ブレーキバイアス（英：Brake Bias）とは、前と後のブレーキによる制動力のバランスを指す用語。バイアスは、ボウリングのボールの重心の偏りを意味する言葉で、F1等のモータースポーツにおいてはフロント及びリアの制動力の配分比率を指し示す。

F1においては、ドライバーがブレーキペダルを踏むと4輪全てに制動力が発生する。ドライバーはステアリングホイールに設置させているダイヤルやスイッチを操作することで、走行中にリアルタイムでブレーキバイアスを変化=前後の”効き具合”を変更する事が出来る。

例えば、雨が降って路面のグリップが低下しているようなコンディションにおいては、前輪ロック（更新がロックする分にはクルマをコントロール出来るが、前輪がロックするとドライバーに成す術はない）を防ぐために、ブレーキバイアスをフロントよりもリアに移動させるのが一般的だ。

また、タイヤの摩耗具合や搭載燃料量、速度域やアプローチしようとしているコーナーの種類などによっても最適なブレーキバイアスは異なるため、レース中あるいは予選ラップ中のドライバーは非常に慌ただしい。最適なブレーキバランスをセットアップすることは、ターンイン時のクルマの安定性にとって非常に重要だ。