周回方向 時計回り

F1バーレーンGP特集