フォーミュラE
フォーミュラEとは、FIAによるフォーミュラーEVカー(電気自動車)による新しいモータースポーツ世界選手権のこと。フォーミュラEホールディング(FEH)がシリーズを運営を行う。世界中の都市の一般道をサーキットとする公道レースで、年間10戦が開催される予定となっており、開幕戦は2014年9月13日(土)中国にて行われた。
エンジンではなくモーターを、ガソリンではなく電気を動力とするために排気ガスはゼロ。10チーム20名のドライバーで開催が予定されており、日本ではテレビ朝日が地上波・BS・CSの3波で全レースの生中継を行う。ノーエンジン・ノーガソリンの次世代型モータースポーツとして期待されている。
ヴァージン・レーシングのハイメ・アルグエルスアリ Photo by MJRoberts55
初年度参戦チーム
鈴木亜久里率いるアムリン・アグリや、ハリウッド俳優のレオナルド・ディカプリオがオーナーを務めるヴェンチュリーをはじめとした10チームがエントリー。F1でおなじみのヤルノ・トゥルーリやニック・ハイドフェルドの他、伝説的F1チャンピオンであるセナプロの息子、ブルーノ・セナ、ニコラス・プロストもドライバーとして参加する。
- トゥルーリGP
- チャイナ・レーシング
- アンドレッティ・オートスポーツ
- ドラゴン・レーシング
- e.dams・ルノー
- アムリン・アグリ
- アウディ・スポーツ・アプト
- マヒンドラ・レーシング
- ヴァージン・レーシング
- ヴェンチュリー
フォーミュラEのマシンを駆るニコラス・プロスト Photo by MJRoberts55
マシン
開催初年度となる2014年は、全参戦チームが「ダラーラ、ルノー、スパーク・レーシング・テクノロジー、マクラーレン」のコンソーシアムが製造したマシン「スパーク・ルノーSRT_01E」を使うワンメイクレースになることが発表されている。2015年以降はチーム独自にマシンを製造・改良することが認められる予定。
初年度マシン開発ドライバーは元F1ドライバーの佐藤琢磨とルーカス・ディ・グラッシ。
性能・仕様
- 動力性能
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- 最高出力:200kw(馬力換算270bps相当)
- レースモード出力:133kw(馬力換算180bps相当)
- Push to Passエキストラパワー:67kw
- 0-100km/h加速性能:約3秒
- 最高速度:225km(FIA既定)
- シャシー
- ダラーラ製ハニカム構造カーボン/アルミコンポジット
- 電子システム
- マクラーレンエレクトロニクス製ECU/データログシステム
- ホイール&タイヤ
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- ミシュラン製オールウェザー18インチコントロールタイヤ
- オズレーシング製マグネシウムホイール
- ホイール幅-フロント260mm / リヤ305mm
- タイヤ径-フロント650mm / リヤ690mm
- パワートレイン
- マクラーレンエレクトロニクス製シーケンシャルギヤボックス
- バッテリー
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- ウィリアムズアドバンスドエンジニアリング製
- RESS(Rechargeable Energy Storage System)
- ブレーキ
- アルコン製F1スペックカーボンブレーキシステム
- 車体寸法
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- 全長:5000mm / 全幅:1800mm / 全高:1250mm
- トレッド幅:1300mm
- 最低地上高:75mm
- 重量:800kg(ドライバー含む)
コックピット内のフィーリングは、ノーマルなレーシングカーをドライビングしているようだったし、サウンドは異なるけど、それでも電気エンジンとギアボックスのサウンドは聞こえるし、フィーリングという点ではレーシングドライバーにとってパーフェクトだ。 via : ヤルノ・トゥルーリ、フォーミュラEカーは「ドライバーにとってパーフェクト」
プロトタイプマシンによるデモ走行動画
レギュレーション概要
練習と予選ではパワーユニットの最大出力が使用できるものの、決勝レース中は出力をセーブしなくてはならない。なぜならバッテリーが持たないから。詳細は2014年フォーミュラEレギュレーションを参照。
- 10チーム、20人のドライバーが参戦
- マシンの最低重量は780kg(ドライバー含めて)
- モーター出力はフォーミュラ3と同等レベル
- 練習・予選・決勝を一日で行う1dayイベント
- サーキットにはロングストレートを設けない
- ポイントは1位から10位まで順に25-18-15-12-10-8-6-4-2-1
プッシュ・トゥ・パスモード
オーバーテイク時には「プッシュ・トゥ・パス」モードと呼ばれる特別な方法で一時的に最大出力を得ることができる。所謂オーバーテイクボタンのようなものだが、このプッシュ・トゥ・パスモードを使用できるのは、「ファンによるネット投票で選ばれたドライバー3人のみ」とのこと。ファンブーストとよばれる新しい試みで、レース開始20分前まで公式サイトから投票することができる。
開催地は?
2014年は全10カ国で開催される予定になっており、すべて一般道を利用した市街地サーキットにてレースが開催される。
Rd. | 開催日 | 国 | 都市 |
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1 | 2014年9月13日 | 中国 | 北京 |
2 | 2014年11月22日 | マレーシア | プトラジャヤ |
3 | 2014年12月13日 | ウルグアイ | プンタ・デル・エステ |
4 | 2015年1月10日 | アルゼンチン | ブエノスアイレス |
5 | 2015年2月14日 | 未定 | |
6 | 2015年3月14日 | アメリカ | マイアミ |
7 | 2015年4月4日 | アメリカ | ロングビーチ |
8 | 2015年5月9日 | モナコ | モンテカルロ |
9 | 2015年5月30日 | ドイツ | ベルリン |
10 | 2015年6月27日 | イギリス | ロンドン |
開催予定地の一つモナコ Photo by Rodrigo_Soldon
テレビ放映
日本では、テレビ朝日が練習(BS朝日)・予選(CSテレ朝チャンネル1)・決勝(BS朝日/地上波)すべてを放送する。解説は元F1ドライバーの片山右京。初戦中国GPでは、実況・レポーターのアナウンサーがドライバー名の言い間違いを連発。今後の放送に期待したいところだ。