F1バルセロナテスト《4日目》総合結果:ホンダ勢のWストップで赤旗終了…容赦ないメルセデスは170周超
2020年F1バルセロナテスト4日目のセッションが2月26日(水)にカタロニア・サーキットで行われ、アルファロメオ・レーシングのロバート・クビサが午前中に、1分16秒942の暫定トップタイムを記録。午後のセッションでこれを上回るドライバーは現れず、クビサがタイムシート最上位につけた。
この日も現地バルセロナは寒く、セッションは気温9℃、路面温度11℃のコンディションでスタートするも、照りつける日差しは暖かく、午後には路面27℃にまで上昇した。強風の影響もあり、ラップタイムは思うほど伸びなかった。
8時間のセッションは、ホンダエンジンを搭載する2台同時のマシンストップによる赤旗で幕を閉じた。残り5分、RB16の午後を担当したマックス・フェルスタッペンが、ターン10で不可解なスピンを喫しコースアウト。クルマを再始動させる事なくステアリングを外した。突如エンジンが停止したかのような動きであった。
これと全く同じタイミングで、アルファタウリの午後のプログラムを担当していたダニール・クビアトがターン9でストップし、コース上にこの日3度目の赤旗が振られた。セッションが再開されることはなく一日が終了した。パフォーマンスランのタイミングだった事もあり、燃料切れが疑われているが、現時点で原因の発表はない。
この日のホンダPU勢は、終わりだけでなく始まりも奇妙で不可解だった。
2台は午前9時のセッション開始後に、共にインスタレーションラップを終えたのみでピットへと戻り、その後3時間近くをガレージ内で過ごした。トラブルの詳細についてレッドブルは、サスペンション関連の問題が発生していたと発表し、アルファタウリはパイプが緩んでいたためと説明した。原因が異なるにもかかわらず、両者が再びコースインしたのは全く同じタイミングだった。
ホンダF1の田辺豊治テクニカル・ディレクターはセッションを振り返り「1日を通してPUに問題はなくスムーズだった」と述べ、エンジントラブルの可能性を除外した。
レッドブルは、C3コンパウンドを履いたフェルスタッペンが2番手タイム、そしてC2タイヤを履いたアレックス・アルボンが6番手タイムを刻んだ。トラブルの影響が大きく、トータル周回数は113周に留まった。アルファタウリはクビアトがC3を装着して4番手、ピエール・ガスリーはC4タイヤで5番手をマークし、一日を通して86周という結果に終わった。
ディフェンディング・チャンピオンのメルセデスAMGはこの日も容赦なく、ルイス・ハミルトンがC2で7番手タイムを刻み89周、バルテリ・ボッタスは9番手を記録して90周を走り込み、チームとして合計179周もの周回を重ねた。午前を担当したハミルトンは、ザントフォールト・サーキット用のプロトタイプタイヤの走行にかなりの時間を費やした。
フェラーリは新型フロントウイングをSF1000に取付け、セバスチャン・ベッテルが午前を担当。グラベルの砂を撒き散らす場面もあったが、午後を担当したシャルル・ルクレールと合わせて164周と、先週3日目の穴を埋め合わせるべく精力的に走り込んだ。
レーシングポイントはこの日も速かった。セルジオ・ペレスはフェルスタッペンと同じC3タイヤを履いて1000分の81秒差の3番手タイムをマークした。ランス・ストロールは同じコンパウンドながらコンマ8秒落ちの8番手であったものの、チームとしては127周を走り込んだ。
ウィリアムズは午前にニコラス・ラティフィを起用するもエンジントラブルに見舞われ、48周を走行したところで赤旗中断の原因を作った。チームは午後のセッションに向け、本テスト通算3基目となるエンジン交換を実施。午後を担当したジョージ・ラッセルは59周を走り込み、かろうじて大台を超えてトータル107周を刻んだ。ラティフィは14番手、ラッセルは15番手タイムを残した。
5日目のセッションは2月27日(木)現地9時から18時までの8時間に渡って、カタロニア・サーキットで行われる。
2020年 F1バルセロナテスト《4日目》総合結果
Pos | Driver | Time | Gap | Tyre | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | Alfa Romeo |
クビサ1:16.942 | C5 | 53 | |
2 | Red Bull |
フェルスタッペン1:17.347 | + 0.405 | C3 | 84 |
3 | Racing Point |
ペレス1:17.428 | + 0.486 | C3 | 84 |
4 | AlfaTauri |
クビアト1:17.456 | + 0.514 | C3 | 61 |
5 | AlfaTauri |
ガスリー1:17.540 | + 0.598 | C4 | 25 |
6 | Red Bull |
アルボン1:17.550 | + 0.608 | C2 | 29 |
7 | Mercedes |
ハミルトン1:17.562 | + 0.620 | C2 | 89 |
8 | Racing Point |
ストロール1:17.787 | + 0.845 | C3 | 43 |
9 | Mercedes |
ボッタス1:18.100 | + 1.158 | C3 | 90 |
10 | Ferrari |
ベッテル1:18.113 | + 1.171 | C3 | 84 |
11 | Renault |
リカルド1:18.214 | + 1.272 | C2 | 53 |
12 | Mclaren |
サインツ1:18.221 | + 1.279 | C3 | 46 |
13 | Ferrari |
ルクレール1:18.244 | + 1.302 | C3 | 80 |
14 | Williams |
ラティフィ1:18.300 | + 1.358 | C4 | 48 |
15 | Williams |
ラッセル1:18.535 | + 1.593 | C3 | 59 |
16 | Haas |
グロージャン1:18.670 | + 1.728 | C3 | 107 |
17 | Mclaren |
ノリス1:18.826 | + 1.884 | C2 | 57 |
18 | Alfa Romeo |
ライコネン1:19.515 | + 2.573 | C2 | 51 |
19 | Renault |
オコン1:21.542 | + 4.600 | C2 | 74 |