
角田裕毅に新天地? 2026年キャデラックF1候補に浮上か―レッドブルでの苦境の最中
2026年のF1新規参戦を予定しているキャデラックが、角田裕毅をドライバー候補として検討している可能性をオランダの専門メディア『RacingNews365』が報じた。レッドブル昇格後に苦戦を強いられている角田にとって、この移籍話は救世主となるのだろうか。
レッドブルでの厳しい現実
今季第3戦日本GPでリアム・ローソンに代わってレッドブル昇格を果たした角田だが、その後の戦いは非常に厳しいものとなっている。作動ウインドウの圧倒的な狭さから問題児とされる「RB21」への適応に苦戦し、これまで9レースで入賞はわずか3回、ベストリザルトも9位にとどまっている。
チームメイトのマックス・フェルスタッペンが一貫して上位を争う中、両者の差は歴然としている。レッドブル首脳陣はシーズン途中での解雇はないと明言しているものの、レーシング・ブルズの新人アイザック・ハジャーの台頭もあり、角田の来季シートには暗雲が立ち込めている。
若さと実績を兼ね備えた唯一の存在
そんな角田にとって、キャデラック移籍は起死回生のチャンスとなり得る。
角田はまだ25歳ながらも、既に100戦以上のレース週末を経験しており、F1での実戦経験は十分。それでいて成長途上であり、知名度も兼ね備えている。
現在の候補者リストには、経験豊富なセルジオ・ペレスやバルテリ・ボッタスが最有力として名を連ねているとされるが、両者にはない角田の強みとして、2025年シーズンを戦う現役F1ドライバーである点が挙げられる。
他にはフェリペ・ドルゴヴィッチや周冠宇、ジャック・クロフォード、ジャック・ドゥーハンなどの名前が上がっているが、若さと実績という点で角田以上の存在はいない。
イギリスGPが運命の分かれ道?
キャデラックの動きは加速している。チーム代表のグレアム・ロードンと、運営を担うTWGのCEOダン・トーリスが、今週末のF1イギリスGPに合わせて現地入りし、複数のドライバー関係者との会談を予定しているとされる。
情報の出所や詳細が明らかにされていないため信憑性には疑問が残るものの、候補入りとの報道が事実であれば、角田もこの重要な会談に出席する可能性があると考えられる。
このままレッドブルで結果が振るわない状況が続く場合、レーシング・ブルズへの“出戻り”の可能性が極めて低いことを踏まえると、新天地でキャリアを再構築することは、角田にとって現実的な選択肢となり得る。
キャデラックは何を求めているのか?
興味深いのは、パドックでの情報の変化だ。今春まではペレスが”最有力候補”と目されていたが、本人の交渉への関与が不透明な状況が続き、現在はボッタスを第一候補とする交渉が進んでいるとされる。
キャデラックが経験豊富な2名体制を選ぶのか、それとも若手とベテランの組み合わせを採るのかは明言されていない。参考になるのは、同じく新規参戦するアウディの戦略だ。同チームはベテランのニコ・ヒュルケンベルグと若手のガブリエル・ボルトレートという組み合わせを選択している。