2020年 F1新車発表及びテストスケジュールとチーム別マシン開発状況
現行レギュレーション最後のシーズンとなる2020年のFIAフォーミュラ1世界選手権。全10チームの新型F1マシンの発表スケジュール及び、3月15日の開幕オーストラリアGP前に行われるバルセロナ公式テストの日程を以下にまとめる。レッドブル・ホンダは2月12日(水)に新車「RB16」を、アルファタウリ・ホンダは14日(金)に新車「AT01」をそれぞれ発表する。
2020年 F1新車発表日程とマシン開発状況
ローンチイベントは概ね、日本時間夕方17時以降の発表となる見通し。日時が明らかになり次第更新する。下記情報はすべて日本時間。実車発表はまだであるものの、メルセデスはW11のリバリーを、ハースはVF-20のレンダリングをそれぞれ先行公開している。
日付 | チーム | シャシー | 時間 | 場所 |
---|---|---|---|---|
2/11(火) | フェラーリ | SF1000 | 26:30 | イタリア・マラネロ |
2/12(水) | ルノー | R.S.20 | 22:00 | フランス・パリ |
レッドブル | RB16 | 18:00 | イギリス・シルバーストン | |
2/13(木) | マクラーレン | MCL35 | 22:30 | イギリス・ウォーキング |
2/14(金) | アルファタウリ | AT01 | 28:00 | オーストリア・ザルツブルク |
メルセデス | W11 | 17:30 | イギリス・シルバーストン | |
2/17(月) | レーシングポイント | RP-20 | 22:30 | オーストリア・モンゼー |
ウィリアムズ | FW43 | 17:00 | オンライン | |
2/19(水) | アルファロメオ | C39 | 16:15 | スペイン・バルセロナ |
ハース | VF-20 | 16:00 | スペイン・バルセロナ |
2月11日 / フェラーリ
一番最初に新車をお披露目したのは、昨季コンストラクター2位のスクーデリア・フェラーリ。コードネーム671として開発された新型マシンは「SF1000」と命名され、本拠地マラネッロ近郊のロモロ・ヴァリ市営劇場にてアンベイルされた。イベントの模様は各種SNSを通して全世界に無料ライブ配信された。
タイトル争いのためには中低速のパフォーマンス改善が必須。フェラーリは今季マシンの開発に際してレッドブル並のレーキ角を追求しているとされるが、風洞での成果が好ましくないようで、エンジニアが途方に暮れているとも噂されている。新設のシミュレーターの稼働開始が開幕後の春先、という不安要素も。
2月12日 / レッドブル・ホンダ、ルノー
跳馬に続いたのは、今季優勝候補のレッドブル・ホンダ。チームは12日に新車「RB16」のレンダリングイメージを公開し、その後、マックス・フェルスタッペンがステアリングを握り、英国シルバーストン・サーキットでシェイクダウンを実施した。
顧問を務めるヘルムート・マルコはこれに先立って「準備は非常に順調。前年と比較してスケジュールは前倒しで進んでいる。これまではシーズン開幕前に時間を無駄にしていた点が我々の弱点だったが、その点は改善された」と述べ、開幕オーストラリアGPからのスタートダッシュに楽観的な姿勢を示している。
同じ日には、昨季コンストラクター5位のフランスのワークスチームが、パリ・シャンゼリゼ通りのショールームにて記者会見を行い、2020年型マシン「R.S.20」の”リバリーの一部”をワールドプレミアした。
ワークス復帰5年目の正念場を迎えるルノーは、トップチームに迫るパフォーマンスが発揮できなければ、2021年以降のF1参戦継続も危うしという状況。この大事なシーズンにチームは、ダニエル・リカルドのチームメイトとして、エステバン・オコンを新たに起用する。
2月13日 / マクラーレン
昨年の選手権で最も大きな飛躍を遂げたマクラーレンは、2月13日に本拠地ウォーキングにて新車「MCL35」を発表。その模様はライブ配信された。ドライバーラインナップに変更はなく、チーム上層部はカルロス・サインツとランド・ノリスの続投を決定。優勝争いのためにはまだ3・4年は必要と考えており、今季は選手権4位の防衛がターゲットとなる。
2月14日 / メルセデス、アルファタウリ
バレンタインデーには新生アルファタウリ・ホンダと王者メルセデスAMGが発表を行った。
旧スクーデリア・トロロッソは、レッドブルの本拠オーストリア・ザルツブルクに位置するイベント施設「ハンガー7」にて、マシンだけでなく新チーム誕生を高らかに宣言した。昨季レッドブルRB15の前後サスペンションをはじめとして、新車「AT01」にはRed Bull Technologyを介して各種コンポーネントが供与される。
ダブルタイトル7連覇の歴史的偉業に挑戦するシルバーアローは、10日にイネオス社との契約発表イベントを行い、その場で新車「W11」のリバリーを先行公開。14日にはシルバーストンでシェイクダウンを実施し、プレビューイベントをライブ配信した。
2月17日 / レーシングポイント、ウィリアムズ
ローレンス・ストロール体制での2シーズン目を迎えるレーシングポイントF1チームは、タイトルスポンサーである水処理技術の大手メーカー「BWT」の本社(オーストリア・モンゼー)で、2月17日に新車「RP20」の発表イベントを開催。最新のリバリーがお披露目された。
2021年よりアストンマーチンへと改称するレーシングポイントとは異なり、ウィリアムズは大掛かりなイベントを行わず、現地午前8時(日本時間17時)にオンライン上で新車「FW43」の画像を公開。更にその後、カタロニア・サーキットでシェイクダウンを実施した。
2月19日 / アルファロメオ、ハース
開発ドライバーにロバート・クビサを起用し、ポーランドの石油大手PKNオルレンとのタイトルスポンサー契約を締結したアルファロメオ・レーシングは、バルセロナテスト初日の現地時間朝8時15分より、カタロニア・サーキットのピットレーンにて2020年型F1マシン「C39」を披露した。
ザウバー・モータースポーツの新作「C39」は空力効率改善のためにアグレッシブな設計のノーズを備えるなど、昨季とは異なるコンセプトを採用するものとみられている。
アルファロメオの発表15分前には、アメリカ合衆国ノースカロライナ州カナポリスに本拠を構えるハースF1チームが同じくピットレーンにて新車「VF-20」をアンベイルした。
2020年 F1バルセロナテスト開催日程
© Getty Images / Red Bull Content Pool、カタロニア・サーキットで開催された2019年のバルセロナテスト
プレシーズンテストは例年通り、スペインのカタロニア・サーキットで開催されるが、レギュレーションの変更によって日程が従来の8日間から6日間へと削減された。今年は2月19日(水)から21日(金)までの3日間と、2月26日(水)から2月28日(金)までの3日間の日程となる。なおインシーズンテストは廃止される。
各日共に、現地時間の9:00〜13:00(日本時間=17:00~21:00)の午前の部と、14:00〜18:00(日本時間=22:00~26:00)の午後の部の2回のテストセッションが開催される見通しだ。
公式タイヤサプライヤーのピレリは、昨年1年間を通して2020年仕様のコンパウンドの開発を進めていたものの、チーム側から批判が相次いだ事を受けて多数決を取った結果、2019年スペックがそのまま継続使用される事が決定している。
テスト | 日時 | 結果 |
---|---|---|
プレシーズンテスト1 | 2月19日(水) | 初日結果 |
2月20日(木) | 2日目結果 | |
2月21日(金) | 3日目結果 | |
プレシーズンテスト2 | 2月26日(水) | 4日目結果 |
2月27日(木) | 5日目結果 | |
2月28日(金) | 6日目結果 |