アルバート・パーク・サーキット

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サーキットデータ
サーキット名アルバート・パーク・サーキット
所在国オーストラリア
住所12 Aughtie Dr, Albert Park VIC 3206, Australia
設立年1996年
全長 / コーナー数5,279m / 14
最大高低差3m
周回数58
ピット長 / 損失時間281m / 12.6秒
ターン1までの距離*1261m
平均速度206km/h
最高速度315km/h
エンジン負荷と全開率*2 74%
ブレーキ負荷と使用率 16%
燃料消費レベルと量 1.81kg/周
フューエル・エフェクト 0.39秒/10kg
タイヤ負荷レベル
ダウンフォースレベル
グリップレベル
変速回数42回/周
SC導入率60%
ウェット確率12%
WEBサイト grandprix.com.au
SNS instagram

*1 ポールポジションから最初の制動地点までの距離
*2 全開率は距離ではなくタイムベースで算出

アルバート・パーク・サーキット(英:Albert Park Circuit)とは、オーストラリア・ビクトリア州の州都メルボルンの中心地から南に約3kmの場所にある半公道コースのこと。公園内の人工湖を周回する公道と駐車場の一部が使用される。

基本的にはF1とそのサポートレース、スーパーカーズ選手権にのみ使用されているため、週末の出だしはグリップが悪い。

決勝レーススタート前のアルバート・パーク・サーキットのグリッドの様子、2019年F1オーストラリアGP

F1オーストラリアGPの初開催は1985年。アルバート・パーク・サーキットは1996年の初登場以来、F1オーストラリアGPの舞台としてシーズン開幕戦を担ってきたが、2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの影響でFP1開始2時間前に中止が発表され物流上の課題から翌年も開催されなかった。

3年ぶりに開催された2022年大会には4日間で延べ41万9,114人が観戦に訪れた。1996年の初開催当時の40万1,000人を上回る過去最多となった。2005年以来の最多となる32万4,000人を記録した2019年の前回大会からの伸び率は129.3%に達した。

F1チームの大部分が本拠を構える英国との時差が11時間と大きいため、各チームのファクトリーのレースサポート部隊にとっては眠い目をこすりながらの週末となる。

コースレイアウト

ストレートとヘアピン/直角コーナーで構成されたストップ&ゴータイプのサーキットで、直線区間の終端ではハードブレーキング、コーナー出口では高いトラクションが必要とされるため、ブレーキング時スタビリティーの高さと低速域からの加速性能が求められる。

DRSゾーンは従来、3箇所に設けられていたが、2022年の3年ぶりの開催を前に史上最多となる全4箇所に設定された。だが安全上の理由から2日目のセッションを前に3箇所に戻された

アルバート・パーク・サーキット(F1オーストラリアGP)のコースレイアウト図2022年版

アルバート・パーク・サーキット(F1オーストラリアGP)のコースレイアウト図2022年版

初のレイアウト変更

2022年の3年ぶりの開催に向けて、オーバーテイクの促進を目的に1996年の初開催以来、全面的な路面の再舗装と合わせて最大規模のレイアウト変更が行われた。変更されたコーナーは7つに及び、その内の2つは撤去され、全長は5,303mから5,279mへと24m短くなった。

また、F1カレンダー最短の280.6mと短い上に狭く、制限速度が通常の80km/hではなく60km/hに設定されていたピットレーンも幅が2m拡張され、制限速度も80km/hへと引き上げられた。

当初は約5秒の短縮が予想されていたが、予選のポールタイムは2019年の1分20秒486に対して1分17秒868と、2.618秒に留まった。

アルバート・パーク・サーキットの新旧レイアウトとDRSゾーン、2022年F1オーストラリアGPcopyright Formula1 Data

アルバート・パーク・サーキットの新旧レイアウトとDRSゾーン、2022年F1オーストラリアGP

最大の変更箇所はシケイン(旧ターン9及びターン10)の廃止だ。変更後は緩やかな右コーナーへと姿を変えた。ターン1、3、6、13、15はコース幅が拡張され、ターン13と15に関しては複数のレーシングラインが取れるようキャンバーが変更された。

ターン6はコース幅の拡張により、通過速度が現行の約149km/hから219km/hへと大幅に向上した。変更後のレイアウトでの最高速はターン11の330km/hで、ブレーキング時のGフォースは5.4Gに達する。

変更箇所 変更内容
ターン1 コース幅を2.5m拡張
ターン3 コース幅を4m拡張
ターン6 コース幅を7.5m拡張
ターン9・10 シケインを撤去
ターン13 コース幅を3.5m拡張
エントリーポイントを奥に
キャンバーの変更
ターン15 コース幅を3.5m拡張
キャンバーの変更

サーキットの特徴

ラップタイムにおけるエンジン全開率が72.3%と非常に高い。これは超高速のモンツァ・サーキットとオーストリアGPの舞台であるレッドブル・リンクに続いてカレンダー3番目の値だ。パワーエフェクトは大きい。

また路面がかなりバンピーで縁石もアグレッシブであるため、ティートレイ(マシンのフロアの最も前の部分。前輪のすぐ後方)が破損する事が多い。

マシンセットアップの難しさ

普段は使用されていないため路面が埃や砂利でかなり汚れている。そのため、イベント初日のフリー走行ではグリップが非常に低いものの、セッションを経る毎に路面状況は大幅に改善されていく。決勝当日のラップタイムが初日と比較して5秒/1周向上する事すらある。

そのため、イベントの早い段階でセットアップを煮詰めてしまうと、レース当日にマシンバランスが大幅に崩れてしまう事もある。フリー走行でタイムが良いからと言って予選・決勝でも良いとは限らないのがアルバート・パーク・サーキットの面白いところだ。

F1オーストラリアGPの舞台アルバート・パーク・サーキット空撮画像

なお、開催時期が例年、現地秋にあたるため、路面には落ち葉が舞い散っており、これもグリップ低下の大きな要因となている。ターン3~5は駐車場の路面がそのまま使われているため、他のエリア以上に滑りやすい。コース上のどの位置に合わせてセッティングを行うかもチームの腕の見せ所だ。

セーフティカーに注目

アルバート・パーク・サーキット
creativeCommonsCaterhamF1

通常のサーキットとは違いランオフエリアが狭く、コースの両サイドが大きな金網とウォールで覆われているため、セーフティーカーの出動回数が多い。

過去5年の統計(2015年~2019年)では、5レース中3レースでセーフティーカーが出動しており、その確率は60%に達する。

セーフティカー出動回数が多いということは、マシンそのもののスピードも去ることながら、レース戦略を如何に緻密に練り上げるかが勝利への大きな鍵になることを意味する。各チームのストラテジストの役割は大きい。

飛び散ったマシンの破片に当たりマーシャルが死亡する事故が2001年に発生してからはフェンスが大型化されるなど、安全対策が強化された。

毎年赤字のF1開幕戦

どこのサーキットも似たようなものであるが、オーストラリアGPも毎年赤字を計上している。2013年は5000万豪ドル(当時の日本円にして約45億円)の赤字だった。注目の開幕戦と言えども、事業としての採算が取れていないのが今のF1の現状である。

アルバート・パーク・サーキットができるまで

アルバート・パーク・サーキット建設風景、多くの人と重機が持ち込まれる
©facebook.com

アルバート・パーク・サーキットは常設ではなく仮設のサーキットであるため、グランプリウィーク開始とともに急ピッチで建設が進められ、レース終了と同時に解体される。詳しくは市街地サーキットができるまでーF1オーストラリアGP開催の舞台裏動画を参照されたい。

オーバーテイクとリタイヤ統計

オーバーテイクポイントはターン1・3コーナーの2つ。例年この箇所では何らかのアクシデントが発生し、波乱の開幕戦を彩る。ホームストレートでの時速は320kmに達するが追い抜くことは非常に難しい。

オーバーテイク性の向上を狙って2018年に3番目のDRSゾーンが旧ターン12・13間に追加されたが、この年のレースでのオーバーテイク回数は全部で4回。そのうち、DRSを使用したものは3回に過ぎなかった。

オーバーテイク リタイヤ
通常 DRS 接触 機械的問題
2019年 3回 7回 1台 2台
2018年 1回 4回 0台 5台
2017年 3回 3回 1台 6台
2016年 23回 16回 2台 3台
2015年 10回 3回 2台 1台

コースレコード

全長5,303mの旧レイアウト(~2019年)

タイム ドライバー チーム
ラップレコード 1:24.125 ミハエル・シューマッハ フェラーリ 2004年
コースレコード 1:20.486 バルテリ・ボッタス メルセデス 2018年

全長5,279mの新レイアウト(2022年~)

タイム ドライバー チーム
ラップレコード 1:20.260 シャルル・ルクレール フェラーリ 2022年
コースレコード 1:17.868 シャルル・ルクレール フェラーリ 2022年

F1オーストラリアGP歴代ウィナーとポールシッター

開催年 ドライバー チーム タイム
2022 優勝 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:27:46.548
ポールポジション シャルル・ルクレール フェラーリ 1:17.868
2019 優勝 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:25:27.325
ポールポジション ルイス・ハミルトン メルセデス 1:20.486
2018 優勝 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 1:29:33.283
ポールポジション ルイス・ハミルトン メルセデス 1:21.164
2017 優勝 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 1:24:11.672
ポールポジション ルイス・ハミルトン メルセデス 1:22.188
2016 優勝 ニコ・ロズベルグ メルセデス 1:48:15.565
ポールポジション ルイス・ハミルトン メルセデス 1:23.837
2015 優勝 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:31:54.067
ポールポジション ルイス・ハミルトン メルセデス 1:26.327
2014 優勝 ニコ・ロズベルグ メルセデス 1:32:58.710
ポールポジション ルイス・ハミルトン メルセデス 1:44.231
2013 優勝 キミ・ライコネン ロータス・ルノー 1:30:03.225
ポールポジション セバスチャン・ベッテル レッドブル・ルノー 1:27.407
2012 優勝 ジェンソン・バトン マクラーレン・メルセデス 1:34:09.565
ポールポジション ルイス・ハミルトン マクラーレン・メルセデス 1:24.922
2011 優勝 セバスチャン・ベッテル レッドブル・ルノー 1:29:30.259
ポールポジション セバスチャン・ベッテル レッドブル・ルノー 1:23.529
2010 優勝 ジェンソン・バトン マクラーレン・メルセデス 1:33:36.531
ポールポジション セバスチャン・ベッテル レッドブル・ルノー 1:23.919
2009 優勝 ジェンソン・バトン ブラウン・メルセデス 1:34:15.784
ポールポジション ジェンソン・バトン ブラウン・メルセデス 1:26.202
2008 優勝 ルイス・ハミルトン マクラーレン・メルセデス 1:34:50.616
ポールポジション ルイス・ハミルトン マクラーレン・メルセデス 1:26.714
2007 優勝 キミ・ライコネン フェラーリ 1:25:28.770
ポールポジション キミ・ライコネン フェラーリ 1:26.072
2006 優勝 フェルナンド・アロンソ ルノー 1:34:27.870
ポールポジション ジェンソン・バトン ホンダ 1:25.229
2005 優勝 ジャンカルロ・フィジケラ ルノー 1:24:17.336
ポールポジション ジャンカルロ・フィジケラ ルノー 3:01.460
2004 優勝 ミハエル・シューマッハ フェラーリ 1:24:15.757
ポールポジション ミハエル・シューマッハ フェラーリ 1:24.408
2003 優勝 デビッド・クルサード マクラーレン・メルセデス 1:34:42.124
ポールポジション ミハエル・シューマッハ フェラーリ 1:27.173
2002 優勝 ミハエル・シューマッハ フェラーリ 1:35:36.792
ポールポジション ルーベンス・バリチェロ フェラーリ 1:25.843
2001 優勝 ミハエル・シューマッハ フェラーリ 1:38:26.533
ポールポジション ミハエル・シューマッハ フェラーリ 1:26.892
2000 優勝 ミハエル・シューマッハ フェラーリ 1:34:01.987
ポールポジション ミカ・ハッキネン マクラーレン・メルセデス 1:30.556
1999 優勝 エディ・アーバイン フェラーリ 1:35:01.659
ポールポジション ミカ・ハッキネン マクラーレン・メルセデス 1:30.462
1998 優勝 ミカ・ハッキネン マクラーレン・メルセデス 1:31:45.996
ポールポジション ミカ・ハッキネン マクラーレン・メルセデス 1:30.010
1997 優勝 デビッド・クルサード マクラーレン・メルセデス 1:30:28.718
ポールポジション ジャック・ヴィルヌーヴ ウイリアムズ・ルノー 1:29.369
1996 優勝 デーモン・ヒル ウイリアムズ・ルノー 1:32:50.491
ポールポジション ジャック・ヴィルヌーヴ ウイリアムズ・ルノー 1:32.371

サーキットの場所

画像・レース風景

決勝レーススタート前のグリッドとグランドスタンドに詰めかけたファン、2022年4月10日F1オーストラリアGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

決勝レーススタート前のグリッドとグランドスタンドに詰めかけたファン、2022年4月10日F1オーストラリアGP

アルバート・パーク・サーキットを走行するレッドブル・レーシングのセルジオ・ペレス、2022年4月8日F1オーストラリアGPフリー走行1Courtesy Of Red Bull Content Pool

アルバート・パーク・サーキットを走行するレッドブル・レーシングのセルジオ・ペレス、2022年4月8日F1オーストラリアGPフリー走行1

改修されたアルバート・パーク・サーキットの旧ターン9、2022年4月7日F1オーストラリアGPCourtesy Of Alfa Romeo Racing

改修されたアルバート・パーク・サーキットの旧ターン9、2022年4月7日F1オーストラリアGP

F1オーストラリアGPの舞台アルバート・パーク・サーキットの湖とメルボルンの高層ビル群Courtesy Of Alfa Romeo Racing

F1オーストラリアGPの舞台アルバート・パーク・サーキットの湖とメルボルンの高層ビル群

F1オーストラリアGPの舞台アルバート・パーク・サーキット空撮画像Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

F1オーストラリアGPの舞台アルバート・パーク・サーキット空撮画像

決勝レーススタート前のアルバート・パーク・サーキットのグリッドの様子、2019年F1オーストラリアGPCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

決勝レーススタート前のアルバート・パーク・サーキットのグリッドの様子、2019年F1オーストラリアGP

F1オーストラリアGPの舞台アルバート・パーク・サーキット上空から見たホームストレートとピットレーンCourtesy Of Mercedes

F1オーストラリアGPの舞台アルバート・パーク・サーキット上空から見たホームストレートとピットレーン