
バーレーン・インターナショナル・サーキット
サーキットデータ
名前 | バーレーン・インターナショナル・サーキット |
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所在国 | アラブ首長国連邦 |
設立年 | 2004年 |
デザイン | ヘルマン・ティルケ |
全長 | 5,412m | 15コーナー |
周回数 | 57周 | 時計回り |
ピットレーン長 | 418m| 18.8秒 |
ターン1までの距離*1 | 352m |
平均速度 | 196km/h |
最高速度 | 324km/h |
エンジン負荷*2 | | 全開率 : 65% |
ブレーキ負荷 | | 使用率 : 15% |
燃料消費量 | | 1.84kg/周 |
フューエル・エフェクト | | 0.31秒/10kg |
タイヤ負荷 | |
グリップ | |
エアロ重要度 | |
セーフティーカー出動率 | 23% |
最大高低差 | 17m |
収容人数 | 50,000人 |
総工費 | 156億円 |
WEBサイト | www.bahraingp.com |
*1 ポールポジションから最初の制動地点までの距離
*2 全開率は距離ではなくタイムベースで算出
バーレーン・インターナショナル・サーキット(Bahrain International Circuit)は、レース好きのバーレーン王国皇太子シェイク・サルマン・ビン・ハマド・アール・ハリーファ殿下の指導の下、首都マナマから南に30km程離れたサクヒールのラクダ牧場跡地に建設されたレーストラックの事。
着工は2002年12月。FIAグレード1ライセンスを取得して2004年3月17日に開業した。建設費用は約5,620万バーレーンディナール、日本円にして約156億円で、政府系投資機関が資金を投じた。
開業初年度にはF1が初開催され、バーレーン・インターナショナル・サーキットは中東地域で初めてF1が開催されたサーキットとなった。
© Pirelli & C. S.p.A.
バーレーンではアルコールは合法であるものの、表彰台でのシャンパンファイトにおいては、ローズウォーターとザクロから作られたノンアルコール飲料が用いられる。
コースレイアウト
設計を手掛けたのはヘルマン・ティルケで、6つの異なるコースレイアウトを融合させたデザインとなっている。2010年に一度だけ、第4コーナーと第5コーナーの間を延長した6,299mのレイアウトが使用されたが、ドライバーにも観客にも不評すぎて一年限りで元のレイアウトに戻った。
4本のストレートを持つストップ・アンド・ゴー型のサーキット、エンジンやブレーキへの負荷は大きい。最高速を記録するのはホームストレートエンドで326km/h。その後、マシンは最も低速となる1コーナーを75km/hほどで駆け抜けていく。
ランオフエリアが広く安全への配慮は十分であるため、無理をしてもウォールに激突する恐れがなく、ドライバーにとってはブレーキングポイントの限界を見極めるのが容易。オーバーテイクポイントが豊富にあるため、数多くの追い抜きと激しいバトルが見られる。1・3・4・11・15コーナーをオーバーテイクのチャンスと捉えるドライバーが多い。
周り一面には砂漠が広がるものの、路面は週末の開始と同時にすぐさまクリーンアップされる。FP1から予選にかけては例年おおむね3秒近くラップタイムが縮まる。
© Pirelli & C. S.p.A.
アウタートラック
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で再編された2020年シーズンのF1では、バーレーン・インターナショナル・サーキットの第2レースとして開催される第16戦サクヒールGPで、通常とは異なる全長3,543m、全11コーナーから成るオーバルライクなアウタートラックが採用された。レース周回数は87周、総距離307.995kmで争われる。
DRSゾーンはグランプリトラックより削減されて全2箇所となり、アクティベーションポイントはターン3の25m奥とターン11の170m奥の2箇所に設置された。また各々の検知ポイントはそれぞれ、ターン1の手前50m地点とターン10の手前110m地点に置かれた。
最高速度325km/h、エンジン全開率は65%、ブレーキングポイントは4箇所で、ターン1とターン4がオーバーテイクポイントとなる。
特徴
初開催となった2004年以降、競技方法やコースレイアウトが幾度となく見直されてきたが、2014年以降は夕刻から決勝がスタートするトワイライトレースで定着している。そのため、予選及び決勝と同じ時間帯のプラクティスセッションはFP2の1度のみしかない。
FP1とFP3は日中の開催となるため、週末に向けての準備をするには不適当ということで、各チームは新しいパーツのテストやタイヤへの理解を深めるために時間を使う。そのため、これらセッションのタイムシートは週末を予想するには役に立たたない。
creativeCommonsCaterhamF1
砂と熱への対策が肝となる。コース周辺の砂には固着させるための特殊な施工がされているとは言え、砂漠の真ん中に位置しているため路面には砂がいっぽい。風が強い日には尚更である。チームは開催初年度、マシン内部に砂が入ってこないよう吸気部分に特殊なフィルターを使用していたが、年を経る毎にその必要がない事が分かったため、現在では使われていない。
砂の影響が大きく表れるのは空力だ。細かく鋭利な砂が研磨剤のような役割を果たすために、マシンの表面がざらつき、これが空気抵抗となる事が知られている。
高温に対しては、各種コンポーネントのオーバーヒートを防ぐためにボディの開口部を拡大する対策を取るが、ディフューザーの効率が悪化すると共に車全体の空気抵抗が増すためエアロダイナミクスが低下。もともと冷却に厳しいマシンは、更にパフォーマンスを失う事になる。
舗装はイギリスから輸入した花こう岩が使われており、タイヤへの攻撃性が高い。そのため、硬めのコンパウンドが持ち込まれる。
バーレーン勝者が年間王者に輝く確率は75%
統計的にみると、バーレーンの勝者が年間タイトルに輝く確率は極めて高い。バーレーンの優勝者がその年のワールドチャンピオンに輝いたのは過去12回中なんと9回。また、バーレーンの優勝チームがコンストラクタータイトルに輝いたのは12回となっている。(2016年時点)
コースレコード
決勝レースで計測される史上最速の”ラップレコード”は、2005年にマクラーレンのペドロ・デ・ラ・ロサが記録した1分31秒447。怪我で欠場したファン・パブロ・モントーヤに代わりに出場し、5位入賞を果たした上にファステストラップを記録した。一方の”コース・レコード”は、2019年にフェラーリのシャルル・ルクレールが予選Q3で記録した1分27秒866となっている。
タイム | ドライバー | チーム | 年 | |
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ラップレコード | 1:31.447 | ペドロ・デ・ラ・ロサ | マクラーレン | 2004年 |
コースレコード | 1:27.866 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 2019年 |
容易なオーバーテイク
DRSゾーンが3箇所ある事も手伝って、オーバーテイクは容易だ。
年 | オーバーテイク | リタイヤ | ||
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通常 | DRS | 接触 | 機械的問題 | |
2015年 | 18回 | 21回 | 0台 | 3台 |
2016年 | 39回 | 48回 | 1台 | 4台 |
2017年 | 20回 | 15回 | 2台 | 4台 |
2018年 | 21回 | 30回 | 1台 | 2台 |
2019年 | 18回 | 43回 | 1台 | 0台 |
サーキットの場所
ご覧の通り、辺り一面はすべて砂漠となっている。