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ERS(エネルギー回生システム)

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ERSとは、Energy Recovery System、すなわちエネルギー回生システムのこと。走行するマシンから発生する各種エネルギーを回収し電気エネルギーへと変換して再利用する。

ERSの仕組みと構成

2014年のレギュレーション改定によって、旧来の自然吸気エンジンに代わって登場したパワーユニットを構成するシステムの中の1つである。具体的には以下のエネルギーを再利用する。

  1. ブレーキング時に発生する運動エネルギー
  2. 排気ガスの熱エネルギー

ERSを構成する要素の中で、上記の1を回生する装置がMGU-K、2を回生する装置がMGU-Hである。なお回収されたエネルギーを実際に使用することをデプロイメントと言う。

MGU-Hがエネルギーを回生するだけであるのとは対象的に、MGU-Kは回生に加えてES(回生エネルギーの保存バッテリー)並びにMGU-Hからエネルギーを受け取り、実際にマシンを駆動する役割を持っている。

KERSとの違い

2009年にF1に導入されたエネルギー回生システム「KERS」は運動エネルギーのみを回生するシステムであったが、ERSは熱エネルギーも回生するため、ERSという名称に変更されることになった。KERSの最高出力は80馬力程度であったのに対し、ERSは凡そ160馬力程度(120kW)倍近くの能力を持っている。

ドライバーは1周につき160馬力のブーストを利用することができ、最長33.3秒間に渡って回生エネルギーの恩恵を受けることができる。なお、KERSは任意搭載であったが、ERSの搭載は義務となる。