イスタンブール・パーク・サーキット
サーキット名 | イスタンブール・パーク・サーキット |
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所在国 | トルコ |
住所 | Akfırat, Göçbeyli Bv No:1, 34959 Tuzla/İstanbul, Turkey |
設立年 | 2005年 |
設計 | ヘルマン・ティルケ |
全長 / コーナー数 | 5,338m / 14 |
最大高低差 | 41m |
周回数 | 58 |
ピット長 / 損失時間 | 385m / 17.3秒 |
ターン1までの距離*1 | 170m |
最高速度 | 324km/h |
エンジン負荷と全開率*2 | 59% |
タイヤ負荷レベル | |
ダウンフォースレベル | |
グリップレベル | |
変速回数 | 46回/周 |
ウェット確率 | 60% |
総工費 | 270億円 |
WEBサイト | www.intercitypark.com |
SNS | twitter facebook instagram |
*1 ポールポジションから最初の制動地点までの距離 *2 全開率は距離ではなくタイムベースで算出
インターシティ・イスタンブール・パーク(英:Intercity Istanbul Park)とは、通称イスタンブール・パーク・サーキットとして知られる2005年8月21日開業のレースコースで、ボスポラス海峡を隔ててヨーロッパとアジアにまたがるトルコ最大の都市、イスタンブールの東に位置する。
2005年から2011年までF1トルコGPが開催されていたが、その後財政的な理由でカレンダーから脱落。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で再編された2020年シーズンの第14戦F1トルコGPの舞台として、9年ぶりにF1カレンダーに復活した。
コースレイアウト
注目はモンツァの最終コーナー「パラボリカ」にちなみ「ディアボリカ」という愛称で親しまれてるターン8だ。4つのエイペックスを持つ下り坂の複合高速コーナーで、かつてのニュルブルクリンクのマルチエイペックスとの類似点も指摘される。現行F1マシンは7速260km/hで約6秒間に渡ってこの600m近い高難度のロングコーナーを通過する。Gフォースは4.6Gに達する。
ホームストレート終端に位置する急な下り坂の左コーナー、ターン1も注目だ。これはラグナセカのコルクスクリューにちなんで「トルコ・コルクスクリュー」と呼ばれている。他にも、オー・ルージュに似ているという理由で、バックストレートの中程の上り坂にある時速300kmオーバーのターン11が「フェイク・ルージュ」と呼ばれている。
時速100kmを下回るコーナーはターン4、ターン12、ターン13の3つ。高速と低速とのバランスを考えたセットアップが要求される。
FP1 was a chance for the drivers to get to know Istanbul Park better
Here's your chance 🚁 👀#TurkishGP 🇹🇷 #F1 pic.twitter.com/9I086F6ngi
— Formula 1 (@F1) November 13, 2020
DRSゾーンはホームストレートとバックストレートの2箇所に設けられる。
特徴
世界最高のレーストラック
ベルギーが誇る伝統のスパ・フランコルシャンと比較される事が多く、F1のバーニー・エクレストン元CEOをして「世界最高のレーストラック」と言わしめるほどで、ディアボリカ(ターン8)の存在もありヘルマン・ティルケ最高傑作の一つとの呼声も高い。
高低差もさる事ながら起伏の変化が大きいため、特にセクター1にはブラインドが多くチャレンジングだ。ポールポジションからターン1までは210mと短く、また偶数列(ターン1に対してのイン側)のグリップが低い事ため、ポールポジションの優位性は大きい。
反時計、ドライバーへの負荷
イモラやアブダビ、インテルラゴスやCOTA、ヤス・マリーナ等と並び、F1カレンダーの中では珍しい反時計回りのサーキットであり、ドライバーの首への負担が大きい。特にディアボリカによるドライバーへの身体的影響は少なくない。
ミドル・オブ・ザ・パックのセットアップ
マシンのセットアップは所謂「ミドル・オブ・ザ・パック」だ。ダウンフォースやパワーエフェクトという点でコース特性が平均的であるためだ。
エンジン全開率は低めでフルスロットルでの走行はラップタイムの59%、ラップディスタンスの72%に留まる。
ただし低速コーナーやトラクションゾーン、ロングストレートなどがあるため燃料消費量がやや多いのが難点で、その点を考慮する必要がある。
一転した路面特性
他のF1開催地ほど頻繁に使用されておらず2020年のイベント前に再舗装されたこともありトラック・エボリューションは大きい。つまりフリー走行を経てレースに向けてグリップ力が大きく改善していく。
なお2020年大会は新舗装ゆえに路面のグリップ力が極めて低いコンディションとなった。そこで現地プロモーターは2021年大会に向けて路面にウォーターブラスト処理を施した。
敷き詰められたばかりのアスファルトは油分を含んでおり滑りやすい。通常は経年によって解消される。
イスタンブールはもともとタイヤのデグラデーションが大きいサーキットであったが、2020年の再舗装によって路面はスムーズとなり、かつて程タイヤへの負荷は大きくない。
歴史
2006年のグランプリの際、現地オーガナイザーが、国際的に存在が認められていない北キプロス・トルコ共和国の大統領メフメト・アリ・タラートをプレゼンターとして起用した事で、F1の統括団体である国際自動車連盟(FIA)がスポーツの政治利用を問題視して、オーガナイザーに500万ドルの罰金を科す事件があった。
2012年にインターシティがイスタンブール・パークの権利を取得。改良工事と投資が行われたことで、トルコで最大の自動車・モータースポーツ・交通安全の複合施設へと転身した。
F1の他には、世界ツーリングカー選手権(WTCC)や、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(LMES)、ドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)、MotoGP、スーパーバイク世界選手権(SBK)などのイベントを開催している。
コースレコード
タイム | ドライバー | チーム | 年 | |
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ラップレコード | 1:25.049 | セバスチャン・ベッテル | レッドブル | 2011年 |
コースレコード | 1:24.795 | ファン・パブロ・モントーヤ | マクラーレン | 2005年 |
F1トルコGP歴代ウィナーとポールシッター
開催年 | ドライバー | チーム | タイム | |
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2021 | 優勝 | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 1:31:04.103 |
ポールポジション | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 1:22.868 | |
2020 | 優勝 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 1:42:19.313 |
ポールポジション | ランス・ストロール | レーシングポイント・・メルセデス | 1:47.765 | |
2011 | 優勝 | セバスチャン・ベッテル | レッドブル・ルノー | 1:30:17.558 |
ポールポジション | セバスチャン・ベッテル | レッドブル・ルノー | 1:25.049 | |
2010 | 優勝 | ルイス・ハミルトン | マクラーレン・メルセデス | 1:28:47.620 |
ポールポジション | マーク・ウェバー | レッドブル・ルノー | 1:26.295 | |
2009 | 優勝 | ジェンソン・バトン | ブラウン・メルセデス | 1:26:24.848 |
ポールポジション | セバスチャン・ベッテル | レッドブル・ルノー | 1:28.316 | |
2008 | 優勝 | フェリペ・マッサ | フェラーリ | 1:26:49.451 |
ポールポジション | フェリペ・マッサ | フェラーリ | 1:27.617 | |
2007 | 優勝 | フェリペ・マッサ | フェラーリ | 1:26:42.161 |
ポールポジション | フェリペ・マッサ | フェラーリ | 1:27.329 | |
2006 | 優勝 | フェリペ・マッサ | フェラーリ | 1:28:51.082 |
ポールポジション | フェリペ・マッサ | フェラーリ | 1:26.907 | |
2005 | 優勝 | キミ・ライコネン | マクラーレン・メルセデス | 1:24:34.454 |
ポールポジション | キミ・ライコネン | マクラーレン・メルセデス | 1:26.797 |