
F1オーストリアGP:アントネッリに次戦降格ペナ、フェルスタッペンの連続完走記録が31戦で終了
2025年F1第11戦オーストリアGPの1周目に発生した衝撃的な接触事故を受け、デレク・ワーウィックを含む4名のスチュワードは、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)に次戦での3グリッド降格ペナルティを科す決定を下した。
アントネッリに追突されたことで、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は開始早々にリタイアを余儀なくされた。これにより、2024年オーストラリアGP以来続いていた31戦連続完走という驚異的な記録がついに途絶えることとなった。
衝撃的な1周目リタイヤ、吐き捨てるマックス
レース開始直後、アントネッリはターン3でタイヤをロックアップ。イン側に飛び込んだものの減速しきれず、フェルスタッペンに激突した。結果、両者ともにその場でリタイアという衝撃的な幕開けとなった。
タイトル争いの渦中にいるフェルスタッペンにとっては、極めて大きな痛手。怒りを抑えきれなかった王者は、無線で「終わった。とんでもない衝撃で当てられた。クソみたいな馬鹿野郎め」と吐き捨てた。
一方、アントネッリも直後に無線で「ごめん、リアをロックさせてしまった」とチームに謝罪。その後のインタビューでは、「完全に僕の責任。申し訳ない気持ちでいっぱいだ。自分のレースを終わらせたのはもちろんだけど、マックスのレースも終わらせてしまったから」と神妙な面持ちで語った。
1周目のインシデントも「3グリッド降格処分」
一件についてアントネッリは、意図的にブレーキングを遅らせたわけではないと釈明した。
「前にはスペースがないのは分かっていたから、何か仕掛けようとしたわけじゃないんだ。でもブレーキ踏んだ瞬間にリアがロックして、コントロールを失ってしまった」
「まずは前にいたレーシング・ブルズを避けようとしたんだけど……止まりきれず、運悪くマックスに当たってしまった。チームにも彼にも本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ」
スチュワードは、リアム・ローソン(レーシング・ブルズ)との衝突を避けるために「ダスティなイン側ライン」に乗ったことによりアントネッリがグリップを失い、その結果として減速が不十分だったことが接触の主因と判断した。
一般的に、1周目のアクシデントに対しては寛大な裁定が下される傾向があるが、本件に関しては「他車の影響を受けたものではない」とし、アントネッリに「全責任」があるとの判断が下された。
スチュワードはまた、「無謀な突っ込みによるものではなく、ロックアップ後の回避行動の結果」と結論付け、次戦での3グリッド降格処分を科すとともに、アントネッリにF1キャリア初となる2点のペナルティポイントを加算した。
アントネッリがグリッド降格処分を受けるのはこれが2度目。初回はバーレーンGPで、赤旗中断からのセッション再開時刻の正式通知前にファストレーンへ進入したとして1グリッド降格の処分を受けている。
2025年F1第11戦オーストリアGPでは、ランド・ノリスがポール・トゥ・ウインを飾り、オスカー・ピアストリが2位と、マクラーレンが1-2フィニッシュを達成。3位表彰台にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続く結果となった。
伝統のシルバーストン・サーキットを舞台とする次戦イギリスGPは、7月4日のフリー走行1で幕を開ける。