ローソンの「DRS閉鎖」は故障に非ずとレーシングブルズ―”僅かな修正”が生んだ大きな代償

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リアム・ローソン(レーシング・ブルズ)は2025年F1第4戦バーレーンGPの予選で、Q2進出まであと0.125秒に迫りながらも、最終ラップでDRSが意図せず閉じたことでタイムを失い、僚友アイザック・ハジャーから0.574秒遅れの17番手でQ1敗退を喫した。

DRSが閉じたことがラップに影響したと思うか?との質問にローソンは「残念ながら、そうだと思う。Q1までは問題なかったのに」と答えた。

「何が起きたのか正確には分からないけど、ターン10の立ち上がりでホイールスピンがあって、その後DRSを開けたんだけど、すぐ閉じてしまったんだ。正直かなりフラストレーションが溜まる。最悪だ」

当初はDRSに機械的なトラブルが発生したと見られていたが、実際にはそうではなかった。チームの最高技術責任者であるティム・ゴスは、次のように状況を説明した。

「リアムはターン10の立ち上がりで軽くホイールスピンを喫し、その際、クルマをコントロールするためにわずかにスロットルを緩めた。これによってDRSが自動的に閉じてしまい、結果としてストレートでのスピードが伸びず、Q2進出を逃した」

DRSは、エンジン全開の加速中に空力抵抗を軽減するための装置だが、ドライバーがスロットルを戻すと、安全上の理由から自動的に作動を停止する仕組みとなっている。つまり、今回DRSが閉じたのはトラブルではなく、仕様に則った正常な作動だったということだ。

今回の予選では、ローソンの「僅かな修正」がQ1敗退という大きな代償を生み、ハジャーの「慎重すぎた判断」がわずかな差でのQ2敗退に繋がった。レーシング・ブルズにとっては、若手2人の「経験値」が結果に直結するセッションとなったといえる。

その分だけレースでは、彼らの“巻き返し力”が試されることになる。

「週末を通してクルマにはかなりのスピードがあったし、予選に向けてかなり良い状態に仕上げることができたと思うから、レースではポジションを上げられるはずだし、あとは、どこまで上がれるかだ」とローソンは自信をにじませた。


2025年F1バーレーンGP予選ではオスカー・ピアストリ(マクラーレン)がポールポジションを獲得。2番手にジョージ・ラッセル(メルセデス)、3番手にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続く結果となった。

決勝レースは日本時間4月13日(日)24時にフォーメーションラップが開始され、1周5412mのバーレーン・インターナショナル・サーキットを57周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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