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インテルラゴス・サーキット

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サーキットデータ

名前 インテルラゴス・サーキット
所在国 ブラジル
設立年 1936年
全長 4,309m | 15コーナー
周回数 71周 | 反時計回り
ピットレーン長 392.5m| 17.419秒
ターン1までの距離*1 194.9m
平均速度 210.5km/h
最高速度 341km/h
エンジン負荷*2 | 全開率 : 63%
ブレーキ負荷 | 使用率 : 20%
燃料消費量 | 1.48kg/周
フューエル・エフェクト | 0.27秒/10kg
タイヤ負荷
グリップレベル
エアロ重要度
セーフティーカー出動率 40%
ウェット確率 4%
最大高低差 43m
収容人数 119,000人
WEBサイト www.autodromodeinterlagos.com.br
SNS instagram

*1 ポールポジションから最初の制動地点までの距離
*2 全開率は距離ではなくタイムベースで算出

インテルラゴス・サーキット(ポルトガル語:Autódromo José Carlos Pace)は、ブラジル・サンパウロ近郊にあるレースコース。F1ブラジルGPの舞台であり、2022年までの契約が締結されている。「インテルラゴス」は「湖(ラゴス)と湖の間(インテル)」という意味があり、20世紀前半に水と電気を供給するために造られた2つの人工湖のほとりにある。

正式名称は「アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ」。これは、ブラジル出身でブラバムに在籍し1977年に飛行機の墜落によって死亡した地元出身のF1ドライバー、ホセ・カルロス・パーチェに由来する。元々は、不動産会社が大規模住宅地の開発のために購入したものの、その土地の一部が宅地に適していないことが明らかになったため代わりにサーキットが建設された。

interlagos f1 photocreativeCommonsAutoblog Uruguay

interlagos f1 photocreativeCommonsAutoblog Uruguay

1938年に建設が始まり1940年5月にオープンした。F1初開催は1972年。翌73年には、前年に当時の最年少F1世界チャンピオン記録を樹立したエマーソン・フィッティパルディが勝利を上げた。

コースレイアウト

全15コーナーで1周4km程と短い。カレンダーの中でインテルラゴスより全長が短いのは、モンテカルロ市街地コースエルマノス・ロドリゲス・サーキットの2つのみ。ラップタイムとしては1周70秒程度と、オーストリアのレッドブル・リンクに次いで速い。

インテルラゴス・サーキットのコースレイアウト図

ターン13からターン1にかけて上り坂のロングストレートが続くこともあり、パワーユニットへの負荷は大きい。この区間のおよそ15秒間、距離に換算して25%はエンジン全開区間となる。ただし、燃料消費量が少ないため、エネルギー回生面が問題となることはない。

標高は800mと高いが、メキシコGPの舞台であるエルマノス・ロドリゲスの標高2300mに比べれば、ダウンフォースやパワーユニット、マシン冷却への影響は限定的。DRSゾーンは2箇所に設置される。F1マシンはターン1とターン2を低速で駆け抜けた後、長く緩やかなターン3をエンジン全開で駆け抜ける。

カレンダーの中では珍しい反時計回りであり、右リアタイヤの摩耗が厳しい。コーナーの途中で上りから下りへと起伏が変わるターン1では、フロントタイヤをロックアップさせるマシンが多発する。ターン10の出口からターン6(約3.5km)までは、左フロントタイヤへの入力がほぼゼロであるため、如何にして左前輪タイヤを作動温度領域に入れるかが攻略のポイントとなる。タイヤに厳しい一方で、ブレーキには優しい。

最大高低差は43m。起伏が大きく、サーキット全体がお釜のような形状になっている。スターティンググリッドの最初の数列は、急な上り坂部分に位置しているため、ドライバーはスタート開始までブレーキを掛け続ける必要がある。

典型的なオールドサーキットであるためコース幅が狭く、予選ではトラフィックが大きな問題となる。アタックラップ中にセクター2でアウトラップのマシンに引っかかれば、タイムロスは免れない。

特徴

古き良きオールドファッションなコース。テクニカルでツイスティなセクションと激しい高低差、そして、ゆったりと曲がりながら続くストレートと、見るものを魅了する特徴を備えており、これまで幾度もの名場面の舞台となってきた。

1991年から2000年までの10年間の優勝者の内、1993年のアイルトン・セナを除いたすべてのインテルラゴスの優勝ドライバーがワールドチャンピオンに輝いた事もあり、最終決戦の地というイメージが付きまとう。

予測不能な天候

変わりやすい局地的天候が荒れたレース展開をもたらす。2013年から2017年までの5年間での統計におけるウェットセッション確率は20%。地形的に、天気予報はあまり当てにならず、急変する事も珍しくない。排水改善のために路面には溝が切られているものの、雨が降ると往々にしてコース上に川ができてしまう。

雨に見舞われた2010年の予選では、ウィリアムズの新人ニコ・ヒュルケンベルグがポールポジションを獲得。大波乱の展開となった。ウェットレースとなった2016年大会では、マックス・フェルスタッペンが傑出した走りを披露。一人だけドライコンディションであるかの如きドライビングでコースを自由自在に走り回り、アイルトン・セナの再来とまで高く評価された。

次に示すように、2008年と2012年は天候がチャンピオンシップに鍵を握った。

歴史に残る2008年最終戦

見る者すべてを興奮させた2008年最終ブラジルGP。大雨のウェットレースとなり、ファイナルラップまでワールドチャンピオンが決まらないという劇的な展開に。

レースを制したのはフェリペ・マッサ。マッサがチェッカーを受けた時、誰もが彼のワールドチャンピオン獲得を疑わなかったが、チェッカーフラッグまで後2コーナーのところでトヨタのティモ・グロックが突如失速。ルイス・ハミルトンがこれを抜き去り5位フィニッシュを果たし、当時の史上最年少F1ワールドチャンピオンに輝いた。

これほど劇的なワールドチャンピオン決定戦は、後にも先にもこの2008年ブラジルGPのみである。

オーバーテイクポイント

最大の追い抜きポイントはロングストレートエンドのターン1。F1マシンは時速330kmオーバーから急制動する。ターン1は丘の頂点に位置しており、コーナリングの途中で突然下り坂となる。ドライバーがブレーキングポイントを逃しコースオフするのも無理はない。

2017年のレースでは合計35回のオーバーテイクが記録され、その内の24回がDRSを使った追い抜きであった。

アイルトン・セナとインテルラゴス

ネルソン・ピケやエマーソン・フィッティパルディ、フェリペ・マッサやルーベンス・バリチェロ等など。モータースポーツ大国ブラジルは、これまでに多くのトップドライバーを輩出してきたが、中でもアイルトン・セナの人気は別格だ。

セナは依然として神の如く崇拝されており、教育の機会均等を目指すアイルトン・セナ・インスティテュートはサンパウロ市内に位置し、セナはインテルラゴスから僅か数km離れたモルンビ墓地に眠っている。

アイルトン・セナが眠るサンパウロのモルンビ墓地
creativeCommonsDaniel Incandela / モルンビ墓地にあるアイルトン・セナのお墓

ホンダとセナにとって、インテルラゴスは決して忘れられぬ地だ。1991年、セナは予選ポールポジションを獲得しながらも、レース中にギアボックストラブルが発生。完走すら難しいのではとの心配をよそに、雨が降る難しい状況の中を6速ギアのみで走りきり、念願の母国初優勝を成し遂げた。

コースレコード

決勝レースで計測される史上最速の”ラップレコード”は、2018年にメルセデスAMGのバルテリ・ボッタスが記録した1分10秒540。前年に更新されたフェラーリ、セバスチャン・ベッテルの記録をコンマ6秒上書きした。

一方の”コース・レコード”は、同じく2018年にメルセデスのルイス・ハミルトンが予選Q3で記録した1分7秒281。前年にボッタスがマークした最速記録を1.041秒も更新してみせた。

ラップレコード
1:10.540(ボッタス/Mercedes、2018年)
コースレコード
1:07.281(ハミルトン/Mercedes、2018年)

サーキットの場所と航空写真

サンパウロの南部の位置し、周りを住宅地に囲まれている。アイルトン・セナの死後も、レース週末には熱狂的な多くのブラジリアンがサーキットに足を運ぶ。ブラジルには4000を越す空港があり、サーキットへのアクセスは容易だ。