キック・ザウバーC45フェラーリでコースを走行するニコ・ヒュルケンベルグ、2025年4月12日(土) F1バーレーンGP予選(バーレーン・インターナショナル・サーキット)

非を認めるFIA、F1バーレーン予選で”トラリミ誤審”―ウィリアムズ憤慨…アルボンQ2出走できず

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4月12日に行われた2025年F1第4戦バーレーンGP予選で、キック・ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグがトラックリミット違反を犯しながらQ1通過を果たした件について、国際自動車連盟(FIA)は「我々のミスだった」と公式に認めた。

見逃されたターン11のトラリミ

予選Q1でヒュルケンベルグは、ターン11で4輪全てがコース外に飛び出たものの、そのラップは有効とされ、Q2へと駒を進めた。だが、Q2終了後になってQ1のラップが正式に抹消され、16番手に降格となった。

これにより、ウィリアムズのアレックス・アルボンが15番手に繰り上がったが、すでにセッションは終了しており、本来出走する権利があったQ2を走ることができなかった。

憤慨するウィリアムズ

一件についてウィリアムズのチーム代表ジェームズ・ヴァウルズは、「これは単なる1ポジションの問題ではない。(Q2で走れていれば)もっと順位を上げられたかもしれない」と怒りをあらわにした。

「本当に苛立たしい。今のQ1は非常にタイトな戦いだ。アレックスのベストラップは完璧ではなかったが、それでも今日の我々のクルマにはトップ10に入れる力があった」

「結果として、ヒュルケンベルグが後ろに下がったのはいいとしても、我々は本来あるべきポジションよりも6〜8つも後ろにいる」

FIAが異例の声明「我々のミス」

予選終了から約4時間後、FIAは次の声明を発表し、ターン11に対する監視体制の優先度が不十分だったと釈明した。

「いくつかのコーナーは“トラックリミット・ホットスポット”として、常時ライブで優先的にモニタリングされている。今回は過去のセッションを踏まえて、ターン11を重点監視エリアに設定しなかった。しかし、今にして思えば、優先順位をもっと高く設定すべきだった」

「ターン11のようなエリアではチェックに通常より時間がかかる。そのため、Q2開始前に調査を終えることができなかった。だが、問題を確認した時点で直ちに対応を開始した」

「我々は今後、人的リソースやシステム、業務プロセスの強化を進めていく。この件については、我々のミスだった」

相次ぐトラックリミットに対処するために、FIAはサッカーのVARに似たシステムを導入しており、スイス・ジュネーブに設置された専用拠点で、現地スチュワードを支援する形でリアルタイム監視を実施している。


2025年F1バーレーンGP予選ではオスカー・ピアストリ(マクラーレン)がポールポジションを獲得。2番手にジョージ・ラッセル(メルセデス)、3番手にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続く結果となった。

決勝レースは日本時間4月13日(日)24時にフォーメーションラップが開始され、1周5412mのバーレーン・インターナショナル・サーキットを57周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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