
角田裕毅「焦るつもりはない」反転攻勢の昇格後初Q3、着実に改善―レッドブル首脳陣も称賛
2025年F1第4戦バーレーンGPの予選が4月12日、バーレーン・インターナショナル・サーキットで開催され、レッドブル・レーシングの角田裕毅が見事Q3進出を果たし、10番グリッドを獲得した。
予選トップ10入りは、レッドブル昇格後では初。また、チームとしてもマックス・フェルスタッペンが7番手を記録し、今季初のダブルQ3進出となった。週末を通して困難な状況に直面していた角田にとっては、大きな前進と言える結果だった。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
レッドブルRB21でコースを走行する角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年4月12日(土) F1バーレーンGP予選(バーレーン・インターナショナル・サーキット)
苦境からのリカバリー「ジェットコースターのような週末」
予選に至るまでの角田の週末は、文字通り波乱万丈だった。最終プラクティスでは最下位に沈み、マシンのグリップや操作性に苦しんだ。予選を終えた角田は、「大きくリカバリーすることができました」と振り返った。
「今週は本当にジェットコースターみたいにアップダウンの激しい展開でした。プラクティスの結果だけ見たら、正直まったくダメだったので、そこからのリカバリーとしては良かったと思います」
「今日のクルマは扱いが楽ではなく、例えばマックス(フェルスタッペン)が予選で7番手に終わるというのも珍しいことなので、その中でQ3に行けたのは悪くないと思います。でも、もちろんドライバーとしては、もっと上を狙いたいという気持ちはあります」
チーム代表のクリスチャン・ホーナーは「ユーキはプラクティスから着実に前進を遂げており、一歩一歩、クルマからパフォーマンスを引き出せるようになってきている。Q3進出も素晴らしい仕事だった」と評価した。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
予選を前にガレージ入りする角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年4月12日(土) F1バーレーンGP(バーレーン・インターナショナル・サーキット)
土壇場の突破劇─Q1・Q2をギリギリで通過
Q1ではターン15のトラックリミット違反で最初のアタックが無効となるも、2回目の走行で14番手に滑り込み通過。Q2でも赤旗で新品タイヤを1セット失いながら、最後の1周にすべてを賭け、ギリギリ10番手でQ3進出を決めた。
レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、トラックリミットにより劣勢に置かれたことに触れ、「それでも冷静さを失わず、着実にタイムを伸ばしていった。それこそが我々が彼に期待している姿だ」と称賛した。
Q3では残されたソフトタイヤが1セットのみという状況下で1本勝負に挑んだが、ターン10でのミスも響き、フェルスタッペンとの差は0.880秒と開いた。それでも堂々の10番グリッドを確保し、今季初のダブルQ3進出をチームにもたらした。
「あまりグリップが感じられず、正直、最後のラップはちょっと謎でした。ターン10では大きなミスもありましたが、全体を通して見れば、Q3に行けたのは良かったと思います」と角田は振り返った。
「曲者RB21」への試行錯誤続くも焦らず
レッドブルRB21について角田は、「クルマ本来の力を発揮できる”ウインドウ”がすごく狭く、その中に安定して収められるように、今はまだ、いろんなことを試している段階」であるとして、今なお苦戦し続けている状況だと認めた。
その一方で、「正直まだ2戦目なので、焦るつもりはありません。セッションとしても、これがまだ6回目くらいなので」と語り、「それを踏まえれば、ここまで進めたのは良かったと思います。あとは今まで通り、自分のやるべきことをやっていくだけです」と意欲を示した。
決勝への展望「自信は…まあまあ」
決勝と同時間帯に行われたFP2ではロングランペースに不安を残したが、角田は「クルマのセットアップは今と違いますし、自分の走りも完璧ではなかった」と分析する。
決勝に向けては「自分とクルマの両方を、もう少し調整する必要がある」とした上で、「自信は…すごくあるわけではないけど、まあまあです」と締めくくった。
2025年F1バーレーンGP予選ではオスカー・ピアストリ(マクラーレン)がポールポジションを獲得。2番手にジョージ・ラッセル(メルセデス)、3番手にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続く結果となった。
決勝レースは日本時間4月13日(日)24時にフォーメーションラップが開始され、1周5412mのバーレーン・インターナショナル・サーキットを57周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。