
ジル・ビルヌーブ・サーキット
サーキットデータ
名前 | ジル・ヴィルヌーヴ・サーキット |
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所在国 | カナダ |
設立年 | 1978年 |
全長 | 4,361m | 14コーナー |
周回数 | 70周 | 時計回り |
ピットレーン長 | 404.2m| 22.790秒 |
ターン1までの距離*1 | 159.154m |
平均速度 | 200.997km/h |
最高速度 | 349.7km/h |
エンジン負荷*2 | | 全開率 : 64% |
ブレーキ負荷 | | 使用率 : 16% |
燃料消費量 | | 1.50kg/周 |
フューエル・エフェクト | | 0.32秒/10kg |
タイヤ負荷 | |
グリップ | |
エアロ重要度 | |
セーフティーカー出動率 | 60% |
ウェット確率 | 13% |
最大高低差 | 5m |
収容人数 | 100,000人 |
WEBサイト | www.circuitgillesvilleneuve.ca |
*1 ポールポジションから最初の制動地点までの距離
*2 全開率は距離ではなくタイムベースで算出
ジル・ビルヌーブ・サーキット(Circuit Gilles Villeneuve)とは、カナダはケベック州モントリオールのセント・ローレンス川にある人工島に作られたサーキットの事。名前の由来はもちろんF1ドライバーのジル・ヴィルヌーヴ。F1カナダGPの舞台である。
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もともとは「サーキット・イル・ノートルダム」という名前であったが、地元の伝説的ドライバー、ジル・ヴィルヌーヴが1982年に事故死したことを受けて名称が変更された。スタートライン上には”Salut Gilles”(やあ、ジル)とペイントされている。F1カナダGPは、日本との時差が最も大きいグランプリなので徹夜は必至となる。1967年のモントリオール万博の会場跡地に作られた。
© Pirelli & C. S.p.A.
コースレイアウト
ジル・ビルヌーヴ・サーキットは、長いストレートと深く切れ込んだコーナーの組み合わせが特徴の典型的なストップ・アンド・ゴー型のサーキット。トラクションの良さと、ブレーキング時のスタビリティー、エンジンパワーが勝利の鍵となる。ブレーキへの負荷はカレンダー最大とも言われており、ブレーキトラブル等によって荒れるレースとなる事が多い。
最高速を記録するのは13コーナー手前で、F1マシンは8速340km/hほどでここを駆け抜ける。次に速いのはホームストレートエンドで8速320km/h。一方最も低速になるのは10コーナーのヘアピンで2速57km/h、次いで2コーナーの2速75km/hである。
名物は13コーナーと14コーナーで構成された最終シケイン。ここはF1サーキットの中でも最も難しい場所として知られており、下手に縁石に乗ってしまうとアウト側のコンクリートウォールに激突してしまう。これまでに歴代のF1王者たちが数多くクラッシュを喫した歴史から「チャンピオンの壁=Wall of the Champions」と呼ばれ恐れられている。と同時に、ここをお気に入りのコーナーに挙げるドライバーも多い。
1999年のグランプリでは、地元の英雄ジャック・ビルヌーブやミハエル・シューマッハ、デイモン・ヒルらチャンピオン経験者がウォールの餌食に。その後もセバスチャン・ベッテルやジェンソン・バトンらが、チャンピオンズ・ウォールの前にひれ伏した。
オーバーテイクが容易
カナダグランプリは、そのトラックレイアウト故にオーバーテイクのチャンスが多く、過去これまでに幾度となく壮大なレースの舞台となってきた。基本的にはストレートとシケインのみで構成されているため、スリップストリームを得て最高速を伸ばす事が可能であり、ビッグブレーキングによって先行車を交わす事が出来る。
最大のパスポイントは最後コーナー手前のターン13。ヘアピン(ターン10)から続く長い直線区間が後続車の空気抵抗を減らし、トップスピードを上乗せする。例えターン13でパス出来なくとも、続くターン1のブレーキキングで交わす事もできる。
コースレコード
決勝レースで計測される史上最速の”ラップレコード”は、2004年にフェラーリのルーベンス・バリチェロが記録した1分13秒622。一方の”コース・レコード”は、2018年にフェラーリのセバスチャン・ベッテルが予選Q3でマークした1分10秒764となっている。
コース特性こそ異なるが、モントリオールのレコードタイムはモナコGPの舞台、モンテカルロ市街地コースとほぼ同じだ。
- ラップレコード
- 1:13.622(バリチェロ/Ferrari、2004年)
- コースレコード
- 1:10.764(ベッテル/Ferrari、2018年)
F1史上最長レース
2011年のカナダGPの決勝レースは、4時間4分39秒54に渡るF1史上最も長い時間を記録したグランプリである。雨の降る激闘を制したのは予選7番手のジェンソン・バトンであったが、この時バトンがリードラップを刻んだのは、最終ラップの僅か1周のみであった。
雨のためセーフティーカー先導でスタートした決勝では、序盤にルイス・ハミルトンがチームメイトのバトンに接触しリタイヤ、37周目にはフェルナンド・アロンソがバトンと接触しこれまたリタイヤと、バトンが優勝するなどとは誰もが考えていなかった。バトンは、ハミルトンとのインシデントではドライブスルー・ペナルティを受け、40周目には最後尾に後退していた。
ファイナル・ラップでレースをリードしていたのはセバスチャン・ベッテル。このままベッテルの優勝かと思われたが、終盤に驚異的な追い上げを見せたバトンのプレッシャー故か、1コーナーでまさかのスピン、バトンが劇的な勝利を収めた。
佐藤琢磨がアロンソをオーバーテイク!
小学校の教科書にでてきてもおかしくないレベルだが、日本人であれば2007年のカナダGPは非常に思い出深いシーズンだ。弱小スーパー・アグリの佐藤琢磨が、マクラーレンのフェルナンド・アロンソを追い上げオーバーテイクしたシーンは実に印象的であった。
サーキットの場所と地図
人工島というよりもむしろ川の中?
画像
2019年にピットとパドックが大幅に改修された。