カタロニア・サーキットを走行するアルファロメオ・レーシングのキミ・ライコネン、2020年F1バルセロナテスト2日目
copyright Pirelli & C. S.p.A.

F1バルセロナテスト《2日目》総合結果:初の赤旗…ホンダ勢 計281周を走破、ライコネンが最速

  • Published:

2020年F1バルセロナテスト2日目のセッションが2月20日(木)にカタロニア・サーキットで行われ、アルファロメオのキミ・ライコネンが最も柔らかいC5コンパウンドを履き、1分17秒091のトップタイムを記録した。ホンダエンジン勢は、ランチブレイク前後にエンジン交換を強いられたものの、それを除けば大きな問題はなく合計281周を走り込んだ。

晴天に恵まれたテスト2日目のバルセロナ。セッションは気温5℃、路面温度10℃と初日よりも更に寒いコンディションでグリーンフラッグを迎えた。規約が安定しているとあって高い信頼性を発揮してきた今季マシンだが、チェッカーフラッグを目前に、初のレッドフラッグが振られた。

カタロニア・サーキットのホームストレート、2020年F1バルセロナテストにて
© Williams

路面にラバーも乗り、レースシミュレーションが一段落したセッション残り1時間のところで、ライコネンがタイムシートのトップに立つも、時計の針が残り20分を切った直後にターン8の先でマシンストップ。車両回収のために赤旗が振られた。メカニカルトラブルとみられる。今年41歳を迎えるフィンランド人ドライバーはこの日、単独で134周を走り込んだ。

2番手タイムはレーシングポイントのセルジオ・ペレス。こちらも1人で「RP20」を駆って145周を走り込み、C3タイヤでライコネンの0.256秒落ちを計測した。3番手はルノーのダニエル・リカルド。タイムこそ悪くないが、この日のルノーは一日を通してかなりの走行時間をロスした。

リカルド曰く、午前中はエンジンの点火に問題があったとのことだが、午後を担当したエステバン・オコンもガレージ内に閉じこもる場面が目立ち、リカルド41周、オコン52周のトータル93周に留まった。

カタロニア・サーキットを走るレッドブル・ホンダのアレックス・アルボン、2020年F1バルセロナテスト2日目
© Getty Images / Red Bull Content Pool、サーキットを走るレッドブル・ホンダのアレックス・アルボン

ホンダエンジン勢は今日もマイレージを積み上げた。初めてRB16のステアリングを握ったレッドブルのアレックス・アルボンは、134周を走り込んで4番手タイムをマーク。アルファタウリのピエール・ガスリーも147周と精力的に走行を続け、最終5番手タイムでクルマを降りた。

ホンダとしては合計281周分のデータを手にした事になるが、田辺豊治テクニカル・ディレクターによると、ランチブレイク中に急遽エンジン交換を強いられる場面があったという。

レースシミュレーションに取り組むメルセデスAMG、2020年F1バルセロナテスト2日目
© Pirelli & C. S.p.A.

チームとして最も多く走り込んだのは初日に続きまたもメルセデス。午前を担当したルイス・ハミルトンは僅か4時間で106周の大台超えを達成。午後を担当したバルテリ・ボッタスも77周と、2人合わせて183周に達した。ただし全てが順風満帆だったわけではない。ボッタスはERSに問題が発生したために、チェッカーフラッグまで40分を残してクルマを降りた。

ある意味、この日最も多くの注目を集めたのはメルセデスであった。W11のステアリングに搭載された「DAS」と呼ばれるトリックの存在が明らかとなり、昼のFIA会見ではテクニカル・ディレクターのジェームス・アリソンが直々にこのシステムの触りを説明した

スクーデリア・フェラーリはこの日、インフルエンザに似た症状を訴えていたとされるセバスチャン・ベッテルが初めてコースに登場。午前のシャルル・ルクレールからSF1000のステアリングを引き継いだベッテルは、黙々と73ラップを積み上げて6番手タイムを記録。ルクレールの0.181秒前に立った。

マクラーレンとハースは、計122周に終わった跳馬を上回る距離を走り込んだ。パパイヤオレンジのMCL35をドライブしたランド・ノリスは137周の10番手タイムを記録。ウォーキングのチームのピットウォールには、2度のワールドラリーチャンピオンであるサインツSr.の姿もあった。

ロマン・グロージャンの方は更に多い158周を走り込み、充実の一日を過ごすかに思われたが、セッション終盤にターン4でオーバーステアに見舞われ、車体後部からバリアに軽く接触。リアウィングの翼端板とフロアにダメージを負ったため、 早々にプログラムを切り上げた。

ウィリアムズはジョージ・ラッセルが116周を走って7番手タイムを残した。

第1回プレシーズンテストの最終3日目は、2月21日(金)現地9時、日本時間17時からスペインのカタロニア・サーキットで開催される。

F1バルセロナテスト《2日目》総合結果

Pos Driver Time Gap Tyre Laps
1 キミ・ライコネン
Alfa Romeo
1:17.091 C5 134
2 セルジオ・ペレス
Racing Point
1:17.347 + 0.256 C3 145
3 ダニエル・リカルド
Renault
1:17.749 + 0.658 C3 41
4 アレックス・アルボン
Red Bull
1:17.912 + 0.821 C2 134
5 ピエール・ガスリー
AlfaTauri
1:18.121 + 1.030 C2 147
6 セバスチャン・ベッテル
Ferrari
1:18.154 + 1.063 C4 73
7 ジョージ・ラッセル
Williams
1:18.266 + 1.175 C3 116
8 シャルル・ルクレール
Ferrari
1:18.335 + 1.244 C3 49
9 ルイス・ハミルトン
Mercedes
1:18.387 + 1.296 C1 106
10 ランド・ノリス
Mclaren
1:18.474 + 1.383 C3 137
11 ロマン・グロージャン
Haas
1:18.496 + 1.405 C3 158
12 エステバン・オコン
Renault
1:18.557 + 1.466 C2 52
13 バルテリ・ボッタス
Mercedes
1:19.307 + 2.216 C2 77