ヤス・マリーナ・サーキット:低速セクションcreativeCommons Pirelli

ヤス・マリーナ・サーキット

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サーキットデータ

名前
ヤス・マリーナ・サーキット
所在国
アラブ首長国連邦
住所
Yas Island , Ferrari World Yas Links - Abu Dhabi
設立年
2009年
デザイン
ヘルマン・ティルケ
コース全長
5,554m | 21コーナー
周回数
55周 | 反時計回り
ピットレーン長
359.3m| 16.1秒
1コーナーまでの距離
304.5m
平均速度
194km/h
最高速度
344km/h
エンジン負荷レベル
| 全開率 : 57%
ブレーキ負荷レベル
| 使用率 : 17%
燃料消費量
| 1.91kg/周
フューエル・エフェクト
| 0.35秒/10kg
タイヤ負荷レベル
グリップレベル
エアロ重要度
最大高低差
11m
収容人数
50,000人
レコード
1分40秒279 S.ベッテル / レッドブル・ルノー / 2009年
@ymcofficial
@yasmarinacircuit
instagram
@ymcofficial
WEBサイト
www.yasmarinacircuit.ae

ヤス・マリーナ・サーキット、アラブ首長国連邦のアブダビ、ヤス島に建設されたサーキット。オープンは2009年10月。同年以降、F1アブダビGPの開催地となっている。

総工費はなんと日本円にして3兆円。周辺には世界初のフェラーリのテーマパーク「フェラーリ・ワールド」や、ゴルフコース、メガヨットに対応したマリーナなどの豪華施設が立ち並び、コース脇には5星ホテル(ヤス・ホテル)が併設されるなど観光には困らない。一連の大規模な開発計画の一環としてレースコースが建設された。手がけたのは数々の近代F1サーキットを設計してきたヘルマン・ティルケ。

yas marina circuit photocreativeCommonshg10163

F1初にして唯一のトワイライトレース

アブダビGPの決勝は日没前にスタートし、その後ナイトレースへ突入。チェッカーフラッグがはためくのは夜のトワイライトグランプリ。ヤス・マリーナ・サーキットは、F1の歴史上初めてトワイライトレースが開催されたグランプリである。路面温度の低下が著しいため、タイヤマネジメントが重要。レース終了後には花火が打ち上げられ、シーズン最後を彩る。

ヤス・マリーナ・サーキットを走るMP4-31
© HONDA / 照明下のサーキットを走るMP4-31

中東の砂漠地帯に位置しているためウェットとなる可能性はゼロに等しい。事実2013年から2017年までの5年間でウェットコンディションとなったセッションは一度もなく、天気予報が雨予想だった事もない。平均気温は27.9°C。平均路面温度は30.9°C。

コースレイアウト

レーシング専用セクションと市街地をイメージしたセクションとを組み合わせた独特なサーキット。約1.2kmのロングストレートや、連続する低速の90度コーナーなど、セクター毎にマシンに対する要求が変化するテクニックな一面を持つ。前半は超高速サーキット、後半は低速のストップ・アンド・ゴーといった趣。全21コーナーのうち6つが時速100㎞以下、低速時のトラクションが重要。タイヤに大きな負担を強いるため、例年2ストップ戦略が主流となっている。

ヤス・マリーナ・サーキットのコースレイアウト図

コース上のアップダウンは殆ど無い平地。新しいコースのためアンジュレーションも少なく路面はスムーズだが、砂漠からの砂によって滑りやすい箇所がある。路面の舗装にはイギリス・シュロップシャー州のベイストンヒルの硬砂岩を使う。コース幅が広くエスケープゾーンも多いため、セーフティカーの出動はあまり期待できない(40%)。

個性的なピットレーン

コースも然ることながらピットレーンも個性的。本線から右に分流した359.3mのピットレーンは、ホームストレート進行方向右側に配置されたピットを通り、サーキット本線を地下からくぐり抜け、左から本線に合流する特異な構造となっている。暗く狭いそのトンネルは、タイヤ交換直後でグリップのないマシンの足元を度々滑らせる。1回のピットストップでのタイムロスは約16秒プラス制止時間。

オーバーテイク

2本のロングストレートを有するもオーバーテイクは極めて困難。2017年のグランプリでは合計で7回のオーバーテイクが計測されたが、その全てがDRSを使用したもので、通常の追い抜きは皆無であった。トラック上のアクションが少ないため「つまらない」との批判も少なくない。

2016年、ラップリーダーのルイス・ハミルトン(メルセデス)は、この追い抜き困難な特性を利用して、後続2番手を走るランキングリーダーのニコ・ロズベルグを他のマシンの餌食にすべく故意にペースを落とした。ハミルトンが4度目の王者になるにはロズベルグが4位以下になることが条件、ハミルトンは後続マシンがロズベルグに追いつけるようにペースダウンした。

トップスピードはDRS区間の8コーナー手前で時速331km、1.2kmの距離を約14秒間エンジン全開で走るためICEへの負担が大きい。同じくDRSが使用可能な11コーナー手前でも時速320km程に達する。両コーナー手前はハードブレーキングとなるためブレーキへの負荷が大きい。エンジン全開率は57%、平均速度は時速190kmとカナダGPのジル・ビルヌーブ・サーキットとほぼ同じ。

燃料消費量はシーズンTop5に食い込む悪さ。オーストラリア、カナダ、オーストリア、ロシアに続いて燃費にキツイ。2から4コーナーはエンジン全開区間。ブレーキングポイントが多いため、エネルギー回生は問題とならない。

コースレコード

決勝レースで計測される史上最速の”ラップレコード”は、2009年にレッドブル・レーシングのセバスチャン・ベッテルが記録した1分40秒279。一方の”コース・レコード”は、同じく2017年にメルセデスのバルテリ・ボッタスが予選Q3で記録した1分36秒231となっている。

ラップレコード
1:40.279(ベッテル/Red Bull、2009年)
コースレコード
1:36.231(ボッタス/Mercedes、2017年)

サーキットの場所

アブダビ市内からのアクセスも良く、車で30分程度の場所に位置する。アブダビ国際空港からの便も良い。

サーキット内にあるヤス・レーシング・スクールでは、アストンマーチンや3000ccのV6フォーミュラカーを使ってコース走行が体験できる他、最新鋭のコントロール・ルーム見学などが出来る。

写真で見るヤス・マリーナ

日中のヤス・マリーナ・サーキット
© Andrew Hone, Pirelli / 日中のヤス・マリーナ・サーキット

夕暮れのヤス・マリーナ・サーキット
© Andrew Hone, Pirelli / 夕暮れのヤス・マリーナ・サーキット

ヤス・マリーナ・サーキット:セクター2の始まり、アップダウンが無いことがよく分かる
© Pirelli / セクター2の始まり、アップダウンが無いことがよく分かる

ヤス・マリーナ・サーキット:2箇所目のDRSが設置されるバックストレート
© Pirelli / 2箇所目のDRSが設置されるバックストレート

ヤス・マリーナ・サーキット:低速セクション
© Pirelli / 低速の第3セクター