
カタロニア・サーキット
サーキットデータ
名前 | カタロニア・サーキット |
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所在国 | スペイン |
設立年 | 1991年 |
全長 | 4,655m | 16コーナー |
周回数 | 66周 | 時計回り |
ピットレーン長 | 368m| 21.544秒 |
ターン1までの距離*1 | 564.71m |
平均速度 | 192.9km/h |
最高速度 | 322.7km/h |
エンジン負荷*2 | | 全開率 : 61% |
ブレーキ負荷 | | 使用率 : 16.4% |
燃料消費量 | | 1.59kg/周 |
フューエル・エフェクト | | 0.36秒/10kg |
タイヤ負荷 | |
エアロ重要度 | |
セーフティーカー出動率 | 40% |
ウェット確率 | 11% |
最大高低差 | 30m |
WEBサイト | www.circuitcat.com |
SNS | twitter facebook instagram |
*1 ポールポジションから最初の制動地点までの距離
*2 全開率は距離ではなくタイムベースで算出
カタロニア・サーキットとは、スペインのカタルーニャ州バルセロナの北部のムンマローにあるF1スペインGPが開催されるサーキットのこと。正式名称は、シルクイート・デ・バルセロナ・カタルーニャ(Circuit de Barcelona-Catalunya)。
ウインターテストやインシーズンテストの開催地でもあるため、F1関係者にとっては馴染み深いコース。各チームとも豊富なデータを所持している。シーズン中にどれだけ開発が進んでいるかを見極めるのに最適なグランプリとなる。
F1スペインGPの初開催は1986年。カタロニア・サーキットは1991年に初めてカレンダーに登場した。例年ヨーロッパラウンドの始まりの地であり、全チームが大規模なマシンアップデートを行うことでも知られる。これは、F1チームの大部分がヨーロッパに本拠地を置いているため、サーキットがチームのファクトリーに近いことによる。
creativeCommonsCaterhamF1
1994年と1997年及び、2008年から2012年までは同じスペインのバレンシア市街地コースでグランプリが開催された。F1では「1国1GP開催」が原則であるため、本来であれば1シーズン中に一つの国で2回のグランプリが開催される事は許されないが、バレンシアでのグランプリ名称を「ヨーロッパGP」とすることで対処した。
コースレイアウト
「このコースで速いマシンはどのサーキットでも速い」と言われるほど、マシンの総合力が試されるテクニカルなサーキットである。高速・中速・低速コーナーに加えて長いストレートと高低差(30m)があるのが特徴。レース中のスピードトラップは時速340kmにも達する。
高速のセクター1と2ではエアロダイナミクスが重要であるため、チームは最大ダウンフォース仕様のパッケージを持ち込む。一方の第3セクターは低速。高いメカニカルグリップが求められる。速いラップタイムを刻むためには、あらゆるタイプのコーナーでマシンが適切に機能する必要がある。
3コーナーは、強烈なGフォースがマシンとドライバーを襲う超高速コーナー。その速度は285km/hにも達する。ヘビーブレーキングが必要になるのは2回、ブレーキ使用率も16%とブレーキにはやさしいサーキットだ。燃料・エンジンへの負担は低く、マシンのトータルバランスがモノを言う。平均速度も190km/hほど。
2018年に路面が再舗装され、それ以前に見られた凹凸やタイヤへの攻撃性が変化した。高速コーナーが多い事もあり、タイヤとしては最も硬いコンパウンドセットが持ち込まれる。ターン3やターン9等、高速左コーナーが存在するため、左フロントタイヤの摩耗が特に酷い。
ドライバーを翻弄する風
立地が原因の不安定な風向きが、マシンパフォーマンスに大きく影響する。そのため、下手にセッティングを詰め過ぎると、僅かなコンディションの変化に翻弄される事になる。
例えば、初日午後のFP2で突き詰めたセッティングを行ったとする。そのセッティングがバシッとハマり、FP2では最高のマシンバランスだったとしても、翌日の午前のFP3では最悪のマシンバランスに感じられる、ということが往々にしてある。
無線にむなしく響く「昨日までは最高だったのに、どういうわけか今は全くグリップがない。。」のようなドライバーのコメントが、このカタロニア・サーキットではよく聞かれる。
©F1 ホームストレート
オーバーテイク
コース幅が狭い事及び、近年のF1マシンの空力特性の2つの理由によりオーバーテイクは比較的難しい。2018シーズンのデータで言えば、決勝レース中のオーバーテイク回数は僅かに13回。そのうち、DRSを伴わない追い抜きは3回しか計測されなかった。
過去47回のレースの内、26回がポール・トゥ・ウインとなっておりその確率は55%にも達する。だが、ポールからターン1のエイペックスまでの距離は564mほどと長めなので、うまくスタートすれば1周目のターン1までにオーバーテイクが可能。
余談だが、サーキットの形が「ゴリラが両腕を上に上げて”ウホッ”と吠えている」ように見えることから、我々は「ゴリラ・サーキット」と呼んでいる。
コースレコード
決勝レースで計測される史上最速の”ラップレコード”は、2018年にレッドブルのダニエル・リカルドが記録した1分18秒441。一方の”コース・レコード”は、同じ2018年にメルセデスAMGのルイス・ハミルトンが予選Q3でマークした1分16秒173となっている。
- ラップレコード
- 1:18.441(リカルド/Red Bull、2018年)
- コースレコード
- 1:16.173(ハミルトン/Mercedes、2018年)