正式な決定はまだ下されていないようだが、F1と統括団体の国際自動車連盟（FIA）は開幕バーレーンGPを前に2022年のレギュレーションを改訂し、マシンの最低重量を3kg引き上げる事を決めたようだ。

F1はグランドエフェクトカー導入の2022年に車両最小重量を795kgに引き上げた。これは昨年比で43kg増という大幅な引き上げだが、それでも多くのチームが重量オーバーに頭を抱えている。

イタリア版Motorsportによると、FIAは全10チームのうち9チームから寄せられた要望を受け、今季シングルシーターの最低重量を更に3kg引き上げる事を決めたと言う。

トップチームを含む大多数が重量オーバーを課題としている最大の理由はバジェットキャップにある。カスタマーチームはいざ知らず、以前であれば豊富な資金を以て軽量化を達成した事だろうが、今年は1億4000万ドル（約161億円）の予算制限が壁となって立ちはだかる。

予算上限が施行されたが故の課題であるため、FIAは重量増を快く思わず、その結果として話し合いは長引いていた。中には10kgや15kgという大幅な引き上げを求める声もあったようだが、最終的に予算上限の精神から大きく逸脱しない範囲で妥協が成立したようだ。

要望を挙げずに反対したのはアルファロメオと見られる。C42を除く全てのマシンは795kgを超える肥満体型で、中でもレッドブル・レーシングが重量引き上げを強く希望していたものとみられている。

13インチから18インチに変更された事で車重はタイヤ単体で11kgも増加し、ホイールカバーの搭載やブレーキ関連の大型化に伴い更に上積みされた。また、安全性能強化のために躯体重量も増えており、挙句の果てにはポーパシング現象への対処として、各車は床下の補強で更に多くの脂肪をつけざるを得ない状況に置かれている。