
角田裕毅の2ndシート、2026年に向け「全方位検討」も辞さないホーナー
2025年F1第12戦イギリスGPの初日を迎えた7月4日、レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表が、角田裕毅のセカンドシートに関するチームの方針を明確に示した。
ホーナーは、角田の今季末までの起用を明言しつつも、2026年に向けては「最良のドライバーラインナップ」を確立することが目標であると強調し、“内部昇格”に限らず“外部招聘”の可能性も排除しない姿勢を示した。
角田、今季末までの起用は確定
ホーナーは「ユーキには今季いっぱい、自分がそのシートに相応しいことを示す時間が与えられている」と述べ、今シーズン末までの起用は既定路線であると明言しつつ、来季以降については現時点で白紙であることを明確にした。
角田は現在、RB21への適応に苦戦しており、ドライバーズランキングでは17位と低迷している。これは、レーシング・ブルズに所属するリアム・ローソンやアイザック・ハジャーをも下回る成績で、4名のレッドブルドライバーの中で最下位という状況だ。
育成重視も「外部起用」の余地
レッドブルは長年にわたり、自前のジュニアプログラムからF1ドライバーを輩出してきたチームであり、2026年のセカンドシートについても、まずは自らの“ドライバーズプール”を「優先」する方針だ。
ホーナーは、ハジャーとローソン、そしてFP1で角田に代わって走行したアーヴィッド・リンブラッドに言及し、「層の厚さ」と「才能」を強調。これら若手ドライバーが、次の候補であると述べた。
しかしながら、2020年末にセルジオ・ペレスを外部から招聘したように、「必要とあらば恐れずに外部起用も行う」とも明言。また、「常に外部にも目を向けている」とも付け加え、角田の将来が、レッドブル育成生との“内部競争”だけでは決まらないことを明確にした。
フェルスタッペンの動向次第で状況は一変
2026年に向けたドライバーズマーケットにおいて、最大の注目株はマックス・フェルスタッペンの去就だ。現在、メルセデスとの交渉が取り沙汰されており、仮に両者が合意に至った場合、ジョージ・ラッセルがシートを失うと見られている。
フェルスタッペンが契約解除を決断した場合、ラッセルが現実的な後任候補になるのかとの問いに対し、ホーナーは「現時点でジョージとは一切話をしていない」と明言したうえで、「それでも彼がマーケットに残っているという事実は注目に値する」と述べた。
仮にフェルスタッペンがチームを離れるような事態となれば、レッドブルのドライバーラインナップ全体が再検討されることになり、角田の立場にも変化が生じる可能性がある。