ノリス混乱「分からない」連呼―余裕なくピアストリにも無関心、選手権リーダーがまさかの6番手

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2025年F1第4戦バーレーンGP予選では、マクラーレン内における明暗がくっきりと分かれた。オスカー・ピアストリが今季2度目のポールポジションを獲得した一方、チームメイトのランド・ノリスは6番手に沈み、予選後には「分からない」と連呼するなど、深刻な不調にあることをうかがわせた。

ノリスは、金曜のフリー走行1でトップタイムを記録。以降もトップ2を維持していたが、肝心の予選Q3最終ラップでリズムを完全に失い、ピアストリから0.4秒以上離される結果に終わった。

F1マシン初体験のようだ―ノリスの戸惑いと焦燥

不調の原因すら把握できていないことが、事態の深刻さを物語る。「ただ、速さがなかった。今週末はずっとダメだった。正直、毎ラップおかしかったし、ずっとクルマに馴染めなかった」とノリスは振り返る。

「これまで一度もF1マシンをドライブしたことがないような気分だ。なぜなのか分からないけど、かなり苦労している。答えを見つけ出さなきゃならない」

「特に大きな不満があるわけじゃないんだ。クルマ自体は素晴らしいし、シーズンを通して見てもすごく良い状態だと思う。ただ、僕自身がまったく乗れてない。理由は分からない。本当に何も見えてこない。もう頭をリセットしないとダメだと思う」

さらに、「どうアプローチすればいいか分からない。毎回いろいろ試してみるんだけど、あるセッションでは上手くいっても、次のセッションでは風向きが変わってダメになる。その繰り返しなんだ」とも明かし、自らの混乱を率直に語った。

圧巻ポールのピアストリ、気に掛ける余裕なし

一方、ピアストリは1分29秒841というタイムで堂々のポールポジションを獲得。フェラーリのシャルル・ルクレールやメルセデス勢、アルピーヌのピエール・ガスリーを寄せ付けなかった。

ノリスはチームメイトの速さを認めつつも、今はそれに目を向ける余裕がないと語る。

「オスカーが速いことは知ってるし、彼がこのクルマで良い仕事をするのも分かってた。だから、彼のポールは当然の結果だと思う。ただ、僕自身のことで今は手一杯で、他のことを気にしてる余裕はないんだ」

「正直、勝てる気がしない」巻き返しに向け

マクラーレンのザク・ブラウンCEOは「ランドは最高のレースドライバーの一人だ。明日は新しい一日だし、彼には素晴らしいレースカーがある」と語り、日曜のレースでの挽回に期待を寄せた。

「今日は第1セクターで少しミスがあっただけだ。それだけでこれだけ差が出てしまうのがF1という競技だ」とも付け加え、ノリスの実力に疑いはないと強調した。

日曜の決勝レースでノリスは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の1つ前、6番グリッドからスタートする。ノリスは現在、フェルスタッペンに1点差でドライバーズ選手権をリードしている。

「明日は勝ちたいけど、正直、勝てる気がしない。表彰台を目指すのがせいぜいってところかな。オスカーが全員を周回遅れにしそうだし、僕は2位を狙うしかないね」とノリスは語り、今の自らの立ち位置を皮肉交じりに表現した。


2025年F1バーレーンGP予選ではオスカー・ピアストリ(マクラーレン)がポールポジションを獲得。2番手にジョージ・ラッセル(メルセデス)、3番手にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続く結果となった。

決勝レースは日本時間4月13日(日)24時にフォーメーションラップが開始され、1周5412mのバーレーン・インターナショナル・サーキットを57周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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