パドックでチームメンバーと話をするクリスチャン・ホーナー(レッドブル代表)、2025年5月17日(土) F1エミリア・ロマーニャGP(イモラ・サーキット)

嘆くホーナー「酷いレース」レッドブルの77戦連続入賞が終焉―角田は最下位、フェルスタッペンはDNF

  • Published:

6月29日に開催された2025年F1第11戦オーストリアGP。これまで幾多の勝利を刻んできたホーム、レッドブル・リンクで、レッドブル・レーシングは悪夢のような現実を突きつけられた。

エースのマックス・フェルスタッペンはまさかの1周目リタイア、角田裕毅も最下位の16位完走に終わり、チームは77戦連続入賞という記録をここで止めることとなった。フェラーリの持つ歴代最長記録「81戦」まで、あと4戦に迫る中での出来事だった。

チーム代表ホーナー嘆く

「最悪のレースだった」――レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、こう振り返った。特にフェルスタッペンのリタイヤについては、運の悪さを強調する。

「ターン3でマックス(フェルスタッペン)が何も悪くないのに巻き込まれたのは、本当に運が悪かった。彼はいいスタートを決めて、ポジションも上げていたところだった」

フェルスタッペンは、ターン3でリアタイヤをロックさせたアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)に衝突され、1周すら完走することなくレースを終えることになった。まさに青天の霹靂だった。

マクラーレンの独壇場も「表彰台は狙えた」

フェルスタッペン不在となったレースは、マクラーレンの独壇場となった。だがホーナーは、仮に1周目の接触がなくても優勝争いは厳しかったと冷静に分析する一方、表彰台の可能性は十分にあったと悔しさを滲ませた。

「残念ながら、今日の僕らはマクラーレンとは戦えなかったかもしれないが、フェラーリとはかなり接戦になっていたはずだ」

角田も大苦戦、4戦連続無得点の屈辱

日本人ドライバー角田裕毅にとっても、非常に厳しいレースとなった。完走こそしたものの、「初めてF1マシンをドライブしているかのような」異常なペース不足に苦しんだ。

さらに不運は続く。フランコ・コラピント(アルピーヌ)との接触でフロントウイングにダメージを負い、余計なピットストップを強いられた上、10秒ペナルティまで科されてしまった。結果は最下位16位で、4戦連続のノーポイントという屈辱的な結果に終わった。

「ユーキに関しては、またしても良いレースにならなかった。フロントウイングのダメージ、そしてペナルティなど、残念ながら我々にとって忘れるべき週末になってしまった」とホーナーは失望を隠さなかった。

一方で、RB21は作動ウィンドウが極めて狭いことで知られており、角田はその適応に依然として苦しみ続けている。ただ、レッドブルのマシンが「扱いにくい」とする指摘は以前から存在していた。

この点について、ホーナー代表は「我々のクルマは、長年にわたって積み重ねてきた開発の流れの中で進化してきたものだ。確かに、簡単に乗れるマシンではない。だが、そこまで難しいというわけでもない」と語り、角田がマシンを乗りこなせるよう、今後もチームとして支援を続けていく姿勢を強調した。


2025年F1第11戦オーストリアGPでは、ランド・ノリスがポール・トゥ・ウインを飾り、オスカー・ピアストリが2位と、マクラーレンが1-2フィニッシュを達成。3位表彰台にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続く結果となった。

伝統のシルバーストン・サーキットを舞台とする次戦イギリスGPは、7月4日のフリー走行1で幕を開ける。

F1オーストリアGP特集