
フェルスタッペン「深刻な問題」を抱え今季ワーストの7番手―”迷走”するレッドブル、漂う手詰まり感
2025年F1第4戦バーレーンGPの予選で、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンがまさかの7番手に沈んだ。今季予選ワースト――ブレーキングにおける「深刻な問題」と一貫性を欠いたマシン挙動に苦しみ、週末を通じて続く難局がそのまま予選結果に反映された格好だ。
ブレーキの“感覚がない”─未解明の問題に苦悩
「週末を通してずっとタフだった」
フェルスタッペンはそう予選を振り返り、「理由は分からないけど、ずっとブレーキに苦しんでいて、そのフィーリングというか、制動の感覚がつかめなかった」と明かした。
ブレーキペダルへの入力と制動力のズレが終始ドライビングに影響し、「調査が必要」と語るほどに症状は深刻だった。
ドライバーにとって、ブレーキのフィードバックは限界域での走行において最も重要な要素のひとつだ。それを欠いた状態で、わずかな差が明暗を分けるQ3でポールポジションを争うのは、事実上、不可能と言っても過言ではない。
レッドブルのモータースポーツ・アドバイザー、ヘルムート・マルコもこの症状を「深刻な問題」と断言。チームメイトの角田裕毅のマシンには発生しておらず、フェルスタッペンの1号車特有の不具合であることを認め、ブレーキの問題がなければ「3番手か4番手を獲得できていただろう」と付け加えた。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
予選7番手を経てパルクフェルメで前方を見つめるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2025年4月12日(土) F1バーレーンGP(バーレーン・インターナショナル・サーキット)
タイヤも「全く機能せず」迷走するセッティング
ブレーキの問題に加えて、グリップ不足も深刻だった。タイヤを適正な作動温度に持ち込めず、様々なセッティングを試したものの結果が伴うことはなかった。チーム内には手詰まり感が漂っている。
「ラップを通してグリップの出方がかなり不安定で、タイヤを上手く機能させることができていなかったように思う」とフェルスタッペンは述懐する。
「だからセッティングも色々試したんだ。左右上下と、文字通りあらゆる方向を試してクルマを振り回してみたけど、残念ながらどれも明確な答えを与えてくれなかった」
レース展望「どうなるか予想がつかない」の一方で…
7番グリッドから迎える決勝レースについて、フェルスタッペンは「正直、どうなるか予想がつかない」としつつも、マクラーレンのペースには太刀打ちできないと明言した。
「過去にはデグラデーションの大きいサーキットでうまくやれていたけど、今日のバランスだと苦戦は避けられないと思う」とフェルスタッペンは語る。
「でも前を見ていくしかない。少しでも前のクルマを抜いていけたらと思ってる。マクラーレン勢は速すぎると思うけど、それ以外のマシンなら付いていけるかもしれない」
フェルスタッペンの前方には、ポールポジションのオスカー・ピアストリ(マクラーレン)を筆頭に、2番手のシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3番手のジョージ・ラッセル(メルセデス)が並ぶ。
4番グリッドにはアルピーヌのピエール・ガスリーがつけており、デグラデーションの進行次第では、フェルスタッペンが序盤のターゲットとすべき相手のひとりになるだろう。
また、タイトル争いの筆頭ライバルであるランド・ノリス(マクラーレン)は、フェルスタッペンの1つ前、6番グリッドからのスタート。決勝ではこの“直接対決”にも注目が集まる。
2025年F1バーレーンGP予選ではオスカー・ピアストリ(マクラーレン)がポールポジションを獲得。2番手にジョージ・ラッセル(メルセデス)、3番手にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続く結果となった。
決勝レースは日本時間4月13日(日)24時にフォーメーションラップが開始され、1周5412mのバーレーン・インターナショナル・サーキットを57周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。